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立ち退き問題勃発!

公開日: 2016年04月18日

先日、管理している戸建賃貸で、立退きの問題が発生しました。

オーナー様より、

「築年数も古くなってきたし、更地にして売却しようと考えています。

入居者にその旨を伝え、退去へと進めて頂けませんか?」

と、契約満了の半年前に依頼がありました。

この物件で締結していたのは「普通借家契約」でした。

当社で行う賃貸借契約は、基本的には「定期借家契約」を使います。

しかし、この物件の入居者との契約時は、まだ当社の
管理ではなかったため、普通借家契約が結ばれていたのです。

普通借家契約では、オーナー側から賃貸借契約の
解約を要求する場合、6ヶ月前の通告と
正当事由が必要になります。

正当事由とは、オーナーの住居がなく、自分で住むために
建物が必要な場合など、もっともだと思われる事情です。

今回のケースでは、オーナー都合の売却のため、
正当事由にはなりません。

そのため、簡単には解約出来ない旨を
オーナー様に伝え、入居者へ連絡します。

「了解しました。引越先を探し始めます。

ただし、子供が4人いることもあり、同じような広さの物件が
見つからない場合は、再度連絡させて頂きます。」

という回答でした。

「引越先さえ見つかれば、スムーズに進むかな?」

という気配があったのですが、そんなに上手くはいきません。

しばらくして、入居者より連絡がありました。

「子どもの学区内で引越し先を探していたのですが、
家賃の相場も高く、引越しが厳しい状況です。

弁護士さんへ相談した所、立ち退き事由が
正当ではないのではないか?とアドバイスをもらいました。」

今の時代は、インターネットの弁護士ドットコムなどを使って
簡単に質問でき、回答をもらえます。

入居者がちょっと調べれば、オーナーの言う事を
素直に聞く必要がないことがすぐにわかってしまうのです。

しかし、今回は入居者さんの気持ちもわかります。

突然引っ越してくれと言われても、
子供の転校等はなるべく避けたいですからね。

それから色々な交渉・折衝がありましたが、結果的に
契約金・引っ越し業者代を含めた100万円近くを
オーナー様が支払い、退去となりました。

このまま入居させていた方が良かったんじゃないかと
思うくらい、痛い出費となりました。

普通借家契約だと、賃借人の立場が強く、
このような問題が起こってしまうのです。

この問題を防ぐ方法は、スバリ!「定期借家契約」にすることです。

定期借家契約だと、期間満了の6ヶ月前に契約の終了を
通告すれば、期間満了にて賃貸借契約は終了となります。

今回のケースでも、定期借家契約にしていれば、
それだけで100万円の出費はありませんでした。

賃貸借契約を締結する際は、必ず定期借家契約にしましょう。

鹿股 恭平