コンサルティング / 稼ぐ戸建賃貸 事例
RC造9階建て「究極の賃貸併用住宅」
■資金計画
建築費47,520万円
諸経費
7,790万円
総事業費
55,310万円
■収支計画
年間家賃約5,357万円(約446万円×12ヶ月)
表面利回り
9.68%
計画地は新宿駅から徒歩9分とアクセスも良く、大通りから一本入った立地で高層ビルには囲まれていますが、都会の喧騒を感じない、住環境としては非常に良好です。
計画地の敷地面積は約135坪で、建築前は昭和49年に建てられた3階建て+塔屋のご自宅(鉄骨造)と、昭和56年に建築された4階建ての賃貸マンション(鉄筋コンクリート造)が建っていて、コインパーキングもありました。
解体にあたりアスベストを調査分析したところ、ご自宅はアスベストを含有していることが判明し処分方法も複雑になるため、賃貸マンションの解体と合わせると解体費は高額になりました。
しかも敷地形状が複雑な上に地下鉄が敷地内を通っている関係で、建物の配置に関しても制限がある状況です。都市計画の容積率の制限が600%に対して接道幅4mと狭く、容積率は最大240%までしか建築できません。
そして今回は自宅の建て替えを兼ねていて、オーナー様の住戸が2世帯入る計画です。
全体の専有面積の割合から算出すると、住戸の約20%が賃料収入を生まないオーナー様住戸になります。
また解体予定の賃貸マンションは計画相談時の段階でほぼ満室の状況で、入居者の退去交渉や退去期間及び退去費用もかかります。ご自宅の仮住居費用も含めて、費用を計上する必要があります。
こういったネガティブ要因を全て受け入れながら、高収益を実現するためのコンサルティングが今回のプロジェクトの大命題でした。

今回の計画では新宿の入居希望者のターゲットとオーナー様の住戸が共存する賃貸併用住宅であることを踏まえた計画が必要になります。
また賃貸住戸の専有面積を全て40㎡以上とすることのメリットを、最大限に活かした計画にしました。(不動産取得税控除&固定資産税の軽減措置)
1LDKなので単身者からDINKS、または小さいお子様が一人のファミリー層まで、幅広いニーズに対応できます。
賃貸住戸は3タイプあり、奇数階・偶数階で内装パターンを変更しております。






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所在地 | 東京都新宿区西新宿 | 金利条件 | 非公開 |
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構造 |
RC造/地上9階建 |
金融機関 |
三菱UFJ銀行 |
敷地面積 | 443.21m2 | 設備等 |
追炊付ユニットバス |
延床面積 | 1307.96m2 | ||
総戸数 | 1棟21戸 | ||
建築年月 | 2020年6月 | ||
総予算 |
約55,310万円 |
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表面利回り |
9.67% |

今回の計画では住環境としては良好であるものの、事業収支にとってはネガティブ要因が多くある中で、コンサルタントである私の仕事はオーナー様からの要望と設計や施工者側からの提案を取りまとめ、主に事業性を考えてバランスをとることでした。
しかし全専有面積に対して20%はオーナー様が利用する計画なので、全体の1/5は家賃収入がありません。賃貸住戸は建設会社の標準仕様をベースに、オーナー様の自宅も特段の要望がない限り賃貸住戸の仕様で計画してコストを抑えました。

今回の計画は事業収支を圧迫する下記8項目の阻害要因を克服することがプロジェクトの根幹となり、トータルのコンサルティングが必要な計画でした。
①2棟の高額な解体費(アスベスト含有)
②特殊な敷地形状(変形敷地/上向きコの字型)
③建物配置に制限がある敷地(地下鉄/地上権設定)
④解体予定の物件の退去交渉と退去期間と退去費用(ほぼ満室)
⑤前面道路幅が狭く一歩通行(大型車両は進入不可)
⑥容積率制限が厳しい(都市計画は600%の制限でも、道路幅で240%の制限)
⑦賃料収入を生まない住戸割合が20%(オーナー様利用分)
⑧建築費高騰の時期(消費税増税+東京オリンピック)
着工前には隣地所有者と計画内容や工事着手に関してのトラブルがあったものの解決して着工できました。また完成前にはコロナ禍の影響で、トイレやキッチンのレンジフードの納期が未確定となるなど完成まで紆余曲折がありましたが、無事に完成引き渡しを迎えることができました。