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賃料・地域別に入居者層を探る

公開日: 2016年03月21日

先日、企画した戸建賃貸の完成が近づいたので、業社に客付営業をしてきました。

必ず成約する物件とは、

・ 物件力
・ 立地
・ 賃料

この3つの条件が揃い、そして不動産会社にしっかり認知されているものを指します。

しかし、すべて完璧な物件はそうそうありません。

そのため、お客様は自分の価値観によって、室内設備、立地、賃料等に優先順位をつけ、
そのバランスを考慮しながら物件を探しています。

それは、戸建賃貸の場合にも言えます。

「戸建」という付加価値があっても、
賃料設定によっては成約までに時間がかかってしまうこともあります。

なぜ成約に時間がかかるのか、当社が企画した戸建賃貸の成約賃料を参考に見てみます。

・ 新宿区 約80平米 賃料約20万円 
 入居者層:経営者、友人同士のシェア住居

・ 中野区 約60平米 賃料約18万円 
 入居者層:公務員

・ 横浜市鶴見区 約60平米 賃料約15万円 
 入居者層:法人契約 & 経営者

・ 多摩市 約60平米 賃料約12万円 
 入居者層:一般家族 & 法人契約

・ 埼玉県川口市 約60平米 賃料約12万円 
 入居者層:法人契約 & 一般家族

・ 千葉県八千代市 約60平米 賃料約9万円 
 入居者層:一般家族 & 法人契約

※いずれも新築時の賃料です。

このように賃料が高めの場合は、経営者や法人契約の割合が増えます。

しかし、物件を探されるお客様の数は、一般と法人では圧倒的に一般の方が多くなります。

そんな中で、数少ない経営者、法人に対して物件を紹介していくことになるため、
成約に時間がかかるというわけです。

とはいえ、建築する前の企画の段階から、成約を早める方法があります。

それは、地域ごとに見込める賃料には上限があるので、
その賃料から逆算して、建築費、面積を算出し、
エンドユーザーと法人、両方から選ばれる価格帯で事業計画をすることです。

このように逆算して企画することで、
お客様の絶対数が増え、成約チャンスは広がりを見せます。

もちろん、戸建賃貸という付加価値から、地域相場より高い賃料を得た事例もあります。

賃貸事業の経営方針の正解は1つではありません。

・ お得と思わせる賃料を設定し、早期満室にする。

・ 相場より高い賃料を設定し、じっくりターゲットを絞っていく。

どちらも正解です。

どういった層をターゲットとするのか、そのターゲットはどの程度の賃料を支払えるのか、
そして地域ニーズを満たしているのかを検討し、自身で判断・決断していくことが大切です。

高橋 淳