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9月の利上げは協調介入の約束か?
公開日: 2026年08月25日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
2026年6月の日銀の利上げの影響が出てきました。
今月あたりから実際のローン金利に反映され、キャッシュフローが削られていくのを実感している方も多いでしょう。
金利が上がることについては、すでに多くの方が覚悟していると思いますが、気になるのは「どこまで上がるのか」ということではないでしょうか。
実はこの2週間で、金利をめぐる議論の中身がはっきり変わりました。
「利上げがあるかどうか」を当てるゲームはもう終わりつつあって、いま市場が値付けしているのは、どこまで上がって止まるのかです。
そこで今回は、金利はどこまで上がるのか、次の利上げは9月が有力になっている理由について、そして僕ら大家は何をすべきかを解説したいと思います。
「協調介入の見返りに利上げ」は本当だったのか
まず、僕がずっと引っかかっていた話から入ります。
2026年7月31日に、日米が28年ぶりとなる円買いの協調介入を実施しました。
この直後から「介入に応じてもらった見返りに、日銀は9月の利上げを約束したんじゃないか」という見方が市場をぐるぐる回っています。
僕も気になったので調べてみたところ、明文化された約束があるわけではないようです。
ただ、事実上のバーターだったという見立てはかなり有力です。
まず公式見解のほうから見ていきます。
片山財務大臣の談話(8月3日)には、日銀の金融政策への言及が一言もありません。
2025年9月の日米財務大臣共同声明に基づく対応、という説明にとどまっています。
まあ、当局が「利上げと引き換えでした」と認めることはまずないでしょう。
ところが、共同通信が8月10日に出した独自記事が、かなり踏み込んでいるんですね。
その内容は、植田総裁が7月31日の記者会見で「9月以降の早期に政策金利を引き上げる」と強く示唆し、必要なら「利上げペースを速める」とまで明言、この発言があったからこそ、米国が協調介入に応じたというものです。
記事の中で日本の政府関係者は、「植田氏発言は米側に高く売れた」と語っています。
そのうえで「日銀は9月の会合で、利上げ以外の選択肢が取れなくなった」とも語っていました。
野村総研の木内登英氏も、8月5日のコラムで「日米協調介入の裏に密約があったか?」という問いを立てています。
自然災害でも金融危機でもない平時に協調介入を行なうのは異例で、米側が①金融市場に配慮した慎重な財政運営、②日銀の利上げを牽制しないこと、を求めた可能性がある、という見立てです。
もっとも木内氏自身は、高市政権が消費税減税を進めている以上、①の財政のほうの約束が守られるかは疑問だとしていました。
さらに8月13日には、高市政権が介入の効果を維持する観点から日銀の早期利上げを支持している、という報道も出てきました。
これらを僕なりに繋ぐと、こういうことだと見ています。
密約という形ではなく、日銀が先に「9月やります」というカードを切り、それを見た米国が介入に乗ったということです。
つまり、順番はむしろ逆だったわけです。
そして、自分でカードを切ってしまった以上、9月に動かなければ日銀は国際的な信用を失います。
約束事というより、自分で退路を断ったという表現のほうが実態に近いのではないかと思います。
数字で見ると、まだスタートラインの手前
では、どこまで上がるのか。ここからは数字の話です。
8月18日の債券市場の終値は、2年債が1.690%、5年債が2.160%、10年債が2.935%で、10年債は一時2.945%をつけ、30年ぶりの高水準になりました。
5年債にいたっては、連日で過去最高を更新、翌19日は買い戻しが入り一時2.9%を割り込みましたが、水準としては依然高いままです。
注目してほしいのは、政策金利に近い年限ほど上がっているという点なんですね。
10年・20年・30年といった長い年限が上がるのは、財政不安が理由になりがちです。
