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長期金利が1%突破!住宅ローンにはどんな影響がある?
公開日: 2024年05月24日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
2024年5月22日、長期金利が1%を突破したというニュースがありました。
なぜここにきて長期金利が上昇したのでしょうか?
僕は、間違いなく円安に原因があると思っています。
そこで今回は、「長期金利が1%突破!住宅ローンにはどんな影響がある?」と題して、
・長期金利の上昇の背景
・今後の金利相場の見通し
・住宅ローンへの影響
・不動産価格に与える影響
を考察します。ぜひ最後までご覧ください!
- 約11年ぶりに長期金利が1%を突破した
- なぜここにきて金利が上がったのか
- ゼロ金利政策解除後も、円安傾向が続く
- 円高へ誘導するなら長期金利を上げればいい
- 変動金利に慌てて切り替える必要がない理由
- 1、日本のインフレ率を踏まえると、短期金利に利上げの必要性がほとんどないから
- 2、金利は徐々にしか上がらないため、固定金利の相場に追いつくまで時間がかかるから
- 住宅ローンはその多くが変動金利。固定金利が上昇すれば、住宅価格も鈍化する
約11年ぶりに長期金利が1%を突破した
2024年5月22日、国内の債券市場で、長期金利の指標となる「新規発行10年物国債(新発10年物国債)」の利回りがついに1%を突破しました。
日本で長期金利が1%を超えるのは、2013年5月以来、約11年ぶりのことです。
なぜここにきて金利が上がったのか
では、なぜこのタイミングで金利が上がったのでしょうか?
直接的な原因は、2024年3月に日銀がゼロ金利政策を解除して、YCCのターゲットを事実上撤廃したからです。
とはいえ、日銀は3月にゼロ金利を解除すると公表した際、
「国債の買い入れを撤廃する」
ではなく、
「必要に応じて国債を購入して金利の急騰を抑えていく」
と言っていました。
日銀が国債の買い支えをやめてしまえば、債券価格が下がって金利は上昇してしまいますからね。
(債券価格が下落すると、国債の利回りは上昇します。債券価格と金利は逆相関の関係にあります。)
急激な利上げは政府も日銀も容認できないので、YCC1%の目標を事実上は撤廃したものの、必要に応じて国債の買い入れを進めて金利の急騰は抑えていく、ということです。
ですから、今後も金利が急激に上昇していく場面では、日銀は引き続き国債の買い入れを進めていくと思います。
ゼロ金利政策解除後も、円安傾向が続く
ということで日銀は、24年3月にゼロ金利政策を解除したというわけですが、ゼロ金利政策を解除したら、日本の金利が多少なりとも上昇し、日米の金利差は縮小するので、円高に振れるだろう・・・と(僕も含めて)、多くの市場関係者が思っていたと思います。
ところが、蓋を開けてみると、逆に10円以上の円安になったではありませんか。GW前には、なんと1ドル=160円にタッチする勢いで円安が進行しました。
財務省はGW中に数兆円規模の為替介入を実施したと思われ、一時は150円台前半まで戻してきましたが、5月22日の段階でも1ドル=156円程度と円安傾向が続いています。
為替介入といっても焼け石に水のような感じですから、円安を根本的に是正するためには、実質的な日米の金利差を縮めていかないといけなかったわけです。
円高へ誘導するなら長期金利を上げればいい
これは僕の想像ですが、為替介入で効果がなければ、実質的な金利差を縮めていくしか円高に誘導する術はありません。
なので、日銀は意図的に国債の買い入れをやめた。その結果、国債価格が下落し、長期金利が1%を超えたのだと思います。
実際に、日銀は公式サイトで国債の保有残高を常時公表していますが、24年5月は国債の保有残高がほとんど増えていないことがわかります。
つまり日銀は、24年5月に国債の買い入れをほとんどしていないんですよね。
変動金利に慌てて切り替える必要がない理由
さて、ここまで直近の日銀の動きについて簡単に解説してきましたが、ここからは住宅ローンへの影響について見ていきましょう。
最近の長期金利の上昇ペースが尋常ではないので、住宅ローンを組んでいる人は「これから金利が上昇していくのではないか?」と心配かもしれませんね。
