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日銀は自分の判断で利上げするわけではありません

公開日: 2026年09月16日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

明日から日銀の会合です。

金利がまた上がります。

政策金利は、日銀が日本の景気を見て、自分で考えて決めている。

多くの方はそう思っているはずです。

僕も、正直そう思っていました。

ところが今回の利上げを追いかけているうちに、「どうもそうではないな」と思うようになりました。

今日はその話をします。

 

日銀は「ひとりで決めていい」わけではありません

あまり知られていないかもしれませんが、日本銀行法という法律には、おもしろい書き方がしてあります。

まず「日銀が金利を決めるときの自主性は尊重されなければならない」。

政府が口を出してはいけない、ということですね。

ところがその次の条文に、こう書いてあるんです。

「政府とは、いつも連絡を密にして、よく話し合いなさい」。

ひとりで決めていい。でも、ひとりで決めるなよ。

矛盾しているように見えますが、これが日銀という組織の立ち位置なんですね。

で、今回です。

その「話し合い」の相手が、日本政府ではありませんでした。

 

会った中身を発表したのは、日本ではなくアメリカでした

8月の終わり、アメリカで開かれた国際会議に合わせて、ベッセント米財務長官と日銀の植田総裁が会談しました。

その中身が世に出たのは9月1日です。

発表したのは、日本ではなくアメリカのほうでした。

そこにはこう書いてあります。

「円が安すぎる。日本が思い切った手を打つことを、我々は強く支持する」。

同じ日、ベッセント長官は記者会見でも「日本に、お金をじゃぶじゃぶ出す政策はやめるべきだと伝えた」と話しています。

外交の場で、よその国の中央銀行に注文を付けること自体は、そこまで珍しくありません。

ところが、その中身を自分から世界に向けて発表するとなると、話は別です。

言ったことより、言ったと発表したことのほうが重いんですね。

日本側からは、何も出ていません。

 

「今や私が胴元だ」

そして9月8日、アメリカ国内のイベントで、ベッセント長官はこう言いました。

私は、市場に流れていない情報を持っている。今や私が胴元だ」。

胴元というのは、賭け事の元締めのことです。

どっちが勝つかを、いちばん先に知っている人、と言い換えてもいいと思います。

アメリカの財務大臣が、日本の円と金利について「胴元は自分だ」と言っているわけです。

これ、言われた側の国の人間としては、なかなか複雑な気持ちになりますよね。

 

なぜアメリカが、日本の金利を気にするのか

ずいぶんなおせっかいに見えますが、理由ははっきりしています。

要するに、アメリカ自身が困るからなんですね。

アメリカは世界一の借金大国です。

国の借金は、この8月に40兆ドルを超えました

円に直すと、だいたい6,000兆円。

利息を払うだけで年に150兆円近くかかっている計算になります。

日本の1年分の国家予算より大きいわけです。

この状態でいちばん困るのは、金利が上がることです。

借金が多い人ほど、金利が1%上がったときの痛みは大きい。

ここは大家さんなら、体でわかる話だと思います。

では、日本の金利とどう関係するのか。

ここだけ少しややこしいので、たとえ話にします。

日本で年1%でお金を借りて、そのお金でアメリカの国債を買うと、年5%もらえる。

何もしなくても、差し引き4%が手元に残る。

実際、いまの日本の短期の金利は1.0%、アメリカの10年国債は4.9%台ですから、ほぼこのままなんです。

うまい話ですよね。

だから世界中の投資家が、何年もこれをやってきました。

問題は、これをやめるときです。

やめるということは、買っていたアメリカ国債を売るということです。

世界中の人が一斉に売れば、アメリカの金利は跳ね上がります。

そうなると、アメリカの利息の支払いはもっと増えてしまう。

だからアメリカは、こう考えるわけです。

「日本の金利が安すぎるのが、そもそもの元凶だ。もう少し上げてくれ」と。

円安が困るという単純な話ではない、と僕は見ています。

 

人に言われて始めたことは、自分ではやめられません

さて、ここからが今日いちばん言いたいところです。

自分で「やせよう」と決めて始めたダイエットなら、つらくなったときに自分でやめられます。

ところが、人から「やせなさい」と言われて始めたダイエットは、つらくなってもやめられない。

「まだ足りません」と言われ続けるからです。

今回の利上げは、これとまったく同じ形をしています。

もちろん、日銀が「外から言われたので上げます」と口にすることは、この先も絶対にありません。

言えるはずがない。

だから僕らは、言葉ではなく形のほうを見るしかないんですね。

そして形で見ると、こうなります。

自分の判断で上げた金利なら、景気が悪くなったときに自分で止められる。

ところが外から求められて上げた金利は、止める理由を自分で作れない。

ここがいちばん怖いところだと僕は考えています。

もちろん、外圧だけで動いているわけではありません。

原油はまた100ドルを超えましたし、企業どうしがモノを売り買いするときの値段は、前の年より7.6%も上がっています

物価が上がりすぎるリスクは、国内にきちんとあるわけです。

日銀には、日本の事情だけで説明できる理由がちゃんとある。

ただ、理由があることと、自分のペースで動けることは、別の話なんですね。

 

「半年に1回」が、明日から「3か月に1回」になります

今回いちばん大事な変化は、実は金利の高さではありません。

速さのほうです。

日銀は2024年3月にマイナス金利をやめてから、だいたい半年に1回のペースで金利を上げてきました。

ところが今回は、6月に上げたばかりでまた上げる。

3か月です。

この2年間で、いちばん短い間隔になります。

しかも市場は、その次を12月、そのまた次を来年の3月ごろと見ています。

並べてみると、きれいに3か月刻みなんですね。

大事なところなので、数字にしてみます。

いまの金利は1.0%。

明後日から1.25%になります。

これは1995年以来、31年ぶりの高さです。

そして市場が見ている行き着く先は、だいたい2.0%

0.25%ずつなら、あと4回ということですね。

半年に1回なら、2年かかります。3か月に1回なら、1年で着いてしまう。

同じ場所に行くのに、かかる時間が半分になった。

つまり、僕らが準備に使える時間も半分になったということなんです。

上がる高さより、こっちのほうがずっと効いてきます。

 

では、大家は何をするか

打ち手そのものは変わりません。

・経費を下げる
・家賃を上げる


これに尽きます。

あとはご自身の状況に合わせ、

・金利交渉をする
・繰り上げ返済をする
・借り換えをする

などを検討していくということです。

 

今日のまとめ

金利を決めているのは、たしかに日銀です。

ただ、決める理由を作っているのは、日銀だけではありません。

そして今回の本当の変化は、金利がどこまで上がるかではなく、そこに着くまでの時間が半分になったことです。

今週やることは一つだけ。

手元の返済計画を、「1年後に金利が2.0%になっている」つもりで引き直してみてください。

そこで回るなら大丈夫です。

回らないなら、家賃を上げるのか、繰り上げるのか、売るのか。

答えは数字が出してくれます。


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