浦田健について 書籍
魚を与えるのではなく、サカナの釣り方を教えよう~起業家の父から愛する子へ33の教え~
著作:浦田健(著)
金額:1,650円
出版社:実業之日本社
商品番号:ISBN 978-4408420837
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~愛する子供たちへ~
君がこの本を読んでくれるかどうかはわからない。
別にいまは読んでくれなくてもいいけど、いつか君が大人になって、自分の人生を左右するような困難や難題にぶつかった時、人生の岐路になった時、折に触れてこの本を開いてみるといい。
きっと、その時に、君が必要としているアドバイスや、解決のきっかけを見つけることができると思う。
いつも僕が君に、財産は与えない、といっている本当の理由は、いま我が家にあるお金より、この「教え」の方がはるかに価値があるからなんだ。
お金は無くなることがあるけれど、君の「頭の中」にある「教え」は絶対に無くならない。そして、この「教え」があれば、いつでも富を作りだすこともできるし、幸せに成功することもできるんだ。
だから、僕は魚を与えるのではなく、サカナの釣り方を教える。
父より
〜僕と同じオヤジたちへ〜
この本を手に取ってくれて本当にありがとう。
でも、残念ながら、この本はあなたのためではなく、僕の子供たちのために書いた。
なぜこんな身勝手な本を書いたのか?まずは、その理由を説明させてほしい。
もしかするとあなたは、僕と同じ40代、もしくは50代前半のオヤジではないだろうか?
そして、あなたの子供は、中学生か高校生くらい。あと数年で社会への門出を迎え、それぞれの人生の航海に旅立つ。そんな年頃だと思う。
でも、僕にはもう、彼らと一緒に暮らす時間はあまり残されていない。あと10年も経たないうちに、我が家は新婚当時の静けさを取り戻すだろう。
彼らはこれからの時代を上手く航海していくことができるのだろうか?
彼らが旅立つ前に、僕は親として、人生の先輩として、彼らに人生をより有意義に、そして幸せに過ごすための「教え」を伝えたい。
だが、いつ彼らが僕にアドバイスを求めてくるかはわからないし、その時がきたとしても、もう僕はこの世に存在していないかもしれない。
だからこの本を書いた。
いまの僕なら、将来彼らが路頭に迷うことのないよう、十分な財産を残すこともできると思う。でも、それをするつもりはまったくない。
なぜなら、お金をたくさん持っていても、それだけでは彼らは自分の人生を有意義に過ごすことは絶対にできないと思うからだ。
しかし、逆に本書に書いてある「教え」を知っていれば、無一文からでもお金持ちになることはできるし、幸せになることもできる。けれどもその逆はない。おそらく、親から貰ったお金は食いつぶす一方になるだろう。
そして、彼らは人生を楽しむどころか、精神的な苦痛にも苛まれ、生きるだけで精一杯、そんな苦労が待ちうけているかもしれない。
だから、僕は子供たちに、魚を与えるのではなく、サカナの釣り方を教えたいのだ。
老子は言った。
「授人以魚 不如授人以漁」(人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣りを教えれば一生食べていける)
英語では、「Give a man a fish and you feed him for a day. Show him how to fish and you feed him for a lifetime.」と訳される。
しかし、いまの世の中の風潮は、いつの間にか、自分の世代でたくわえた富(魚)をせっせと節税し、子供たちに相続させる(与える)ことばかり考えるようになってしまっている。
本当にそれが彼らのためになるのか?
社会のためになるのか?
かつて僕は、33歳の誕生日の月に突然会社を辞めることになり、翌月から収入がゼロになってしまったことがある。
しかし、幸いにも僕は「サカナの釣り方」を学び実践していたので、路頭に迷うことはまったくなかった。
本書では、僕が学び身につけた「33の教え」について、その内容を1つひとつ僕の経験を踏まえながら書いていく。
どれも何ひとつ難しいことはないが、あまり意識して実践している人はいないようだ。
なぜ、人は失敗するのか?
なぜ、大金を手に入れたのに不幸な人がいるのか?
それは本当の「サカナの釣り方」を理解し実践していなかったからだ。
もちろん、僕だってすぐにサカナが釣れたわけではない。
道具や仕掛けを工夫しなければならなかったし、ポイント選びも重要だった。季節や時間帯によっても釣果は違った。天気にも左右される。
どんな条件でも、サカナを釣らないと生きてはいけない。だから、釣ったサカナを加工して保存する方法を学んだ。
もちろん、サカナを釣るばかりが能ではない、養殖する方法だってある。こうして数々の経験を重ね、僕はあらゆる危機を乗り超えられるようになっていった。
それぞれの人生には、さまざまな課題が待っている。
この課題を超えてこそ、人は成長し、活躍のステージをあげていける。そうして初めてサカナも釣れるようになるのだ。
これは良い道具を持っていても魚が釣れるようにならないのと同じ。お金で解決できることではなく経験や知恵こそがその助けになるのである。
僕自身も20代、30代、40代と人生の岐路で、自分なりにさまざまな課題に立ち向かい、スパイラルに成長してきた。人生の先輩に教えてもらったこともあるし、本をたくさん読んだり、自分の経験の中で気づきを得たものもある。
本書にも書いたが、人生の岐路で、もがき、苦しみ、その都度、さまざまな難関を超えてきた。
だからこそ、33歳で自ら仕事をつくり、そこそこの成功を収めることができたのだと思う。
でも、もし本書に書いてある「教え」を、僕が10代、20代の時に知っていたなら、もっと気楽に、楽しく、そして早く、さまざまな難関を超え、成功していたと思える。だから僕の子供たちには、いまのうちにこの「教え」を伝えておきたいのである。
しかし、彼らはすでに思春期の真っ只中。多感な年頃になってしまい、悲しいかな、僕の話を真剣に聞く耳を持ち合わせていない。
夕食時に、真面目な話を始めようものなら、すぐに茶化され、食事を食べ終わればすぐに席を立たれてしまう。
学校への送り迎えの車内でチャンスを見つけ「教え」にトライするも、すぐに夢の中に潜られてしまう。臭い、うざい、ハゲといわれることもある。ハゲてないのに……(笑)。
とにかく彼らの年代はコミュニケーションが取りづらい。
だから僕はこの本を書き、そっと彼らの傍らに置いて、そこから彼らの成長を見守っていようと考えた。
僕の願いはただひとつ。彼らが、本当にやりたいことを見つけ、たくさんの仲間たちと、社会に役立つことをし、毎日をワクワク幸せに過ごしてもらいたいということだ。
彼らがそんな人生を歩んでくれるようになったら、それで満足。思い残すことはない。
彼らが、この本を折に触れて読んでくれたなら、きっと成長の助けになる。僕自身がそうだったから、そう確信できる。
もし、あなたにも僕と同じ年頃の子供がいるのなら、この本を彼らの傍らに置いてくれたらいいと思う。
しかし、この本に書かれている70%くらいは、あなた自身もできていないとダメだ。
「パパができてないこと、私たちに押しつけないでよ!」
逆に恥をかくことにもなるだろう。
だから、この本に書いてあることは、あなたがまず生活の随所に取り入れ、あなた自身がまず成長しなければならない。
釣りが下手な人に、だれも釣りを教わろうとしない。
あなたが、釣り名人になれば、自ずとあなたの子供たちも釣り名人を目指すようになる。
子供は親を映す鏡。子供は親の背中を見て育つのである。
(「はじめに」より)
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