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管理会社の入居率は信じるな!入居率計算のカラクリ

公開日: 2023年10月03日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

今日は、「管理会社の入居率は信じるな!」というテーマでお話ししたいと思います。

先月、全国賃貸住宅新聞で、不動産会社の管理物件の「入居率の調査結果」が発表されていました。

驚くべきことに、この調査に参加した1,093の不動産会社のうち、入居率が95%以上だと回答した会社が55%もいたのです。

さらに驚いてしまうことに、入居率が100%と回答した会社も1%存在しました。

調査対象の会社が1,000以上あったことを考えると、少なくとも10社が自社の入居率を100%と回答していることになります。

僕は、この結果に対して大いに違和感を覚えました。今日は、この違和感について皆さんと共有したいと思います。

 

「入居率95%以上」に覚えた違和感の正体

僕が何に違和感を抱いたかというと、まず、55%もの会社が「入居率95%以上」と回答したのは高すぎると感じました。

他の回答と併せてまとめてみると、

入居率100%と回答した会社・・・1%
入居率95%~100%未満と回答した会社・・・55%
入居率90%~95%未満と回答した会社・・・30%
入居率85%~90%未満と回答した会社・・・9%
入居率85%未満と回答した会社・・・5%

となっています。

まあ入居率95%未満であれば妥当と思えますが、95%以上の入居率を主張している55%の会社には非常に違和感があります。

そもそも、今回のアンケートは公的機関が実施したものではなく、単に1,093の管理会社にアンケートを送り、そこの担当者が選択項目の中から当てはまると思ったものを選択しただけです。

そして、その入居率の「計算方法」が曖昧で不透明であることが問題だと思います。

例えば、全部で10室あるアパートの場合、9室が入居していれば入居率90%となります。

しかし、その結果は計測期間によってまったく変わってきてしまいます。

つまり、質問が「1月1日の時点での入居率を教えてください」というものだった場合、その時点で、10室中9室が埋まっていれば入居率は90%になります。

しかし、「1月15日時点での入居率を教えてください」という質問だった場合、その入居率は50%にも100%になり得ます。

このように、特定の日を指した入居率は本当の意味で正確なものではない・・・ということは多くの人に共感していただけるのではないでしょうか。

 

本来の入居率の計算方法とは?

本来、入居率というのは、「一年の間に何日間入居者がいたか?」に基づいて計算されるべきであり、特定の日にちだけを見て測るのは適切ではないと思います。

例えば、1棟10室のアパートがあったとしましょう。

10室のうち、

6室は年間を通じてずっと入居者がいた・・・入居率100%
2室は半年間空室だった・・・入居率50%
2室は3ヶ月間空室だった・・・入居率75%

だったとすると、総合で年間の入居率は85%となります。

しかし、ある一時点の入居率を見た場合は、100%の可能性もあるでしょう。

つまり、今回のアンケートでは、入居率の計算方法が具体的に指定されていないため、あるアパートが3月に満室だった場合、それを切り取って入居率100%と回答した会社が存在している可能性があります。

また、今回のアンケートは、一社あたりの管理戸数が200戸以上5万戸未満の会社が対象だったので、中小から大手まで様々な会社が含まれています。

アパートの場合、日々入居者は入れ替わっているわけですから、95%以上の稼働率というのは非常に違和感があります。

 

管理会社を選ぶ際には要注意です!

さらに、一部の管理会社は自社のホームページや広告で、「当社は入居率99.5%です!」と非常に高い数字を公表していることがあります。

繰り返しになりますが、これらの数字も計算する期間によってまったく異なる意味を持ちます。

もし、あなたが管理会社選びをする場合は、その管理会社の言う入居率がどのように計算されたものかを、必ず確認するようにしましょう


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