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YCCの変動幅の上限がついに1%に!これから金利は上昇するのか?
公開日: 2023年11月07日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
先日、日銀の金融政策決定会合でサプライズ発表がありました。
なんと、
「YCCの変動幅の上限を1%に引き上げる。また、1%を超えるレベルも容認する」
ということを発表したんですよね。
そこで今回は、「YCCの変動幅の上限がついに1%に!これから金利は上昇するのか?」というテーマで、
・今回、なぜ日銀はYCCの変動幅の上限を1%まで引き上げたのか?
・不動産ローンの金利は今後どうなっていくのか?
について詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
YCCについて
まずはYCCについて、改めて整理しておきましょう。
これまで何度か取り上げているので皆さん理解しているとは思いますが、そもそもYCCとは、イールドカーブコントロール(長短金利操作)のことです。
つまり、長期金利および短期金利を操作し、景気を刺激するための施策ということです。
そもそも、銀行が長期でお金を貸し出す際に適用される金利は、10年国債の利回りをベースにしています。
この10年国債の利回りが上がりすぎると、企業の借り入れや住宅ローンの金利が上がりすぎて、景気が腰折れしてしまいます。
そこで日銀は、金利が必要以上に上昇してしまわないようにコントロールしているんですよね。これをYCCと呼んでいるというわけです。
国債は、購入したい人が多いほど価格が高くなり、利回りが低下していきます。要するに、日銀が国債を買い集めることで、長期金利を低く抑えつけているのです。
つまり、今回の「YCCの変動幅の上限を1%に引き上げる」という言葉の意味するところは、「YCCの変動幅が1%を超えるレベルになれば、日銀は1%をキープすべく、いくらでも国債を買い入れを進めますよ」ということです。
過去を振り返れば、YCCの変動幅の上限は、
・2022年12月:0.25%
・2023年7月:0.5%
と、徐々に上昇しつつあります。
僕は2023年7月の時点で、「YCCの変動幅の上限は年内には1%になる」と予想をしていたのですが、案の定、23年10月に1%まで引き上がりました。
わずか1年で、YCCの利回り変動幅のベースが0.75%も上昇したことになるわけです。
YCCの変動幅を引き上げた背景とは
では、日銀がYCCの変動幅引き上げに踏み切った背景には何があるのでしょうか?
要因1.長期金利の上昇
まず1つは、長期金利が予想を上回るペースで上昇しているからだと思います。
長期金利というのは、基本的には市場原理で動いています。
日銀が常にコントロールできるわけではありません。
この長期金利が予想を上回るペースで上昇していて、日銀の力では0.5%以内に抑えきれなくなったんですよね。
実際、先日の新発10年国債利回りは0.955%をつけ、なんと!これは10年ぶりの高水準でした。
この利回りを0.5%に抑えるためには、日銀は国債をめちゃくちゃ買わないといけません。
それはもう無理なレベルなので、1%に引き上げた、というのがあると思います。
また、金利が上がるということは、政府も国債を発行しづらくなるわけです。
YCCの変動幅が1%に上がったことで、政府も無尽蔵にお金を刷りまくることはできなくなります。
そういう理由もあって、岸田政権は増税に躍起になっているのでしょうね。
要因2.円安トレンドの食い止め
もう1つは、円安トレンドを食い止めるためだと思います。
そもそも、現在の日本のインフレの主因は円安です。
円安トレンドを食い止めるためには、金利の上昇をある程度は容認しないといけません。なぜなら、日米の金利差の拡大によってドル高円安が進行していくからです。
日本の金利が上がると、日米の金利差は縮まるので、円安トレンドを食い止める鍵になります。
(ただ、実際には発表後のドル円相場は円安方向に動いています。日米の金利差は大して縮まっていないですし、市場は日銀の思惑を逆に解釈した可能性があります・・・)
とにかく、「円安トレンドを食い止めたい」というのが理由にあると思います。
不動産への影響
では、今回の修正は不動産ローンにどう影響するのでしょうか?
一つ言えることとしては、固定金利は確実に上昇します。
事実、都市銀行の住宅ローンは毎月上がっていますよね。
ただし、変動金利は、10年国債ではなく政策金利に連動します。
政策金利はマイナス0.1%なので、変動金利はまだしばらくは影響を受けないでしょう。
ただし、2年固定のような、わりと変動に近い金利であっても、便乗して金利をあげてくる銀行があるので注意が必要です。
もし銀行から利上げを要求されたら、「10年国債の金利は確かに上がっているけど、2年固定金利はそんなに上がっていないですよね?」と、いったん押し返した方が良いと思います。
ただ、いずれにせよ今後金利は上がってくる傾向にあるので、引き続き注視が必要です。
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
先日、日銀の金融政策決定会合でサプライズ発表がありました。
なんと、
「YCCの変動幅の上限を1%に引き上げる。また、1%を超えるレベルも容認する」
ということを発表したんですよね。
そこで今回は、「YCCの変動幅の上限がついに1%に!これから金利は上昇するのか?」というテーマで、
・今回、なぜ日銀はYCCの変動幅の上限を1%まで引き上げたのか?
