クリエイターズ安堵家|コンサルティング事例


クリエイターズ安堵家
今回は、デザイン性と収益性を両立させた新築企画。しかも、超人気路線の東急東横線沿線に、土地から購入しての新築企画です。
計画地は、世田谷区野沢。東急東横線「学芸大学」徒歩13分、東急田園都市線「駒沢大学」徒歩15分という人気路線沿線にあり、さらに駒沢公園まで徒歩14分の立地です。
ただし、土地形状は活用しにくい旗竿地(路地状袋地)。しかし、様々な工夫を施すことで個性的な人気物件に仕上がりました。物件コンセプトと建築概要では、そのアイデアを具体的にお伝えします。

この土地情報はレインズ(不動産流通標準情報システム)などの情報サイトに掲載される前に手に入りました。しかも近隣相場が坪200万円超の地域でありながら、坪100万円で購入することができたのです。
では、どのようなにすれば、安く土地を買えるのか・・・
そこで目をつけたのが旗ざお地です。
(旗ざお地とは:道路と接する土地が路地状のため、土地の形状が旗竿に似ている土地)
このような旗ざお地の場合、どうしても入口が狭くなるため、自動車が駐車できないケースが多く、相場の50〜70%の価格で売りに出されることが一般的です。通常200万円/坪超で売り出されている土地も多数あるこの地域で、近隣相場の半値以下で売りに出ました。

学芸大学駅前エリアには数多くの個性的なカフェやインテリアショップがあることで有名です。特に計画地近くの目黒通りは別名【インテリア通り】と言われており、アートに敏感なクリエイターが多く集まります。実際、物件近くのカフェで打合せをしていると、本当に多くの有名人やアーティストに出会いました。
今回の施主であるCオーナーはバイクが好きでバイクをカスタムし、それに乗ってツーリング、旅をするのが趣味だといいます。今まで旅で出会った個性的な人や、訪れた地域お店から様々な刺激を受け、それを仕事にフィードバックしてきたそうです。まさに学芸大学の街の雰囲気にぴったりな人生経験をしている方です。
そんなCオーナーだからこそ、今回の計画地をみてその場で購入を決断。
「学芸大学駅前エリアに集まるクリエイターを惹きつけるような場を提供したい!」という言葉からこの企画は誕生します。
この結果、このエリアでは、10万円台前半の家賃を想定した大きめの賃貸物件がベストだとわかりました。
「しかし、どうすればそのような空間を表現できるのか…。 」
そこで浮かんだのが、次のアイデアでした。



1・2階ともに天井高4m以上の大空間を演出。

つり下げロフト+半地下。

クロスのラインで広がりを演出。

間取りは長方形であることが一般的。しかもどの部屋も同じような間取りになるのが普通です。しかし今回企画した間取はどれも変則的。これには理由があります。
計画地は旗竿地(路地状袋地)であり、更に高層の建物で囲まれています。その為、考えずプランニングすると必然的に居室が暗くなってしまいます。
そこで、今回の企画では間取りを工夫し、外へ向けた面積を増やすことにより採光を十分に取入れるよう設計しました。この工夫により広がりある居室空間を演出することができたのです。もちろん、収益性を確保するため、目標とする戸数を配置した上でのプランです。

更には、1階は半地下。1階なのに階段を降りて居室に入る感覚が新鮮です。また、2階は個性的な階段を登って居室に入ります。クリエイターを惹きつけるアイデアを散りばめています。









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所在地 | 東京都世田谷区野沢3丁目 | 金利条件 | 1.85%(当初10年固定、借入期間30年) |
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構造 | 重量鉄骨造/地上2階建 | 金融機関 | りそな銀行 |
敷地面積 | 201.95m2 | 設備等 | トイレ・バス別 |
建築面積 | 96.75m2 | ||
延床面積 | 188.94m2 | (ロフト面積は含みません。)||
総戸数 | 1棟8戸 | ||
建築年月 | 平成25年3月 |
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総合予算 | 約14,000万円(土地代込) | ||
利回り | 8% |

複数の企画からベストを絞り込む
今回のプランが決まるまでに、数回企画を練り直しました。繰り返し何回も打合せを重ねるうちにようやく光が見え始め、難産のうえ生み出した建物です。
簡単にアイデアが出るものもあれば、いくら考えても出ないものは出ない時もある。
しかし、どのような企画が一番その土地を活かすことができるのか?ベストな土地活用法を導き出すためには、考え得る複数の企画を立案し比較検討すること。十分な時間をかければかけるほど、納得いく土地活用が実現することになるのです。