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自然素材を使った賃貸物件

公開日: 2014年01月06日

今回は、「自然素材を使った賃貸物件を企画する上でのポイント」をご紹介します。

自然素材といえば、珪藻土を塗った壁や無垢材のフローリングを
思い浮かべるのではないでしょうか。

このような自然素材を使用する場合、なんといっても問題になるのが
「コスト」と「メンテナンス性」です。

自然素材を使った場合の「コスト」と「メンテナンス」

1.コスト

一般的に、ローコストの賃貸物件では自然素材が使用されることはまずありません。

なぜなら、コストが一般的な部材に比べて割高になってしまうためです。

個人の住宅と違い、もともと賃貸事業ですから、コストが高くなりすぎてしまうと
そもそも事業として成り立たなくなってしまう
可能性があります。

ケースバイケースですが、2〜3割は建築費が高くなってしまうと
考えておいた方が良いでしょう。

となると、このような割高な自然素材を使用しても良い企画というのは、

・ある程度、家賃を高くとれるエリアでの企画

・自然素材に対して、相場よりも高い家賃を払っても住みたい
という層が好むエリアでの企画

ということになるはずです。

2.メンテナンス性

コストの他に考えておかねばならないのは、そのメンテナンス性です。

例えば、無垢材のフローリング。

無垢材の代表格であるパイン材などは安価な部類に入るため、
賃貸物件でも導入しやすい部材といえるかもしれません。

ところが比較的柔らかい部材であるため、非常に傷がつきやすいと言えます。

もっともこれはローコスト建材のフローリングでも同じですが。。。

賃貸では入居者の入退去があります。

ということは、常に「原状回復」が付きまといます。

ですが、導入コストの高い無垢材を毎回毎回、原状回復していくのは現実的ではありません。

となると、「傷などを自然な経年劣化として捉えられるかどうか?」が問題になってきます。

そして、これは大家サイドの問題だけではなく、賃借人サイドの問題でもあります。

大家サイドは、「入居者がつける傷も経年劣化として、
いい風合いになっていくのだな」と考えられる度量が必要です。

また、賃借人サイドでは、「いい感じに経年劣化してきている部屋だな」
と考えられるようでないと、まずその物件を気に入ることはないでしょう。

自然素材を使った賃貸物件は、上記のような大前提をクリアできれば、
市場ではまだまだ少ないですので、「自然素材を使っている。」というだけで
アピールポイントの一つとなり得る
のです。

谷本 真