・不動産ローンの金利は今後どうなっていくのか?
について詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
YCCについて
まずはYCCについて、改めて整理しておきましょう。これまで何度か取り上げているので皆さん理解しているとは思いますが、そもそもYCCとは、イールドカーブコントロール(長短金利操作)のことです。
つまり、長期金利および短期金利を操作し、景気を刺激するための施策ということです。
そもそも、銀行が長期でお金を貸し出す際に適用される金利は、10年国債の利回りをベースにしています。
この10年国債の利回りが上がりすぎると、企業の借り入れや住宅ローンの金利が上がりすぎて、景気が腰折れしてしまいます。
そこで日銀は、金利が必要以上に上昇してしまわないようにコントロールしているんですよね。これをYCCと呼んでいるというわけです。
国債は、購入したい人が多いほど価格が高くなり、利回りが低下していきます。要するに、日銀が国債を買い集めることで、長期金利を低く抑えつけているのです。
つまり、今回の「YCCの変動幅の上限を1%に引き上げる」という言葉の意味するところは、「YCCの変動幅が1%を超えるレベルになれば、日銀は1%をキープすべく、いくらでも国債を買い入れを進めますよ」ということです。
過去を振り返れば、YCCの変動幅の上限は、
・2022年12月:0.25%
・2023年7月:0.5%
と、徐々に上昇しつつあります。
僕は2023年7月の時点で、「YCCの変動幅の上限は年内には1%になる」と予想をしていたのですが、案の定、23年10月に1%まで引き上がりました。
わずか1年で、YCCの利回り変動幅のベースが0.75%も上昇したことになるわけです。
YCCの変動幅を引き上げた背景とは
では、日銀がYCCの変動幅引き上げに踏み切った背景には何があるのでしょうか?要因1.長期金利の上昇
まず1つは、長期金利が予想を上回るペースで上昇しているからだと思います。
長期金利というのは、基本的には市場原理で動いています。
日銀が常にコントロールできるわけではありません。
この長期金利が予想を上回るペースで上昇していて、日銀の力では0.5%以内に抑えきれなくなったんですよね。
実際、先日の新発10年国債利回りは0.955%をつけ、なんと!これは10年ぶりの高水準でした。
この利回りを0.5%に抑えるためには、日銀は国債をめちゃくちゃ買わないといけません。
それはもう無理なレベルなので、1%に引き上げた、というのがあると思います。
また、金利が上がるということは、政府も国債を発行しづらくなるわけです。
YCCの変動幅が1%に上がったことで、政府も無尽蔵にお金を刷りまくることはできなくなります。
そういう理由もあって、岸田政権は増税に躍起になっているのでしょうね。
要因2.円安トレンドの食い止め
もう1つは、円安トレンドを食い止めるためだと思います。
そもそも、現在の日本のインフレの主因は円安です。
円安トレンドを食い止めるためには、金利の上昇をある程度は容認しないといけません。なぜなら、日米の金利差の拡大によってドル高円安が進行していくからです。
日本の金利が上がると、日米の金利差は縮まるので、円安トレンドを食い止める鍵になります。
(ただ、実際には発表後のドル円相場は円安方向に動いています。日米の金利差は大して縮まっていないですし、市場は日銀の思惑を逆に解釈した可能性があります・・・)
とにかく、「円安トレンドを食い止めたい」というのが理由にあると思います。
不動産への影響
では、今回の修正は不動産ローンにどう影響するのでしょうか?一つ言えることとしては、固定金利は確実に上昇します。
事実、都市銀行の住宅ローンは毎月上がっていますよね。
ただし、変動金利は、10年国債ではなく政策金利に連動します。
政策金利はマイナス0.1%なので、変動金利はまだしばらくは影響を受けないでしょう。
ただし、2年固定のような、わりと変動に近い金利であっても、便乗して金利をあげてくる銀行があるので注意が必要です。
もし銀行から利上げを要求されたら、「10年国債の金利は確かに上がっているけど、2年固定金利はそんなに上がっていないですよね?」と、いったん押し返した方が良いと思います。
ただ、いずれにせよ今後金利は上がってくる傾向にあるので、引き続き注視が必要です。
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