長期金利が上がると、住宅ローンへはどのような影響が出るのでしょうか。
固定金利については、現にフラット35をはじめとして、既に金利が上がっています。これについては既にご存知の方も多いでしょう。
一方で変動金利はというと、こちらは長期金利ではなく、短期金利(政策金利)に影響されるので、今回の金利上昇で焦る必要は全くありません。
理由を2つ解説します。
1、日本のインフレ率を踏まえると、短期金利に利上げの必要性がほとんどないから
まず、今の日本のインフレ率を踏まえると、日銀は政策(短期)金利を利上げする必要性はほとんどありません。
例えば、米国の政策金利は5.5%です。しかし、米国のインフレ率は、2年前の段階で9.1%と非常に高水準です。
(利上げの効果もあり、最近は米国のインフレ率も3%程度に下がってきました。しかし、まだこのインフレ率には信用がおけないということで、政策金利は5.5%に固定されています。とはいえ、米国もそろそろ利下げに踏み切るのではないかと市場では予測されています。)
翻って、現在の日本ではどうでしょうか。
日本では、米国と同じような9.1%のインフレが発生するとは考えにくいと思います。
日本でいきなり10%を超える物価上昇が発生するとしたら、これはもうハイパーインフレを意識するしかありません。
このように、今、日本で政策金利を上げる必要性がほとんどないのです。
2、金利は徐々にしか上がらないため、固定金利の相場に追いつくまで時間がかかるから
仮に、日銀が政策金利を利上げするとしても、いきなり2%も引き上げることはありません。小刻みに、0.25~0.5%ほどずつ上げていくことになります。
さらに、仮に政策金利が上がったとしても、変動金利でローンを組んでいる人は半年に一度しか上昇しないというルールになっています。
例えば、変動金利の利回りが現状0~1.5%の場合、2%まで上がるのに0.25%刻みだとすると6回連続で引き上げても3年程度かかります。
さらに、右肩上がりで金利が上がり続けるというのは、米国のようにインフレ率が9 %くらいまで上昇していない限りは考えられません。通常は、金利は上がったり、下がったりしながら変動していくものです。
そのため、固定金利に切り替えた方がお得になるレベルで変動金利が上昇するまでに、日本の場合は10年くらいの時間がかかる、というのが僕の見立てです。
なので、これから新規で住宅ローンを組む人も、変動金利が基本だと思います。
住宅ローンはその多くが変動金利。固定金利が上昇すれば、住宅価格も鈍化する
ただし、金融機関は、「金利が上がっているので~」と、便乗して変動金利もあげてこようとして来るのが常です。
その場合は知識をもって、これまでのお話しした内容をもとに押し返すようにしましょう。
また、最近は不動産価格の高騰が話題になっていますが、固定金利が上昇すれば、不動産の価格上昇は鈍化していくというのが僕の見立てです。
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
2024年5月22日、長期金利が1%を突破したというニュースがありました。
なぜここにきて長期金利が上昇したのでしょうか?
僕は、間違いなく円安に原因があると思っています。
そこで今回は、「長期金利が1%突破!住宅ローンにはどんな影響がある?」と題して、
・長期金利の上昇の背景
・今後の金利相場の見通し
・住宅ローンへの影響
・不動産価格に与える影響
を考察します。ぜひ最後までご覧ください!
- 約11年ぶりに長期金利が1%を突破した
- なぜここにきて金利が上がったのか
- ゼロ金利政策解除後も、円安傾向が続く
- 円高へ誘導するなら長期金利を上げればいい
- 変動金利に慌てて切り替える必要がない理由
- 1、日本のインフレ率を踏まえると、短期金利に利上げの必要性がほとんどないから
- 2、金利は徐々にしか上がらないため、固定金利の相場に追いつくまで時間がかかるから
- 住宅ローンはその多くが変動金利。固定金利が上昇すれば、住宅価格も鈍化する
約11年ぶりに長期金利が1%を突破した
2024年5月22日、国内の債券市場で、長期金利の指標となる「新規発行10年物国債(新発10年物国債)」の利回りがついに1%を突破しました。日本で長期金利が1%を超えるのは、2013年5月以来、約11年ぶりのことです。
なぜここにきて金利が上がったのか
では、なぜこのタイミングで金利が上がったのでしょうか?
