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安売りはバカにやらせておけ

公開日: 2024年04月05日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

2024年3月、僕がマレーシアに移住してついに丸10年が経過し、11年目に突入しました。

実をいうと、僕はマレーシアでも会社を細々と経営しています。

何の事業をしているかというと、日本のブレーキメーカーの「輸入総代理店」をしています。

わかりやすく言うと、日本のブレーキメーカーのパーツをマレーシアの販売店に卸しています。

そんなマレーシアのビジネスで、「価格設定」について考える機会があったので、今回ご紹介していきます。ぜひ最後までご覧ください!
   

マレーシアでビジネスを立ち上げた経緯

まずは、マレーシアでビジネスを始めた経緯についてお話ししていきましょう。


 

元々はレーシングの繋がりがきっかけ


このビジネスを始めたのは、今から5年ほど前です。

きっかけは、趣味のレーシングのご縁でした。

日頃お世話になっている日本の部品メーカーさんに、「僕は普段マレーシアに住んでいるので、販売先を紹介しましょうか」と声掛けしたことが発端だったんですよね。

ですから、当初はそんなに力を入れておらず、手広く事業展開するつもりもありませんでした。

しかし、マレーシア現地で営業マンやメカニックを雇い始めたことで、「彼らの生活のために・・・」という責任感も芽生え、最近は力を入れて取り組んでいます。


 

日本からの輸入に立ちはだかる関税と、蔓延る違法業者


この商売を始めた当時、パーツを日本から輸入するには40%以上もの関税がかかりました

正規の輸入ルートでは高額となってしまうことから、マレーシアの販売店は当時、“イリーガル(違法)”な手段で日本の部品を仕入れていたんですよね。

例えば、

・シンガポールまでパーツを買いにいき、トラックの荷台に紛れ込ませる
・解体部品を運ぶ輸入コンテナの中に忍び込ませる

といったような方法です。

ですから、日本のパーツはマレーシアではほとんど普及していませんでした。


 

苦労の末、免税証明を獲得!売り上げも順調に増加中


そんなわけですから、いざマレーシアで卸売のビジネスを始めようとしても、関税という壁が立ちはだかりました。

セオリー通りに関税を支払っていたら、価格が高くなってしまって売れなくなるからです。

そこで、どうしたものかと調べていくと、「日本とマレーシアの間に免税協定があり、車の部品は免税になる」という文書をJETROから入手することができました。

免税対象となるのは、日本で作られた純メイドインジャパンの部品のみです。

輸入の時に、日本製を示す「原産地証明」をマレーシアの税関に持って行くと、免税になるとのことだったんですね。

よかったよかった!と思いきや、この「原産地証明」と呼ばれる証明書を取得するのが、また大変でした。

この証明書は日本の商工会議所で入手することができるのですが、その手続きがめちゃくちゃ面倒だったんですよね。

というのも、毎月の注文の度、何千とあるパーツの品番1つ1つで証明を取らないといけないわけです。

そんな苦労もあり、なんやかんやでようやく5年前から免税で輸入できるようになりました。

今は提携ショップも増えて、売上も伸びてきたところです。


 

違法な安売り業者を相手にしなくて良いワケ

このようにして正規ディーラーとして卸業をするようになったわけですが、未だにイリーガルな方法で安売りをする業者もいますし、中国からパチモン(模造品)が入ってくることもあります。


 

安売り業者による顧客奪取の危機到来?!


先日も、新しく入社した営業マンから朝一で連絡が入りました。

なんでも、とある業者が、うちの取引先である販売店に片っ端から連絡をとり、安いパーツの販売リストを配りまくっているとのことだったんですね。

その営業マンは、「うちも安くしないと売れなくなってしまう・・・ボスどうしましょう!?」と、パニックになっていました。

そんな彼に、僕はどう対応したでしょうか。

まず、「落ち着きなさい」と声をかけ、

・その業者は、違法業者であること
(正規ルートで仕入れていないから関税は払っていないし、もしかしたらその商品自体が中国のパチモンかもしれない)

・注文数によっては、その業者と販売価格はほぼ変わらないこと
(まとまった注文を入れてくれたらディスカウント率も高くなるため、その業者が販売している単価と近い仕入れ値になる)

正規品/正規ディーラーだからこそのバリューがあること
(本社の保証もあり、アフターケア等のバックアップ体制もしっかりしている)

ということを伝えました。

また、販売店には「違法業者から仕入れたいならそれでも良いが、それ以降は取引をやめます」と伝えるように言いました。

だって、違法業者から商品を仕入れるような販売店とは付き合えないですからね。


 

正規ディーラーの強みとは


そもそも、違法業者が安く販売しようとしても、正規ディーラーには太刀打ちできません。

なぜなら、違法業者は大量にリアルタイムで仕入れができないからです。

販売店では、パーツを仕入れても、必ずしも自分のお客さんが乗っている車種に部品が適合するとは限りません。

売れるかわからない部品を注文してコンテナに紛れ込ませて・・・という手法では、せいぜい10車種くらいのパーツしか在庫を持つことができませんし、時間も2~3か月くらいはかかります。

一方、正規ディーラーでは4千種くらいの品番を扱っています。

どんな車種であっても、1か月あればしっかりしたルートで商品が届くわけで、これは圧倒的なアドバンテージであるわけです。


 

安売りはバカに任せておけ!経営者は“付加価値”で高く売ることを考えよ


違法業者に合わせて、正規ディーラーが値下げして合わせる必要はありません。

それよりも、一緒にマレーシアのマーケットを育ててくれるような販売店と付き合った方が良いわけです。

営業マンには、「安ければ良い、というような販売店とは付き合わなくて良い」と伝えました。

そして、「うちはうちの値段で今後とも販売します。ぜひうちと一緒にマレーシアのマーケットを育てていきませんか?」と販売店には伝えるよう言いました。

そもそも、安売りはバカのすることだと思っています。

いかに付加価値をつけて高く売るのか、が経営者の考えることです。

 

まとめ

というわけで今回は、「安売りはバカにやらせておけ」というテーマで解説してきました。

今回の経験で、うちの営業マンにも“ウラケンイズム”が伝わったかなと思います。

ぜひ参考にしてみてください!


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