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都心から郊外へ【移転先人気エリア】の特徴。不動産購入・投資はここが狙い目!?

公開日: 2021年08月04日

コロナ禍の影響で都心から郊外へ転出する人が多くなっています。

総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、2020年に東京23区から転出した人は約36万5000人で、長引くコロナの影響によってその数は増え続けているようです。

では、都心からの転出組は一体どこへ移転しているのでしょうか?

転出組の多くは賃貸から賃貸への移動でしょうから、どこに移転しているかが分かれば、今後、不動産投資の投資エリアを見極める際のヒントにもなると思います。

そこで今回は、「人口が増えている郊外の人気エリア」を取り上げて、その特徴や共通点を解説していきます。

ぜひ最後までご覧いただき、今後の不動産投資に役立ててください。

コロナで都心転出が止まらない理由

初めに、なぜコロナで都心転出が止まらないのか、その理由を解説したいと思います。

想像がつく方も多いと思いますが、最大の理由はやはり、テレワーク化の推進によって職場に近い都心に住む必要がなくなった、という点でしょう。

もう1つ理由を挙げるとすれば、給料が減ったために家賃の安い郊外へ移るといったこともあるかもしれません。

東京新聞によると、2021年3月は東京23区すべてで前月よりも人口が減っており、今後さらに東京脱出の動きが加速する可能性があると指摘されています。

また、不動産調査会社の東京カンテイが首都圏のアパート賃料を調べたところ、2020年1月以降、東京都と神奈川県の郊外で、面積の狭い30平米未満の賃料が上昇または横ばいの傾向が見られたということです。

確かに、テレワークが普及して会社に通勤する必要がなくなれば、郊外に引っ越した方が平米あたりの単価も安くなりますので、同じ家賃でも、より広い部屋に住むことができます。

その分テレワークもしやすくなるわけですから、首都圏郊外の賃料が上昇傾向にあるというのは納得できますね。

東京郊外の人気エリア:23区からの移転者数で5グループに分類

それでは、東京からの脱出組がどこに移転しているのか、具体的に見ていきましょう。

ここでは東京新聞が独自集計したランキング※を参考に、2020年の1年間で東京23区から移転してきた人の数が多い30の自治体を5つのグループに分けて、その特徴を分析したいと思います(※「東京脱出」した人はどこへ? 2021年4月19日)。

