ウエルネス木場公園|コンサルティング導入事例


ウェルネス木場公園
平成16年3月、東京都江東区に日本一規模を誇る本格的外断熱賃貸マンションが誕生しました。
施主の土屋様は医師。
「住む人が健康になる賃貸マンションを作りたい」ということから外断熱工法を採用。当時はまだ外断熱のコストが高く採算性が心配されましたが、うまく補助金等を活用し、11%以上の高利回り化を実現させることができました。
現在も入居待ちができるほどの大人気物件となっています。

当計画は、言わずと知れた「外断熱マンション」です。今でこそ外断熱が注目されていますが、当時は、今ほど一般的な工法ではありませんでした。オーナーの土屋様と初めてお会いした時、「私は医者なので住むだけで入居者が健康になるマンションを作りたい」と打ち明けられました。日本のマンションは伝統的に内断熱が常識ですが、内断熱は結露を誘発し、結露によって発生するカビやダニは人体にさまざまな影響を及ぼしていることが問題になりつつあったのです。
オーナー様から相談を持ちかけられた翌週、私はすぐに札幌に飛びました。唯一、本格的な乾式工法による外断熱工法を日本で初めて開発した会社に訪問するためです。訪問したのは真冬の2月。その日は外断熱のモデルルームに宿泊させてもらいました。外気がマイナス10℃。なのに、少し暖房ただけで汗ばむくらい暖かくなったことに大変驚きました。一旦暖まった後は暖房を切っても薄手の毛布一枚でぐっすり眠れるほど、素晴らしい断熱性能だったのです。
しかし、まだ当時の外断熱工法はコストが1割以上高くなり採算性が合いません。そこで東京都の利子補給制度を活用しコストアップ分を利子補給で補うことを提案。無事受給決定した結果、高コストにもかかわらず高利回りが実現することになりました。実際の利子補給は2%(当初10年。11年目以降は1%)公庫の金利が2.2%ですから、実質金利わずか0.2%で10億近い融資を引き出すことができ、無事、日本初の高利回り外断熱賃貸マンションを完成させることができたのです。

コンクリートの外側にビスで留められた断熱材。この断熱材と外壁の隙間に空気の層ができることによって湿気を逃がし、結露を防ぐことができます。

住む人の健康を願って、厚さ100ミリもの断熱材が全面に貼り巡らされています。


引き戸を使用することによって、
様々な部屋の使い方が可能です。
今回の企画はSRC造11階建て。3LDKメインの55戸(1戸はオーナー住戸)と内科と歯科の開業医が1階、2階に入居する医療併設型の賃貸マンションです。
完全に部屋同士を仕切ってしまうのではなく、リビングに接する部屋は引き込み式の引き戸を採用し、広々した2LDKとしても利用できるようにしました。入居者の家族構成によって部屋が可変的に使えるのも一つのメリットです。
また、都立木場公園が隣接していることから、長く住んでいただけるよう、分譲マンションにも引けをとらない二丁掛タイルの外観だけでなく、内部も細部にこだわった高級感あふれる仕上げにしています。

建物のほど近くにある木場公園。お散歩や子供と遊ぶのには最適の場所。イベントが開催されることもあるので、楽しみが広がります。

全室に備えられたカード式キー。防犯面も万全です。

ガラス貼りのエントランスは、上品な雰囲気を醸し出しています。
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所在地 | 東京都江東区 | 金利条件 | 年1.4%※東京都利子補給制度を活用 |
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構造 | 鉄骨鉄筋コンクリート造/地上11階建 | 金融機関 | 旧住宅金融公庫、地方銀行 |
敷地面積 | 1308.83m2 | 設備等 | 外断熱仕様 カードキー トイレ・バス(1216)別 ケーブルテレビ引込み済 温水洗浄機能付き便座 防犯カメラ 防犯ガラス 立体式駐車場 ペット水洗 |
建築面積 | 549.73m2 | ||
延床面積 | 1232.70m2 | ||
総戸数 | 55戸+店舗2戸 | ||
建築年月 | 平成16年3月 | ||
総予算 | 約10億円 | ||
表面利回り | 11.1% |

