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専門家でも間違った解釈をするのが建築業界です

公開日: 2023年11月14日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

今日は、不動産投資と切っては切れない「建築」の話をしようと思います。

不動産投資をしていくと、否が応でも建築の知識が身についていきます。
 
ただ、僕たち不動産の専門家からすると、多くの方が勘違いしがちな建築の知識というのがあるんですよね。

今日はそんな勘違いの一つ、「コンクリート打ちっぱなし」についてお話ししたいと思います。

 

不動産投資で建築のプロも見落とす大切なポイント

おしゃれなコンクリート打ちっぱなし物件の落とし穴


コンクリート打ちっぱなしって、おしゃれですよね。

デザイナーズ物件には、特に好んで取り入れられています。

コンクリートというのは、肩枠の間にコンクリートを流し込んで作るわけですが、打ちっぱなしの場合、型枠を剥がしたらそのまま、タイルなどを張って仕上げをする必要もないし、コストダウンになると思っている人が多いのではないでしょうか。

でも、実は全くコストダウンにならないし、むしろコストアップになってしまうのです。

そして、実は設計士の中にもこれを知らない人がいます。いつもパソコンの前でデザインばかりやっていて、現場を知らない人も案外多いんですよね。

現場で日々物件を作っている僕たちの立場からすれば、「コンクリート打ちっぱなしは、デザイン性も機能性も良くて、コストもめちゃくちゃ下がる」などというのは、本当に勘違いも甚だしいわけです。

では、コンクリート打ちっぱなしというのは、具体的にどうやってできるのか?解説していきましょう。

 

意外と「手間とコストがかかる」RC打ちっぱなし物件


先ほども言ったように、コンクリートは型枠にコンクリートを流し込んで作ります。

普通のタイル仕上げや大理石張りにする場合、この型枠は汚れていても問題ないので、他の階でも使い回すことができます

1階を打ち終わったら、2階に持っていき、3階に持っていって・・・という感じで、窓の位置であれば、何回も使い回しができます。

むしろ、板の跡が残ってでこぼこしている方が、タイルが圧着して剝がれにくくなるので、その方が良かったりするわけです。

しかし、コンクリート打ちっぱなしの場合はそうはいきません

打ちっぱなしの場合、型枠の表面を薬剤でツルツルにしたものを使います。

型枠が汚れていると綺麗に仕上がらないので、コンクリート打ちっぱなし用の型枠というのは1回しか使えないんですよね。

さらに、型枠を挟むボルトの穴もそのまま見えてしまうので、丸い穴の部分を等間隔にきっちり合わせて配置しないといけません。

また、コンクリートの打ち継ぎ(※)の部分も、断層のようにならないように、階と階の間の見えない位置でしっかりとコンクリートが打ち終わるよう、計画的にコンクリートを発注・打設しなければなりません。

※すでに固まっているコンクリートに接して、新たにコンクリートを打設すること。そしてその継ぎ目の部分を指します。

さらに、コンクリートを流す際に空気を含んでしまうと、綺麗な打ちっぱなしの表面にならず、雷おこしのようにボコボコになってしまいます。

だから実は、大工さん達が型枠をトンカチでトントン叩いて空気を抜く作業をしているのです。

さらにさらに、仕上がった表面には防水剤を塗り付けて仕上げていきます。

つまり、コンクリートの打ちっぱなしはめちゃくちゃ手間とコストがかかるんですよね。

これが打ちっぱなしでなければ、ここまで神経を使って綺麗に仕上げる必要もないし、型枠も何回も使い回しできるので、むしろコストは安いわけです。

 

しかも「居住性が悪い」RC打ちっぱなし物件


また、打ちっぱなしのコンクリートは機能的にも最悪です。

打ちっぱなしのマンションというのは、内側も当然打ちっぱなしですよね。すると、断熱効果が全くない家になってしまうのです。

通常、外壁に面するコンクリートの壁の内側というのは、発泡ウレタンやスタイルフォームといった断熱材を当てた後に、石膏ボードを貼り、その上にクロスを張って仕上げます。

しかし、コンクリート打ちっぱなしの場合、断熱材がありません

すると、夏は暑く、冬は寒い部屋になってしまうんですよね。

さらに、冬に暖房をガンガン焚くと壁が結露してカビが生える原因にもなります。

そして、カビを原因にしたダニが増え、ダニが喘息の原因になり、住んでいる人は不健康になってしまいます。

こういうことは、意匠設計をしている先生と言われる設計士には分かりません。机上で図面ばかり描いているからです。

 

まとめ

このような感じで、建築業界はたとえプロであっても間違った解釈をすることがあります

そのため、建築の現場で疑問に思ったことがあれば、絶対にセカンドオピニオンは取った方が良いでしょう。

そして、セカンドオピニオンの際は、ぜひ不動産投資と建築のプロであるウラケン不動産にご相談いただければと思います笑。

ちなみに、コンクリート打ちっぱなしのマンションに住むのであれば、角部屋ではなく上下左右を他の部屋に囲まれた部屋を選ぶことをお勧めします。

上下左右を他の部屋に囲まれていれば、他の部屋で断熱されますので、そこまで断熱性に影響が出ないと思います。


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