第5位グループ:移転者が200人までのエリア

まずは移転者が200人までのエリアです。

30位が埼玉県新座市、29位がさいたま市岩槻区、28位が千葉市中央区となっていますが、これらのエリアの共通項としては、都心へのアクセスの良さが挙げられます。

この顔ぶれを見る限りでは、いくら都心から離れるといっても「1時間以内で都内まで通勤できること」が移転先のポイントとなりそうです。

第4位グループ:移転者が300人までのエリア

次は移転者が300人までのエリアです。こちらは数が多いので代表的なところのみ紹介します。

代表的なエリアとしては、17位の埼玉県川口市、18位の横浜市神奈川区、19位の千葉県柏市などが挙げられます。

このエリアの共通項もやはり、「都心の勤務先へのアクセスの良さ」が挙げられそうです。

さらに、20位には東京都清瀬市、それ以降は川崎市多摩区や川崎市麻生区など、小田急沿線のエリアがランクインしています。

また、21位には栃木県宇都宮市、22位に長野県軽井沢町がランクインしています。

この2つの地域は都心からはグッと遠くなりますが、新幹線を利用すれば1時間ほどで東京にアクセスできて、自然が豊かな地域という共通項があります。

第3位グループ:移転者が400人までのエリア

次は移転者が400人までのエリア。

10位は横浜市港北区です。このエリアは一戸建てからマンションまで住宅地が広がり、住みやすい街として昔から人気のエリアです。

11位から13位は、東京都の府中市、立川市、町田市で、このうち府中市、立川市は中央線利用での都心へのアクセスが抜群です。

また、特に町田市は、昔から東京のベッドタウンとして名前が知られている印象です。

14位から16位は、千葉県八千代市、神奈川県茅ヶ崎市、東京都武蔵野市となっています。

八千代市は東西線直通の東葉高速鉄道が通るようになり、東京のベッドタウンとしてゆったり発展してきたイメージです。

武蔵野市はお隣の三鷹市にまたがる井の頭公園・井の頭自然文化園などがあって緑も多く、大人も若者も住みやすい人気エリアというイメージですね。

そして、茅ヶ崎市はなんといっても湘南の海のイメージです。

第2位グループ:移転者が500人までのエリア

6位の川崎市高津区は、多摩川などの自然があり、都内へのアクセスも抜群の地域です。

7位の千葉県船橋市は都心へのアクセスはもとより、ふなばし三番瀬海浜公園などの大きな公園もあって子育てがしやすい印象です。

8位は歴史と自然が融合した人気の街、鎌倉市。鎌倉市は都心からは遠い印象がありますが、実はJR湘南新宿ラインで都心までわずか1時間という好立地です。

9位にランクインしたのは茨城県つくば市です。

つくばエクスプレスが開通したことによって、つくば駅から秋葉原駅まで最短45分で行けるようになり、都心に行くのもとても便利なエリアとなりました。

さらに、つくば市は自然豊かな学園都市なので、子育て家族の移住者が増えているそうです。

第1位グループ:移転者が500人以上のエリア

さて、ラストの第1位グループは、この1年で移転者が500人以上も増加したエリアです。

5位は川崎市宮前区。こちらは田園都市線で渋谷まで1本の人気エリア。

4位の東京都小金井市は中央線を利用しての都心へのアクセスが抜群ですし、公園や大学が多いのが特徴です。

3位は横浜市中区です。

多くの人に馴染みのある横浜港を囲むエリアで、山下公園などのオシャレなデートスポットがあることでも有名です。

2位は三鷹市。

井の頭公園などの自然と、都心へのアクセスの良さは最強。

中央線沿線は鉄板のエリアですよね。

さて、最後にこの1年で23区からの転入者が最も増えたエリアを発表したいと思います。

栄えある第1位の人気スポットは・・・神奈川県藤沢市。藤沢市は2020年の1年間で都心からの転入者が713人も増えています。

藤沢市も言わずと知れた湘南エリアで、有名な江ノ島がある街としても知られています。

慶応義塾大学や日本大学のキャンパスも立地しているため学生が多いのも特徴です。

さらにはJRを利用すれば東京駅まで50分ほどで行けるなど、都心へのアクセスも抜群です。

実際、筆者が経営する会社も藤沢市内でアパートや戸建ての新築企画を手がけていますが、問合せがかなり多くなっています。

東京23区からの移転者数による5つのグループ

図1
出所:東京新聞の調べをもとに作成

不動産投資で狙うべきエリア2つのポイント

こうしてトップ30のエリアを見ていくと、都心からの移転者が好む条件というものが見えてきます。これらは、「今後不動産投資で狙うべきエリアの条件」と言い換えることもできるでしょう。

その条件とは、

  • 都心へ1時間以内というアクセスの良さ
  • 川、海、公園などの自然がある
の2つです。

自然豊かなエリアであれば子育てもしやすいですし、ストレスフリーな生活を送れるようになると思います。

さらにテレワークが定着化してくれば、少子化対策にもなりそうです。

また、今回のデータをパッと見ると、藤沢市や茅ヶ崎市などの湘南エリアが人気のように思えますが、実は三鷹市、小金井市、武蔵野市、立川市などの中央線沿線地域の合計の方が、移転者の合計人数としては多いのです。

中央線沿線は不動産投資の人気エリアとして昔から有名ですが、今後はさらに人気が高くなっていくでしょう。

また、軽井沢町や宇都宮市への移住者が多いということは、東海道新幹線で1時間以内で行ける静岡方面の地域も今後さらに人気が高くなっていくかもしれません。

実際に今後人口が増えていくエリアを見つけるのは難しいでしょうが、上記のようなデータから特徴を分析することで、今後人気になりそうなエリアをイメージすることは可能ですし、あなたの不動産投資に役立てることもできるでしょう。

繰り返しになりますが、キーワードは、「都心へ1時間以内というアクセスの良さ」「川、海、公園などの自然がある」の2つです。

不動産投資だけでなく、ご自身の住まい選びの参考にもなさってください。