ブログ

家賃の減額要求は、管理協会のガイドラインを参考にしよう

公開日: 2023年07月30日

▼今日の記事を音声で楽しみたい方はこちら


こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

先日、ある大家さんからこんな相談を受けました。
 
入居者から、「給湯器が壊れてお風呂に入れなくなった」という連絡がありました。当然、すぐに修理の手配をしたものの、修理完了まで約1週間がかかりました。その間、入居者はお風呂に入ることができなかったため、「その分の家賃を減額してくれないか?」と言われています。それってどうなんでしょうか?

・・・というものです。

給湯器が壊れるようなトラブルは、大家さんなら必ず経験することです。

物件というのは築20年くらいが経過すると、「時限爆弾がついているのか?」と思ってしまうくらい、片っ端から壊れていくものなんですよね。

給湯器が壊れている期間はお風呂が使えず、銭湯に行くための費用もかかるので、入居者が減額要求をする気持ちもよくわかります。

そこで今回はこの問題について、

・民法改正後の規定
・管理協会によるガイドライン

を参考にして、「給湯器などの付随設備が壊れた場合、家賃をいくら減額するのが適当か?」について詳しく解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください!

 

改正後の民法:家賃減額は認められるものの、減額割合が明確ではない

まずは、民法改正後の規定を見ていきましょう。

2020年4月1日に民法が改正され、

賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。(民法611条1項)

となりました。

要は、享受できるはずだったサービスを享受できない場合、入居者の過失で壊したのでなければ、その分の家賃は減額されるという規定です。

では、一体どれだけ減額されるのでしょうか?

民法では、賃料がどの程度減額されるかについては、明確な基準を定めていません。これは揉める要素が満載ですよね。

 

管理協会ガイドライン:減額割合が示されているが、懸念はまだ残る

一方、管理業者の集まりである、日本賃貸住宅管理協会(通称「日管協」)では、減額割合に関するガイドラインが公表されています。

こちらでは、

「1週間お風呂に入れなかったとしても、アパートに全く住めない状態ではないので、さすがに家賃全額の減額は認められない」

とされています。家賃全額の減額は認められないけれど、ある程度の減額は認められる、ということですね。

では、一体どのくらいの減額が適当なのでしょうか。

ガイドラインでは、お風呂が使えない場合において、「減額割合は家賃の10%、免責期間が3日間」と定められています。

例えば、家賃が10万円であれば減額金額は1万円ということになります。

今回は、お風呂を使用できなかった期間が1週間ということなので、

(10,000円÷30日間)×(7日間-3日間※)≒1,300円
※1週間のうち3日間の免責期間を差し引きます。

つまり、減額家賃は1,300円ほどになるわけです。

とはいえ、1,300円では銭湯には2日ほどしかいけませんよね・・・。これでは、揉める可能性は高いと思います。

では一体、どうしたら良いのでしょうか。

 

ウラケンは、実費精算で解決します

実は、僕もこういったケースは何度も経験があります。

僕がとった解決方法はというと、

「修理完了までの間、銭湯の費用を全額負担します。」

というものです。

実費精算といっても、5,000円ほどで収まるものですし、これであればまず揉めることもありませんので、シンプルな解決方法だと思います。

 

まとめ

というわけで今回は、「家賃の減額はガイドラインを参考にしよう」というテーマで解説をしてまいりました。

先程ご紹介したガイドラインでは、給湯器以外にも、

・電気が使えない
・ガスが使えない
・エアコンが壊れた

といった場合の減額割合も示されています。

「付帯設備が壊れてしまった!」という場合には、管理協会のガイドラインを参考にしてみてはいかがでしょうか。ぜひ参考にしてみてください!


▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら