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今こそ学ぼう!地震保険の基礎知識
公開日: 2024年01月07日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
前回のブログで、「震災が起きた時に、大家はどのような対応をすべきか?」というお話をしましたが、今回は「地震保険の基礎」について、解説したいと思います。
地震保険の概要
そもそも地震保険とは、「地震による火災、損壊、火山の噴火、これらの災害に伴う津波を原因とする損害を補償する保険」のことを言います。
“地震国家”の日本では必須の保険
日本は地震活動が活発な「環太平洋変動帯」に位置しています。
日本の国土は世界の0.25%しかありませんが、世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約20%が日本で発生しています。
それだけ日本は地震が多い、「地震国家」といえます。その備えとして、耐震補強だけでなく、地震保険にも加入する必要があるというわけです。
「保険料が高くなっているから・・・」
「補償金額が安いから・・・」
などといって地震保険に加入しない選択肢はありえません。
地震保険に入るのは、入居者の命を預かる大家としては必須事項だと思います。
地震保険は、官民共同で運営する制度
地震保険というのは、政府と民間の損害保険会社が共同で運営する保険です。
そのため、公共性が極めて高いんですよね。
地震は被害が広範囲にわたるため、被害総額も高額になります。大規模な地震が起きた場合、1つの民間保険会社だけではその責任や機能を果たすことが難しいです。
そのため、地震保険では複数の会社と政府が共同して、一定以上の被害総額が発生したら政府が負担する、という仕組みになっています。
地震保険の目的
また、地震保険の目的は、壊れた建物を復旧させるためのものではありません。
制度上の目的は、「地震災害による、被災者の生活の安定に寄与する」ということです。
そのため、建物の損害をすべて補償する契約にはなっていません。
補償内容
地震保険の概要についてわかったところで、具体的な補償内容について見ていきましょう。
膨大な補償制度
一度の地震による総支払い限度額は、12兆円と定められています。
この金額を超えた場合は、支払保険金総額と、総支払い限度額の割合に応じて減額される場合もあります。
ちなみに、地震保険に関する法律が制定されて以来、最大の補償金総額は東日本大震災でした。
しかし、12兆円の総支払い限度額に対して、支払われた地震保険は1兆3千億円だったんですよね。
あのレベルの震災ですら、総支払い限度額のわずか10分の1なのです。ということは、支払い能力は相当大きいということです。
東日本大震災の10倍の損害が起きてもカバーできる、膨大な補償制度になっています。
加入方法
では、地震保険にはどうすれば加入できるのでしょうか?
地震保険は単独では加入できず、主契約の火災保険の特約として加入します。
火災保険の契約期間の途中でも加入することが可能です。
補償限度額
地震保険の補償限度額は、
「火災保険の30%~50%の範囲内」で、
「建物は1戸あたり5,000万円」が上限(※)
「家財は1戸あたり1,000万円」が上限(※)
となります。
(※)これは勘違いしている人が多いのですが、1“棟”あたりではなく、1“戸”あたりです。
例えば、4階建て、ワンルーム25戸のRCマンションを考えてみましょう。
2億円の火災保険に加入している場合の地震保険の補償限度額は、1億円になります。
25戸×5,000万円=12億5,000万円ですが、火災保険の2分の1が限度なので、1億円になります。
4段階の損害レベルに応じて保険金が下りる
そして、東日本大震災以降、損害レベルは4段階になりました。
損失範囲
保険金
全損
・主要構造部の損害の額が、その建物の時価の50%以上となった場合
・焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の70%以上となった場合
100%
大半損
・主要構造部の損害の額が、その建物の時価の40%以上50%未満となった場合
・焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の50%以上70%未満となった場合
60%
小半損
・主要構造部の損害の額が、その建物の時価の20%以上40%未満となった場合
・焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の20%以上50%未満となった場合
30%
一部損
・主要構造部の損害の額が、その建物の時価の3%以上20%未満となった場合
・地震等を直接または間接の原因とする洪水・融雪洪水等の水災によって建物が床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水を被った場合で、当該建物が地震等により全損・大半損・小半損・一部損に至らない場合
5%
※参考 「全損」「大半損」「小半損」「一部損」とはなんですか? | よくあるご質問
僕は昔、基礎に5本以上ヒビが入って、一部損として100万円ほど保険金がおりたことがあります。
とはいえ、今はその程度では一部損の扱いにならないかもしれません。
まとめ
以上、今回は「地震保険の基礎」について解説してきました。
地震保険は判定が難しいので、「少し壊れているな」という程度でも自分では判断せず、保険会社に連絡して検査員に判定してもらうのが良いでしょう。
この度は、年始早々不幸なことが起きてしまいましたが、学べることはたくさんあると思います。