ところが、2年債や5年債が跳ねるのは、「日銀が近い将来に利上げする」と市場が読んでいるからにほかなりません。
そのターミナルレート、つまり利上げの最終到達点の予想も、次々に引き上げられています。
8月18日時点のオーバーナイト金利スワップ市場では、2027年6月までに3回の利上げが行われ、政策金利が1.75%程度になるという見方をほぼ織り込んでいます。
野村證券は9月・2027年1月・4月の3回で1.75%、三井住友DSアセットマネジメントは9月・2027年1月・6月の3回で1.75%という予想を示しています。
市場の織り込みと証券各社の予想が、きれいに1.75%で揃ってきた形です。
ここで思い出してほしいのが、日銀自身が推計している名目中立金利の幅、1.1〜2.5%という数字です。
現在の政策金利は1.0%です。
つまり、僕らはまだ、中立金利の下限にすら届いていないということになります。
「金利が上がってきた」という実感はあっても、水準としてはようやくスタートラインに戻る途中なんですね。
もちろん、見方が一つに固まっているわけではありません。
原油高や中東情勢しだいでは、景気のほうが先に折れる可能性もありますし、日銀が慎重になる場面もあるでしょう。
ただ、方向として下向きの目はほぼ消えた、というのが僕の見立てです。
1億円で、年間75万円
僕たち大家にとって、利上げの影響はかなり大きいものになります。
1億円借りていて金利が1%上がれば、利息は単純計算で年間100万円増えます。
政策金利が1.0%から1.75%になるとすれば、その差は0.75%です。
1億円で年75万円、3億円なら年225万円が、何もしなくても出ていくお金として乗ってきます。
年間家賃1,000万円のアパートをお持ちなら、75万円は家賃収入の7.5%にあたります。
ワンルームが1部屋、丸々空室になったのと同じインパクトです。
これ、他人事ではないんですよ。
実際、変動のアパートローンの多くが連動する短期プライムレートは、8月3日から年2.375%になりました。
1年前は1.625%でしたから、この1年で0.75%の上昇です。
次の金利見直しのタイミングで、適用金利が上がってくる方はかなり多いはずです。
「変動から固定へ」は勧めません
ここで「変動から固定に切り替えるべきか」という質問を必ずいただくのですが、僕の答えは以前と変わりません。
基本的には勧めません。
なぜなら、固定はすでに高くなってしまっているからです。
住宅ローンで見ると、メガバンクの変動金利の平均が年1.082%なのに対し、10年固定は年3.780%、フラット35は年3.290%です。
金利差は2%以上あります。
切り替えた瞬間にキャッシュフローが悪化するわけです。
金利差がほとんどない場合を除けば、割に合わないケースのほうが多いと思います。
やるべきは、変動のまま繰り上げ返済できる財務体質を作ることと、家賃を上げることです。
地味ですが、これ以外に王道はないと考えています。
もちろん、借り換え自体は有効な手ですが、違約金・抵当権設定費用・事務手数料といった経費を差し引いて、本当に得なのかは必ず計算してください。
家賃を上げる話をすると「入居者に嫌がられる」と言われますが、更新のタイミングでエアコンを新品に入れ替える、宅配ボックスをつけるなど、ひとつでも入居者側のメリットを添えれば、話は思ったよりスムーズに進みます。
値上げだけを単独でお願いするから、揉めるんですね。
「今の金利」でシミュレーションするのをやめる
次の日銀の金融政策決定会合は、9月17日と18日です。
その前に、8月27日には氷見野副総裁が埼玉で挨拶をします。
さらに、9月2日には高田審議委員が札幌、9月10日には増審議委員が福井で講演します。
ここで早期利上げに前向きなメッセージが出れば、9月はほぼ固まると見ていいでしょう。
つまり、あと1か月です。
今週やるとしたら一つだけ。
手元の返済計画を、政策金利1.75%が実現した前提で引き直してみてください。
今の金利で回っているかどうかではなく、そこで回るかどうかです。
数字が出れば、家賃を上げるべきなのか、それとも売るべきなのか、答えは自然と見えてきます。
何より大事なのは、早く手を打つことです。
