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ワンルーム投資で投資家が騙されるロジックとは?

公開日: 2023年10月14日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

先日、ワンルーム投資のトラブルで行われた裁判について、とても興味深い判決がありました。

そこで今回は、「ワンルーム投資で投資家が騙されるロジックとは?」というテーマで解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください!

 

どのようなトラブルだったのか?

今回の投資トラブルの概要ですが、

・ある不動産会社が、投資家に中古ワンルームマンションを販売

・サブリース(家賃保証)付きだったが、物件購入後20か月ほどで、保証家賃の8万500円が振り込まれなくなった(保証家賃の減額交渉をしていたのか、保証会社が破綻状態だったかは不明)

・・・ということでした。

このトラブルの興味深いポイントはというと、保証家賃は8万500円だったところ、実際に住んでいた人が払っていた家賃は5万円だったという点です。

なんでも、

・物件販売時に不動産会社が説明した想定賃料:94,000円
・オーナーに支払われていた保証家賃:80,500円
・実際に住んでいた人が支払っていた家賃:50,000円

ということで、差額3万円以上が逆ざやになっていたそうなんですね。

通常サブリースでは、家賃の80~90%を保証するのが一般的です。

例えば家賃が9万4000円であれば、7万5200円~8万4600円を保証するといった感じです。

ところが今回はというと、実際の家賃は5万円で、投資家には8万500円の家賃を保証していた、というのがとても興味深いところです。

 

保証家賃を高くすることの問題点


さて、今回のケースについて、「家賃をそんなに高く保証してくれるなら良心的なのでは?」と、思った方もいるかもしれません。

では、家賃保証を高くすることの一体何が問題なのでしょうか。

それは、保証家賃を高く設定することで利回りを本来よりも良く見せ、本当はそこまでの価値がない物件を売りつけていた・・・ということです。

今回の物件の販売価格は約1,040万円だったそうなのですが、
 
  販売時(見せかけ) 実際
保証家賃(月額) 80,500円/月 50,000円/月
年間家賃収入 96.6万円/年 60万円/年
利回り 9.2% 5.7%
       
つまり、利回りを3.5%も高く見せて売りつけていた・・・ということなんですよね。

 

裁判の結果、損害賠償が認められることに!?


この投資家は、不動産会社とサブリース会社を相手取って裁判を起こしていました。

そして今回出た判決はというと、なんと1,475万円の損害賠償請求が認められたのです。

争点になったのは、「不動産会社は投資家に、逆ざやであることを説明せずに物件を販売したことが、信義則上の説明義務違反に当たる」ということです。

僕としては、「こんなのよく認めたな~」というのが率直な感想です。

 

ワンルーム投資で投資家が騙されるロジック

今回は極端な例ではありますが、実は、このような逆ざやの家賃保証は、ハウスメーカーを中心に普通に行われていることです。

例えば、本来の家賃が8万円のところを、募集家賃10万円と見積もって、9万円の家賃保証をする・・・などなど、5千円~1万円程度の家賃を上乗せして保証するのはもはや当たり前に行われています。

僕自身は、こうしたトラブルに対する警鐘を20年以上前からずっと鳴らしてきました。

しかし、未だにこのような稚拙で詐欺まがいの売り込みに騙される人が後を絶たないのです。

僕はもう、不思議で仕方ありません。

 

逆ざや保証が行われるワケ


そもそも、なぜ逆ざや保証が行われるのでしょうか?

それは、ハウスメーカーの建築費がめちゃくちゃ高いことが原因です。

ハウスメーカーは、建築費でおよそ3割の粗利を稼いでいますから、その分がまるまる建築費に上乗せされています。

相場の家賃をベースに計算していたら、利回りが低くなってしまい、オーナーも銀行からお金を借りられないんですよね。

そこで、わざと高い家賃を保証することで、むりやりにでも企画を成立させていく・・・ということが行われているわけです。

 

「家賃保証」は価格改定や打ち切りに注意せよ


不動産会社にしてみれば、たとえ逆ざやになったとしても、上乗せした建築費でカバーすることができるので、問題ありません。

また、サブリースにおける家賃保証契約では、必ず「2年ごとに家賃を見直すことができる」という文言が入ります。

たとえ10年間の家賃保証をしていたとしても、逆ざや家賃が上乗せした建築費を食い潰しそうになった時点で、「保証家賃を大幅に下げないと、これ以上保証はできません」といって、わざと保証を打ち切るように仕向けることもあります。

では、価格改定や契約の打ち切りをされてしまった投資家は、その後どうなるでしょうか。

・仕方がないので一般管理に切り替える
・そこで初めて「相場家賃はかなり安かった」という事実に気付く
・相場の家賃で貸すと、経営に行き詰まる

・・・という事態に陥ってしまうんですね。

 

まとめ

というわけで今回は、「ワンルーム投資で投資家が騙されるロジックとは?」というテーマで解説してきました。

なぜこんな古典的なロジックにはまってしまうのか?僕としては不思議で仕方ないのですが、実際には基本的な話が理解できていないまま不動産投資をしたり、アパートを建てたりする人が多い、ということなんですよね。

本来、オーナーは周辺相場を自分で調査しないといけませんし、「現在提案されている家賃は相場家賃をベースにしているのか?」なんてことは、調べたら5分でわかる話です。

今回裁判を起こした投資家には、「不動産会社の言うことを盲目的に信じていたあなたにも責任はありますよね?」と言いたいです。

もちろん、騙した不動産業者が一番悪いですが、投資というのは自己責任です。

不動産投資をするなら、最低でも10時間くらいは勉強してからにしましょう。

ぜひ参考にしてみてください!


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