「住むと健康になる!」が当物件の基本コンセプトです。近くに江東区スポーツセンターや都立木場公園があるため、健康志向の世帯がターゲットです。もちろん、病気になったら、オーナーである土屋先生の内科ですぐに診断してもらえるというのもメリットの一つです。
当物件は子育てに最高の立地環境にあるため、入居世帯はファミリー層を想定。長い期間で住んでいただけるように、一部ペット可として、建具をウォークスルー式のものにしたりペット用水洗や足洗い場を設置。
さらに、独自のペットクラブを発足させペット飼育ルールの遵守だけでなく、定期的なペットのしつけ教室なども開催することにしました。(現在、当物件の管理やペットクラブの運営は当社で行っております)

ペット専用に設けられた出入口。人間だけでなく、ペットも自由にのびのびと暮らせる建物です。

備え付けのペットの足洗い場。お散歩で汚れても洗い流してから室内に入れるので、室内を清潔に保てます。

骨組となる鉄骨の仕上がりも、オーナー様立ち会いのもと、徹底的に検査を行いました。

外断熱とは、建物の外側に断熱を行い、コンクリート(蓄熱層)が外気の影響を受けないようにする断熱法です。日本の断熱は歴史的に無断熱か内断熱でした。内断熱は、コスト的にリーズナブルな反面、建物は外気の影響をもろにうけ、室内環境に多大な影響を及ぼします。夏場にエアコンをかけても室温が下がらなかったり、冬場に部屋がなかなか暖まらなかったり、壁が結露するのはすべて断熱が内側に施工されているからです。
外断熱を一言でいうと、建物にダウンジャケットを着せたようなもの。外断熱なら建物は外気の影響をほとんど受けることがないので、冬は暖かく、夏は涼しいという理想的な室内環境を実現できます。また、躯体が外気の影響を受けないため、コンクリートの熱膨張や収縮が起きません。したがって、建物の寿命も長くなるというメリットもあります。 外断熱工法には「乾式工法」と「湿式工法」の2通りがあります。
「乾式工法」は、外断熱と外壁の間に通気層があり断熱層で発生する湿気を逃がすことができる工法で、高層階まで施工することができます。
「湿式工法」はドライピット工法とも呼ばれ、躯体にそのままスタイルフォームなどの断熱材を直接貼り、さらに外装材を断熱材の上に貼りつけて仕上げる工法で比較的中低層の建物に採用される工法です。コストは湿式より乾式工法の方が高くなりますが、湿式工法よりもすぐれた断熱効果を発揮することができます。

東京都 土屋雅彰様
以前より自宅の土地活用を考えていた為、平成13年5月より浦田さんのメールマガジンをとることにしました。内容はとても実践的で、マンション経営者ばかりでなく、そこを利用する方の立場まで考えた対応でありました。
しかし、少しうまく行き過ぎている様にも感じられたので、これは実際に人物を見てみないと信用できないと思い、平成13年12月15日アパ・マン経営セミナーに参加することにしました。初めて浦田さん本人からのセミナーを受けて、この人なら任せられると実感し、物件的にも私だけで行うことには難しすぎるとの思いもあり、コンサルティング制度の利用を検討することにしました。平成14年1月9日建設予定地を見てもらい、その月末までには収益性を含めた報告書をいただき、事業として成り立つと説明を受けましたが、その時点では私自身が何となく、しっくり行ってない様に感じていました。
私は仕事柄いつも皆さんの健康について考えているのに、このマンションにはそれが欠けていることでした。いろいろと勉強するうち、平成14年2月に江本央さんの「100年マンションの誕生」が出版されて読んで行くなかで、通気層のある外断熱マンションこそ真に健康を考えた建物であるという考えに至りました。この件を浦田さんに相談しましたところ、さっそく外断熱にしたときの収益性や資金繰りを検討いただき、また実際に北海道まで外断熱マンションを見に行ったりしていただきました。
その結果、対応可能であるとの結論になりコンサルティングの正式契約を行いました。その後は資金繰りの交渉、設計士や建設会社への意思伝達などを精力的に行っていただき、平成15年1月に着工となり、平成16年3月に無事完成。即満室も実現できました。
コンサルティングを受けていなければ、事業面ばかり検討してしまい、自分の理想とするものが何かを考える暇が無く、自分自身の納得できるマンションを作ることが出来なかったのではないかと思っています。
コンサルティングを利用される方は、主に収益性に目が向いてしまうことは確かですが、自分自身が理想とする建物の考えを実現する方法としても利用できるのではないでしょうか。