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築古戸建はどこまでリノベーションするのが良いのか?

公開日: 2018年11月26日

先日、クライアント様の要望で、
新宿区にあるペット可の賃貸物件を探すことになりました。

・ペット可
・3LDK以上
・駅徒歩5分以内

という条件のため、かなり限られた件数での
部屋探しとなります。

その中で、

・駅から徒歩5分の戸建賃貸
・築60年でフルリノベーション済み
・80平米以上ある4LDK
・ペット飼育可で賃料13万円

という非常に興味深い物件を発見しました。

3月にフルリノベーションしたと記載が
ありますが、賃料を見ると近隣相場より高く
設定されているためか、半年以上は空室となっています。

クライアント様も興味を持ってくれて、
実際に内見に行くことになりました。

現地につくと、
まず道路付けが非常に悪い物件でした。

幅4メートルの道路から幅1メートルの道に
入り、4戸の戸建が並んでいる立地。

隣の住宅との幅も2メートル程度しかなく、
非常に圧迫感を感じます。

外観は、数年前に塗装を行なったのか、
そこまでは築年数を感じさせません。

室内に入ると、これまでの印象とは真逆で
新築物件かのようなリノベーションが
行なわれていました。

・3口のシステムキッチン
・浴室は、バスタブから床まで新品
・トイレも全自動開閉便座
・床、クロスは全面張替え

という内容。

ただ、サッシだけはおそらく建築時から
使われているだろう古いタイプのものでした。

4LDKという間取りのため、
すべてを交換するには、多額の費用が
掛かってしまう事から削減したのでしょうが、
他がきれいなだけに、汚さが非常に目立ちます。

内見を終えた感想としては、築年数、外観と
内装、サッシなど、統一間がなく違和感を
感じてしまう物件という印象でした。

クライアント様も

「内装は良いんだけどね」

という微妙な印象。

結局、他物件も内見した結果、
賃料が高いという理由で、他物件に
入居することになってしまいました。

おそらく、この物件は前面道路の関係から

「再建築不可」

物件で相場より安く売っていた物件。

それを購入し、お金を掛けてリノベーションを行ない、
相場以上の賃料で回収していこうと計画していたと思われます。

しかし、リノベーションにお金を掛けすぎて、
空室であっても賃料を下げるに下げられない
状況に落ちいっているのではないかと予測できます。

私も投資用戸建賃貸を探していますが、
このようになってしまったら厳しいですよね。

あくまで、需要と供給のバランスが大切で、
この物件の地域で13万円出すならもっと
都心に近い地域で借りられます。

当然、お金を掛けてリノベーションしたから
といって高い賃料で決まるわけではありません。

また、4LDKという間取りから、
需要は限られてくることも想定しなければなりません。

今回は改めて、賃貸需要をしっかり調査した上で、
購入しなければいけないなと再認識させられた事例でした。

鹿股 恭平