直接的な原因は、2024年3月に日銀がゼロ金利政策を解除して、YCCのターゲットを事実上撤廃したからです。
とはいえ、日銀は3月にゼロ金利を解除すると公表した際、
「国債の買い入れを撤廃する」
ではなく、
「必要に応じて国債を購入して金利の急騰を抑えていく」
と言っていました。
日銀が国債の買い支えをやめてしまえば、債券価格が下がって金利は上昇してしまいますからね。
(債券価格が下落すると、国債の利回りは上昇します。債券価格と金利は逆相関の関係にあります。)
急激な利上げは政府も日銀も容認できないので、YCC1%の目標を事実上は撤廃したものの、必要に応じて国債の買い入れを進めて金利の急騰は抑えていく、ということです。
ですから、今後も金利が急激に上昇していく場面では、日銀は引き続き国債の買い入れを進めていくと思います。
ゼロ金利政策解除後も、円安傾向が続く
ということで日銀は、24年3月にゼロ金利政策を解除したというわけですが、ゼロ金利政策を解除したら、日本の金利が多少なりとも上昇し、日米の金利差は縮小するので、円高に振れるだろう・・・と(僕も含めて)、多くの市場関係者が思っていたと思います。
ところが、蓋を開けてみると、逆に10円以上の円安になったではありませんか。GW前には、なんと1ドル=160円にタッチする勢いで円安が進行しました。
財務省はGW中に数兆円規模の為替介入を実施したと思われ、一時は150円台前半まで戻してきましたが、5月22日の段階でも1ドル=156円程度と円安傾向が続いています。
為替介入といっても焼け石に水のような感じですから、円安を根本的に是正するためには、実質的な日米の金利差を縮めていかないといけなかったわけです。
円高へ誘導するなら長期金利を上げればいい
これは僕の想像ですが、為替介入で効果がなければ、実質的な金利差を縮めていくしか円高に誘導する術はありません。
なので、日銀は意図的に国債の買い入れをやめた。その結果、国債価格が下落し、長期金利が1%を超えたのだと思います。
実際に、日銀は公式サイトで国債の保有残高を常時公表していますが、24年5月は国債の保有残高がほとんど増えていないことがわかります。
つまり日銀は、24年5月に国債の買い入れをほとんどしていないんですよね。
変動金利に慌てて切り替える必要がない理由
さて、ここまで直近の日銀の動きについて簡単に解説してきましたが、ここからは住宅ローンへの影響について見ていきましょう。最近の長期金利の上昇ペースが尋常ではないので、住宅ローンを組んでいる人は「これから金利が上昇していくのではないか?」と心配かもしれませんね。
長期金利が上がると、住宅ローンへはどのような影響が出るのでしょうか。
固定金利については、現にフラット35をはじめとして、既に金利が上がっています。これについては既にご存知の方も多いでしょう。
一方で変動金利はというと、こちらは長期金利ではなく、短期金利(政策金利)に影響されるので、今回の金利上昇で焦る必要は全くありません。
理由を2つ解説します。
1、日本のインフレ率を踏まえると、短期金利に利上げの必要性がほとんどないから
まず、今の日本のインフレ率を踏まえると、日銀は政策(短期)金利を利上げする必要性はほとんどありません。
例えば、米国の政策金利は5.5%です。しかし、米国のインフレ率は、2年前の段階で9.1%と非常に高水準です。
(利上げの効果もあり、最近は米国のインフレ率も3%程度に下がってきました。しかし、まだこのインフレ率には信用がおけないということで、政策金利は5.5%に固定されています。とはいえ、米国もそろそろ利下げに踏み切るのではないかと市場では予測されています。)
翻って、現在の日本ではどうでしょうか。
日本では、米国と同じような9.1%のインフレが発生するとは考えにくいと思います。
日本でいきなり10%を超える物価上昇が発生するとしたら、これはもうハイパーインフレを意識するしかありません。
このように、今、日本で政策金利を上げる必要性がほとんどないのです。
2、金利は徐々にしか上がらないため、固定金利の相場に追いつくまで時間がかかるから
仮に、日銀が政策金利を利上げするとしても、いきなり2%も引き上げることはありません。小刻みに、0.25~0.5%ほどずつ上げていくことになります。
さらに、仮に政策金利が上がったとしても、変動金利でローンを組んでいる人は半年に一度しか上昇しないというルールになっています。
例えば、変動金利の利回りが現状0~1.5%の場合、2%まで上がるのに0.25%刻みだとすると6回連続で引き上げても3年程度かかります。
さらに、右肩上がりで金利が上がり続けるというのは、米国のようにインフレ率が9 %くらいまで上昇していない限りは考えられません。通常は、金利は上がったり、下がったりしながら変動していくものです。
そのため、固定金利に切り替えた方がお得になるレベルで変動金利が上昇するまでに、日本の場合は10年くらいの時間がかかる、というのが僕の見立てです。
なので、これから新規で住宅ローンを組む人も、変動金利が基本だと思います。
住宅ローンはその多くが変動金利。固定金利が上昇すれば、住宅価格も鈍化する
ただし、金融機関は、「金利が上がっているので~」と、便乗して変動金利もあげてこようとして来るのが常です。その場合は知識をもって、これまでのお話しした内容をもとに押し返すようにしましょう。
また、最近は不動産価格の高騰が話題になっていますが、固定金利が上昇すれば、不動産の価格上昇は鈍化していくというのが僕の見立てです。
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