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台風による漏電​被害から学んだこと

公開日: 2017年11月06日

最近、季節外れの台風がとても多いですね。

台風が直撃すると、戸建賃貸・アパート・マンションに関係なく、
トラブルの連絡が来ます。

「上の階から漏水している!どうにかしろ!」

とか、

「物が飛んできて、窓が割れてしまった!」

などなど。

先日の台風では、最近管理を始めたばかりの
築30年のマンション入居者より、

「テレビが見られなくなった」

と連絡がありました。

詳しく聞いてみると、どうやらテレビの故障ではなく、
電波の問題のようです。

この物件は、ケーブルテレビのため、
ケーブルテレビ会社に連絡します。

すると、やはり障害が出ているようで、
物件全体でテレビが視聴できなくなっていました。

すぐに、ケーブルテレビ会社に現場へ急行してもらうと、

「当社の機器に異常はなく、共用部の漏電ブレーカーが
落ちてしまっていることが原因のようです。
当社では、漏電ブレーカーを上げることができません。」

と、報告を受けたので、緊急出張できる業者を探しました。

しかし、当然、他の物件でも台風被害が起きているので、
緊急出張できる業者は、すぐに見つからないことが多いです。

そのため、片っ端から電話をし続けました。

緊急出張できる業者を見つけるまでが、とても大変なのです。

ようやく業者を見つけ、漏電ブレーカーを上げることで、
テレビは視聴できるようになりましたが、
今度は漏電の原因を調査しなければいけません。

翌日、電気業者と物件の調査を行いました。

漏電反応を調べると、共用部の照明を繋いでいる
ブレーカー配線から、漏電反応が出ていることが分かりました。

考えられる原因と調査方法は以下の2つが挙げられます。

1.台風による激しい雨が、照明器具に触れたことで、
  どこかの照明器具自体が故障した。
  この場合、共用部の全照明を一つ一つ取り外し、
  都度、漏電反応を見る必要がある。

2.台風による激しい雨が、建物内部の配線に触れたことで漏電した。
  この場合、配線が壁の中を伝っているため、
  壁を取り壊して配線を調べる必要がある。
  これには桁違いの時間と費用が掛かる。

この時、翌週にも台風接近情報があったので、
再発を防ぐためにも、即対応する必要があります。

オーナーと相談し、ひとまず1の調査をすることになりました。

朝から夕方まで一日掛けて、共用部の全照明を
一つ一つ調査していきます。

その結果、共用階段にある3箇所の照明から、
漏電反応があることが判明しました。

台風による雨はもちろんのことですが、建設時から設置している
30年前の照明器具だったということも、原因にあるようです。

一旦、断線しておくことで翌週の台風の対策を行い、
その後、LED照明器具に交換することで、
再発することは防げました。

今回の台風トラブルでは、

・ 共用部の漏電が発生した場合に、
  原因を特定することはとても大変である。

・ 台風時に緊急出張できる業者を
  すぐに見つけることは困難である。
  さらに、多くの業者は「立会・現金払い」をする必要がある。

・ 照明器具の寿命は10年といわれているため、
  交換費用は日頃から蓄えておく。

ということが学べました。

また、トラブル時は即対応することで、
改善しなくても、とりあえずクレームを抑えることができます。

そのため、「立会いらず」「後日振込払いOK」の
緊急出張できる業者を日頃から調査しておくことが必要です。

それは、管理会社だけでなく、
大家自身も調査しておくことで、クレーム対策になります。

鹿股 恭平