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築古戸建が380万円!その理由とは?

公開日: 2018年08月13日

最近、投資用物件を購入するために
売買HPを閲覧しているとお伝えしましたが、
「おっ!」と思うような物件を発見しました。

その物件は、築50年の木造戸建で価格はなんと380万円。

地域の相場価格は、安くとも500万円以上はします。

なぜ、こんなに安いのだろうと詳細情報を見てみると、
その安さの最大の理由は、

「汲取り便所」

でした。

いわゆる「ボットン便所」というやつです。

この地域では、公共下水道ではなく浄化槽を使用するのが一般的です。

この「汲取り便所」を浄化槽に工事する場合は、
少なくとも100万円程度を見積もらなければなりません。

もし「汲取り便所」のまま使用するとしても、
月2回程度はバキュームカーに回収してもらう必要があり、
別途費用も掛かってしまいます。

その理由から、この物件は相場以下の価格となっていたのですね。

しかし、価格は魅力的なため、実際に内見することにしました。

外観はそれなりの綺麗さがあって期待していたのですが、
中に入ると「お化け屋敷」のような感覚になりました。

・壁はヤニで黄色くベタベタ。
・和室の床は底が抜けそう。
・窓は建て付けが悪く、開きづらい。
・キッチンは交換の必要あり。

という状態で、リフォーム費用は安く見積もっても
200万円程度は掛かると予想しました。

ここから利回りの計算をします。

予想賃料5万円×12ヵ月=60万円

物件価格380万円+リフォーム費用200万円=580万円

年間賃料60万円÷580万円=10.34%

さらに、バキュームカー等の費用もありますので、
「汲取り便所」のままでも10%以下となってしまいます。

それでは、築古戸建に投資する旨みがありません。

そこで、目標とする利回り15%にするには
いくら下げれば良いのかを計算します。

60万円÷15%=400万円

つまり、180万円の指値が必要となります。

380万円の物件で180万円の指値は、結構な金額ですね。

しかし、この物件が長期間売れない「塩漬け物件」になっていることは
知っているので、ダメ元で交渉してみました。

すると、不動産業者より鼻で笑われ、

「絶対にムリですね。売主は全く売り急いでいないので、
希望の価格で売れるのを気長に待っている状態」

とのこと。

それを言われると交渉のしようがありませんので、
今回はここで諦めることにしました。

今後も数多くの物件を調査し、自分の希望する利回りが得られる物件を
購入できるまで、指値交渉をしていきたいと思います。

鹿股 恭平