ぜひこの機会に理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
前回のブログで、「震災が起きた時に、大家はどのような対応をすべきか?」というお話をしましたが、今回は「地震保険の基礎」について、解説したいと思います。
地震保険の概要
そもそも地震保険とは、「地震による火災、損壊、火山の噴火、これらの災害に伴う津波を原因とする損害を補償する保険」のことを言います。“地震国家”の日本では必須の保険
日本は地震活動が活発な「環太平洋変動帯」に位置しています。
日本の国土は世界の0.25%しかありませんが、世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約20%が日本で発生しています。
それだけ日本は地震が多い、「地震国家」といえます。その備えとして、耐震補強だけでなく、地震保険にも加入する必要があるというわけです。
「保険料が高くなっているから・・・」
「補償金額が安いから・・・」
などといって地震保険に加入しない選択肢はありえません。
地震保険に入るのは、入居者の命を預かる大家としては必須事項だと思います。
地震保険は、官民共同で運営する制度
地震保険というのは、政府と民間の損害保険会社が共同で運営する保険です。
そのため、公共性が極めて高いんですよね。
地震は被害が広範囲にわたるため、被害総額も高額になります。大規模な地震が起きた場合、1つの民間保険会社だけではその責任や機能を果たすことが難しいです。
そのため、地震保険では複数の会社と政府が共同して、一定以上の被害総額が発生したら政府が負担する、という仕組みになっています。
地震保険の目的
また、地震保険の目的は、壊れた建物を復旧させるためのものではありません。
制度上の目的は、「地震災害による、被災者の生活の安定に寄与する」ということです。
そのため、建物の損害をすべて補償する契約にはなっていません。
補償内容
地震保険の概要についてわかったところで、具体的な補償内容について見ていきましょう。膨大な補償制度
一度の地震による総支払い限度額は、12兆円と定められています。
この金額を超えた場合は、支払保険金総額と、総支払い限度額の割合に応じて減額される場合もあります。
ちなみに、地震保険に関する法律が制定されて以来、最大の補償金総額は東日本大震災でした。
しかし、12兆円の総支払い限度額に対して、支払われた地震保険は1兆3千億円だったんですよね。
あのレベルの震災ですら、総支払い限度額のわずか10分の1なのです。ということは、支払い能力は相当大きいということです。
東日本大震災の10倍の損害が起きてもカバーできる、膨大な補償制度になっています。
加入方法
では、地震保険にはどうすれば加入できるのでしょうか?
地震保険は単独では加入できず、主契約の火災保険の特約として加入します。
火災保険の契約期間の途中でも加入することが可能です。
補償限度額
地震保険の補償限度額は、
「火災保険の30%~50%の範囲内」で、
「建物は1戸あたり5,000万円」が上限(※)
「家財は1戸あたり1,000万円」が上限(※)
となります。
(※)これは勘違いしている人が多いのですが、1“棟”あたりではなく、1“戸”あたりです。
例えば、4階建て、ワンルーム25戸のRCマンションを考えてみましょう。
2億円の火災保険に加入している場合の地震保険の補償限度額は、1億円になります。
25戸×5,000万円=12億5,000万円ですが、火災保険の2分の1が限度なので、1億円になります。
4段階の損害レベルに応じて保険金が下りる
そして、東日本大震災以降、損害レベルは4段階になりました。
損失範囲 | 保険金 | |
全損 | ・主要構造部の損害の額が、その建物の時価の50%以上となった場合 ・焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の70%以上となった場合 |
100% |
大半損 | ・主要構造部の損害の額が、その建物の時価の40%以上50%未満となった場合 ・焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の50%以上70%未満となった場合 |
60% |
小半損 | ・主要構造部の損害の額が、その建物の時価の20%以上40%未満となった場合 ・焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の20%以上50%未満となった場合 |
30% |
一部損 | ・主要構造部の損害の額が、その建物の時価の3%以上20%未満となった場合 ・地震等を直接または間接の原因とする洪水・融雪洪水等の水災によって建物が床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水を被った場合で、当該建物が地震等により全損・大半損・小半損・一部損に至らない場合 |
5% |
僕は昔、基礎に5本以上ヒビが入って、一部損として100万円ほど保険金がおりたことがあります。
とはいえ、今はその程度では一部損の扱いにならないかもしれません。
まとめ
以上、今回は「地震保険の基礎」について解説してきました。地震保険は判定が難しいので、「少し壊れているな」という程度でも自分では判断せず、保険会社に連絡して検査員に判定してもらうのが良いでしょう。
この度は、年始早々不幸なことが起きてしまいましたが、学べることはたくさんあると思います。
ぜひこの機会に理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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