ベトナムでの出来事はたくさん書きたいことがあるのですが、今日はホーチミン市の中心にあるベンタイン市場での出来事をお話します。この市場、なにせ世界中のツーリストに有名な市場ですから、ほとんどの買い物客は外人です。僕達にとってはええーというような値段ですから安い!と思うのですが、現地の人から見ると、全てが高いのでここでは絶対に買わないそうです。広大な建物の市場に入ると、片言の日本語を駆使して、何とかみやげ物を交わそうとします。服を引っ張ったり、手を引っ張ったり。変な関西弁で「なんでやねん!」って突っ込まれたり。どこで覚えたんでしょうか?Tシャツ1つにしても、某高級腕時計のスーパーコピー品なんかもありますが、値切ればどこまでも値切れてしまいます。あまりにしつこいのでまた明日くるよ。と断り文句をいれると「ミンナソウヤッテイツモヤクソクヤブルヨ」と捨て台詞。とにかく胡散臭すぎて財布の紐を緩める気にもなりません。少々歩きつかれたので、ふと市場の中の場店でココナッツを飲んでいました。店のオバチャンと会話を試みるのですが、英語もまったく通じません。すると、オバチャンは近くのコーヒー問屋で働くホン君を呼び寄せ通訳をお願いしました。このホン君の日本語が非常にうまい。ほぼ完璧な日本語です。まったく日本にはいったことはなく、ベトナムの専門学校でマスターしたそうです。まだ18歳ですよ。市場には小学校4年生から10年もここでアルバイトをしているそうで、近くの売店や食堂のマスターにちょこちょこ客との通訳に借り出されるそうなのです。彼とは非常に会話が弾みました。お勧めの食べ物のこと、美味しい屋台のこと、物価のこと、日本への憧れのこと、市場のこういう客引きのところでは絶対買ってはいけない、ということなど、こちらが欲しい情報を懇切丁寧に教えてくれます。にもかかわらず、自分の店のコーヒーは絶対に売り込んでこないんです。思いました。彼は10年というアルバイト生活の中で、どうやったらお客の信頼を勝ち取ることができるのか自然に学んでいるんですよ。外国人相手の市場での最強の武器とは、語学力と的確な情報を与えつづけることです。ベトナムは世界第二位のコーヒー産地ですから、みやげ物としては最高です。当然、僕のお土産リストにはいっているわけですから、ホン君のお店から豆を買うことになりますね。しかもですよ。そこには値引きは一切ありません。僕はかなりのコーヒー通なので豆の値段は知っています。でもホン君が売っている豆は日本の豆の値段よりちょこっと安いだけです。別に豆はどこから買ってもいいわけですよ。他の店なら値切れるし。けど、なぜ僕は彼の店から豆を買ったのか?それは、私は彼の持っている情報と絶対に売り込まない誠実な人柄に財布の紐を緩めたわけです。自分の商売に必要なスキルは他の追随を許さないレベル昇華させる。商売の王道ですね。別れ際に僕の携帯番号を彼に教えました。もし、彼が自力で日本にくることがあれば、何か力になってあげたいですね。