金利が上がりきってから慌てても、打てる手は無くなっているかもしれません。
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
2026年6月の日銀の利上げの影響が出てきました。
今月あたりから実際のローン金利に反映され、キャッシュフローが削られていくのを実感している方も多いでしょう。
金利が上がることについては、すでに多くの方が覚悟していると思いますが、気になるのは「どこまで上がるのか」ということではないでしょうか。
実はこの2週間で、金利をめぐる議論の中身がはっきり変わりました。
「利上げがあるかどうか」を当てるゲームはもう終わりつつあって、いま市場が値付けしているのは、どこまで上がって止まるのかです。
そこで今回は、金利はどこまで上がるのか、次の利上げは9月が有力になっている理由について、そして僕ら大家は何をすべきかを解説したいと思います。
「協調介入の見返りに利上げ」は本当だったのか
まず、僕がずっと引っかかっていた話から入ります。2026年7月31日に、日米が28年ぶりとなる円買いの協調介入を実施しました。
この直後から「介入に応じてもらった見返りに、日銀は9月の利上げを約束したんじゃないか」という見方が市場をぐるぐる回っています。
僕も気になったので調べてみたところ、明文化された約束があるわけではないようです。
ただ、事実上のバーターだったという見立てはかなり有力です。
まず公式見解のほうから見ていきます。
片山財務大臣の談話(8月3日)には、日銀の金融政策への言及が一言もありません。
2025年9月の日米財務大臣共同声明に基づく対応、という説明にとどまっています。
まあ、当局が「利上げと引き換えでした」と認めることはまずないでしょう。
ところが、共同通信が8月10日に出した独自記事が、かなり踏み込んでいるんですね。
その内容は、植田総裁が7月31日の記者会見で「9月以降の早期に政策金利を引き上げる」と強く示唆し、必要なら「利上げペースを速める」とまで明言、この発言があったからこそ、米国が協調介入に応じたというものです。
記事の中で日本の政府関係者は、「植田氏発言は米側に高く売れた」と語っています。
そのうえで「日銀は9月の会合で、利上げ以外の選択肢が取れなくなった」とも語っていました。
野村総研の木内登英氏も、8月5日のコラムで「日米協調介入の裏に密約があったか?」という問いを立てています。
自然災害でも金融危機でもない平時に協調介入を行なうのは異例で、米側が①金融市場に配慮した慎重な財政運営、②日銀の利上げを牽制しないこと、を求めた可能性がある、という見立てです。
もっとも木内氏自身は、高市政権が消費税減税を進めている以上、①の財政のほうの約束が守られるかは疑問だとしていました。
さらに8月13日には、高市政権が介入の効果を維持する観点から日銀の早期利上げを支持している、という報道も出てきました。
これらを僕なりに繋ぐと、こういうことだと見ています。
密約という形ではなく、日銀が先に「9月やります」というカードを切り、それを見た米国が介入に乗ったということです。
つまり、順番はむしろ逆だったわけです。
そして、自分でカードを切ってしまった以上、9月に動かなければ日銀は国際的な信用を失います。
約束事というより、自分で退路を断ったという表現のほうが実態に近いのではないかと思います。
数字で見ると、まだスタートラインの手前
では、どこまで上がるのか。ここからは数字の話です。8月18日の債券市場の終値は、2年債が1.690%、5年債が2.160%、10年債が2.935%で、10年債は一時2.945%をつけ、30年ぶりの高水準になりました。
5年債にいたっては、連日で過去最高を更新、翌19日は買い戻しが入り一時2.9%を割り込みましたが、水準としては依然高いままです。
注目してほしいのは、政策金利に近い年限ほど上がっているという点なんですね。
10年・20年・30年といった長い年限が上がるのは、財政不安が理由になりがちです。
ところが、2年債や5年債が跳ねるのは、「日銀が近い将来に利上げする」と市場が読んでいるからにほかなりません。
そのターミナルレート、つまり利上げの最終到達点の予想も、次々に引き上げられています。
