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RC造14階建て賃貸マンション

■資金計画

建築費
77,178万円
諸経費
11,025万円
総事業費
88,203万円

■収支計画

年間家賃
年間家賃 約7,222万円(約602万円×12ヶ月)
表面利回り
8.19%

企画秘話
計画地は、用途地域が近隣商業地域と準工業地域に跨る土地で、幅員が広い主要幹線道路に面しています。

 

容積率の異なる用途地域に跨る場合、敷地面積で加重平均を計算します。

 

今回の敷地の容積率の上限は311.38%でしたが、実際に計画した容積率は308.03%ですので、ギリギリまで消化した形になります。

 

階数に関しては10階建て、14階建て、18階建てを法令上の日影規制や必要設備、投資効率など、比較検討した上で、14階建てに決定しました。

 

今回の計画地は都心の好立地で法令の制限も厳しくないため、収益性のみを優先するのであればもっと違った計画になっていたと思います。

 

今回は賃貸部分だけでなく、オーナー様の住戸とオーナー様の事業で利用するためのスペースを確保したいというご要望がありました。

 

オーナー様にとっては夢のマイホームであり、事業においては差別化を図るための空間であり、また安心して賃貸経営ができる物件・・・という3つの課題に向き合い、オーナー様と密に情報共有をしながら、要望を叶えるための思考法で一つ一つ問題を解決していきました。

 

また、設計および施工者も含めたプロジェクトチームで打合せを重ね、計画の途中変更も数知れずありましたが、最終的には最適解に導けたという思いです。

 

建物概要

 

今回の計画では入居希望者のターゲットとオーナー様の住戸が共存する賃貸併用住宅であることを踏まえた計画が必要になります。

 

賃貸住戸の間取りは5パターン用意しました。シングル・DINKS系を対象とした1LDKの間取りを3タイプ24戸(専有面積40m2)、ファミリー系を対象とした2LDKの間取りを2タイプ4戸(専有面積60m2)で計画しました。賃貸住戸は合計28戸です。

 

各戸の専有面積が40m2超える計画にしたことで、固定資産税と不動産取得税の軽減措置があります。賃貸住戸は奇数階・偶数階で内装パターンを変更しています。

 

 

計画概要
所在地 東京都大田区西糀谷 金利条件 非公開
構造

RC造/地上14階建

金融機関

城南信用金庫

敷地面積 514.8m2 設備等

オートロック
宅配ボックス
追炊付ユニットバス
浴室乾燥機
ウォシュレットトイレ
システムキッチン
シャンプードレッサー
カラーTVインターフォン
ペア・防犯ガラス
マルチメディアコンセント

延床面積 1873.47m2
総戸数 1棟30戸
建築年月 2024年5月
総予算

約88,203万円
(設計・外構工事費込)

表面利回り

8.19%

 

物件コンセプト

 

今回の計画では住環境としては良好であるものの、オーナー様の住戸やオーナー様が使用する事業用スペースの面積割合が多く、事業収支にとってはネガティブ要因が多くある中で、建築費の高騰も大きく影響する時期でした。

 

オーナー様の夢のマイホームの願いを叶えるために要望は可能な限り汲み取り、間取り構成については将来的な家族構成の変化にも対応できるようにしています。

 

コンサルタントである私の仕事はオーナー様からの要望と設計者や施工者側からの提案を取りまとめ、主に事業性を考えてバランスをとることでした。

 

しかし全専有面積に対してオーナー様が利用する割合が23%を超える計画なので、全体の1/4近くは家賃収入がありません。賃貸住戸は建設会社の標準仕様をベースにしたり、外装のタイル張りの範囲を減らすなどしてコストを抑えました。

 

建築費が高騰する中でもコストダウン案を実施し、賃貸住戸は差別化案を実施することで賃料もアップでき、事業収支は長期にわたってリスクを加味しても十分キャッシュフローを得られる計画にすることができました。

 

 

コラム

 

今回の計画は当初は既存の法人を建築主とした計画で依頼を受けましたが、相続税専門税理士にチームに入ってもらい相続税を試算したところ、土地の所有者である個人が建築主となった方が相続税対策の効果が高いことがわかり建築主を変更しました。

 

高齢の建築主様となるので認知症対策や万が一に建築中に相続が発生することもリスクとして発生することから、家族信託で実績のある司法書士に依頼して家族信託の締結や、遺言書を確認した上での信託付き融資も含めて複雑な対応が必要なプロジェクトでした。

 

オーナー様の自宅や事業用スペースも含む賃貸併用住宅なので、自宅の設計については変更も数多く発生したことから設計士や施工者には臨機応変に対応して頂きました。

 

懸念していた相続が建築中に発生しましたが、プロジェクトの進行への影響は最小限にとどめ、建築中の工事出来高の7割は相続税の対象となりました。

 

また繁忙期を過ぎた完成時期でしたが全体の8割以上の入居申込みを頂き、無事に完成引き渡しを迎えることができました。