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管理会社に「経営がわかる」資格ができました

公開日: 2026年09月10日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

2026年9月1日から、日管協(公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会)が新しい資格の申込を始めました。

名前は「賃貸住宅経営アドバイザー」。

管理会社向けの資格なのに、中身が管理ではなく経営なんですよね。

同じ領域で20年近く検定をやってきた人間として、これはちょっと見過ごせないニュースです。

そこで今回は率直な感想を書いておきたいと思います。

 

「賃貸住宅経営アドバイザー」とは何か

まず中身を見てみましょう。

日管協の発表によれば、位置づけは「不動産経営分析の基本を理解できるようになる資格」。

賃貸住宅のオーナーに対して、「経営」の視点でサポートできる専門家を育成する認定制度だそうです。

・受講要件はなし。管理会社の社員全般を想定しているそうですが、基本的に誰でも挑戦できます。
・学習(動画・テキスト)から試験(IBT方式)まで、すべてオンラインで完結します。
・カリキュラムは収支シミュレーション、資金調達、税金、そして「現場で使えるリアル事例」についてです。

だそうです。

認定開始は2026年9月。

申込は9月1日からで、キックオフセミナーが9月4日(WEB)と9月11日(大阪)で予定されています。

要するに、事業収支計画を立てられて、「この修繕が賃貸経営にどうプラスになるのか」を説明できる人を育てよう、という資格ですね。

大家さんに対して、的確な経営アドバイスができる人材を作る。そういう狙いだと思います。

 

なぜ今、管理会社に「経営」の資格なのか

ところで、なぜ今、管理会社に「賃貸経営」の資格が必要なのでしょうか?

その背景には管理業界の構造変化があるのではないかと思っています。

2026年8月末に、全国賃貸住宅新聞が管理解約の防止をテーマにした連載をやっていました。

そこで取り上げられていたのが、1,800戸から4,500戸くらいの規模で解約率1%未満を維持している会社です。

これらの会社の共通点は何だったと思いますか。

それは「対面営業」でした。

つまり管理業界は、拡大局面がひと通り終わって、軸足が「新規受託」から「解約防止」に移っているということだと理解しました。

物件を預かって家賃を回収して、入居者のクレームに対応する。それだけでは選ばれなくなってきたということです。

日管協が経営分析の資格を出してくること自体が、その証拠だと僕は見ています。

オーナーが「数字で判断する」ことを求めはじめたから、業界側もそれに応えられる人材を用意しにきた

これは業界にとって、間違いなく前向きな動きであると思います。

 

不動産実務検定と似ている。でも根本的に違う一点がある

僕らがやっている不動産実務検定も、事業収支シミュレーション、資金調達、税金については、実務の観点からすべてマスターすることができます。

なので、僕らの検定と、守備範囲はかなり重なるでしょう。

ただ、根本的に違う一点があると思っています。

それは、業者向けの内容なのか、オーナー向けの内容なのかということです。

日管協が主催している以上、業者の立場に立つのは仕方がないことです。

社員教育という意味合いも当然あるはずです。

それ自体を否定するつもりは、まったくありません。

むしろ業界団体として真っ当な取り組みでしょう。

というか、管理会社の社員なら本来は知っておかないといけない知識ですから、教育するのが遅すぎたのでは?と思うくらいです。

一方で不動産実務検定は、実際に経営する側に立ったカリキュラムとして作ってきました。

もちろん管理業者の方が受験してくださっても構いませんし、現に多くの方が受けてくれています。

体感ですが、受講者の1割くらいは業者の方ではないかと思います。

もちろん、僕はまだ「賃貸住宅経営アドバイザー」のカリキュラムの中身を見ていないので、断定的なことは言えません

経営に必要な知識は網羅されているのだろうと思います。

受講料やカリキュラムの詳細は、これから順次公開されるとのことなので、僕も出てきたら目を通すつもりです。

 

気になっているのは「共通言語」を持てるかどうか

そのうえで、一つだけ引っかかっていることがあります。

不動産投資をしていない業者の人間が、この資格を取ったからといって、リアルな不動産経営の現場のアドバイスができるのか。

ここは正直、疑問が残るんですよね。

というのも、数字の名前を知っていることと、オーナーの立場で意思決定できることは、まったく別物だからです。

たとえば「この外壁の塗り替えに300万円かかります」という話をするとき、業者の側は「必要な工事だから提案する」で終われます。

でもオーナーの側は違います。

その300万円を出したら稼働率がどれくらい上がって、キャッシュフローがどれくらい増えるのか、その年の他の支出とぶつからないか、それをローンで賄うなら既存の借入の返済を考えて、返済期間などをどうマネジメントしていくべきか。

全部つながっているわけです。

自分の財布からお金を出して、自分の判断で修繕をして、空室で眠れない夜を過ごしたことがあるかどうか。

そこで見える景色は、テキストには載っていません

重要なのは、実際のオーナーと実体験に基づいた共通言語を持って仕事ができるかどうかです。

管理会社というのは、昔からオーナーに物件を託してもらってビジネスをしてきた業態です。

だからこそ僕が気になっているのは、その一点だけ。

業者の理論に偏っていないかどうか。

中身を見てみないと分かりませんが、ここだけはぜひ確認したいと思っています。

 

大家さんは、何を見ればいいのか

では僕ら大家の側は、これをどう受け止めればいいか。

管理会社を選ぶとき、「その資格を持っている方はいますか」と聞ける材料が一つ増えたというのはあるでしょう。

ただ、僕がおすすめしたいのは別の質問です。

「担当の方は、ご自分でも物件をお持ちですか」

そして持っていないなら、「何を根拠に判断されていますか」

この2つを聞いたほうが、資格の有無よりずっと早く相手の本心が分かります

管理会社がオーナーの経営を知れば、本当に相手の立場を理解してサービスを提供できるようになるわけですから、資格が増えること自体は、とても良いことだと思います。

僕たちがJ-RECを立ち上げたときの理念は「すべての人に不動産の知識を」です。

日管協の「賃貸住宅経営アドバイザー」が業者の都合に偏らない資格制度になることを心から願っています


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