8月18日時点のオーバーナイト金利スワップ市場では、2027年6月までに3回の利上げが行われ、政策金利が1.75%程度になるという見方をほぼ織り込んでいます。
野村證券は9月・2027年1月・4月の3回で1.75%、三井住友DSアセットマネジメントは9月・2027年1月・6月の3回で1.75%という予想を示しています。
市場の織り込みと証券各社の予想が、きれいに1.75%で揃ってきた形です。
ここで思い出してほしいのが、日銀自身が推計している名目中立金利の幅、1.1〜2.5%という数字です。
現在の政策金利は1.0%です。
つまり、僕らはまだ、中立金利の下限にすら届いていないということになります。
「金利が上がってきた」という実感はあっても、水準としてはようやくスタートラインに戻る途中なんですね。
もちろん、見方が一つに固まっているわけではありません。
原油高や中東情勢しだいでは、景気のほうが先に折れる可能性もありますし、日銀が慎重になる場面もあるでしょう。
ただ、方向として下向きの目はほぼ消えた、というのが僕の見立てです。
1億円で、年間75万円
僕たち大家にとって、利上げの影響はかなり大きいものになります。1億円借りていて金利が1%上がれば、利息は単純計算で年間100万円増えます。
政策金利が1.0%から1.75%になるとすれば、その差は0.75%です。
1億円で年75万円、3億円なら年225万円が、何もしなくても出ていくお金として乗ってきます。
年間家賃1,000万円のアパートをお持ちなら、75万円は家賃収入の7.5%にあたります。
ワンルームが1部屋、丸々空室になったのと同じインパクトです。
これ、他人事ではないんですよ。
実際、変動のアパートローンの多くが連動する短期プライムレートは、8月3日から年2.375%になりました。
1年前は1.625%でしたから、この1年で0.75%の上昇です。
次の金利見直しのタイミングで、適用金利が上がってくる方はかなり多いはずです。
「変動から固定へ」は勧めません
ここで「変動から固定に切り替えるべきか」という質問を必ずいただくのですが、僕の答えは以前と変わりません。基本的には勧めません。
なぜなら、固定はすでに高くなってしまっているからです。
住宅ローンで見ると、メガバンクの変動金利の平均が年1.082%なのに対し、10年固定は年3.780%、フラット35は年3.290%です。
金利差は2%以上あります。
切り替えた瞬間にキャッシュフローが悪化するわけです。
金利差がほとんどない場合を除けば、割に合わないケースのほうが多いと思います。
やるべきは、変動のまま繰り上げ返済できる財務体質を作ることと、家賃を上げることです。
地味ですが、これ以外に王道はないと考えています。
もちろん、借り換え自体は有効な手ですが、違約金・抵当権設定費用・事務手数料といった経費を差し引いて、本当に得なのかは必ず計算してください。
家賃を上げる話をすると「入居者に嫌がられる」と言われますが、更新のタイミングでエアコンを新品に入れ替える、宅配ボックスをつけるなど、ひとつでも入居者側のメリットを添えれば、話は思ったよりスムーズに進みます。
値上げだけを単独でお願いするから、揉めるんですね。
「今の金利」でシミュレーションするのをやめる
次の日銀の金融政策決定会合は、9月17日と18日です。その前に、8月27日には氷見野副総裁が埼玉で挨拶をします。
さらに、9月2日には高田審議委員が札幌、9月10日には増審議委員が福井で講演します。
ここで早期利上げに前向きなメッセージが出れば、9月はほぼ固まると見ていいでしょう。
つまり、あと1か月です。
今週やるとしたら一つだけ。
手元の返済計画を、政策金利1.75%が実現した前提で引き直してみてください。
今の金利で回っているかどうかではなく、そこで回るかどうかです。
数字が出れば、家賃を上げるべきなのか、それとも売るべきなのか、答えは自然と見えてきます。
何より大事なのは、早く手を打つことです。
金利が上がりきってから慌てても、打てる手は無くなっているかもしれません。
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