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イトーヨーカドーはなぜ閉店するのか?閉店の本当の理由とは

公開日: 2024年10月09日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

今日は、「イトーヨーカドーはなぜ閉店するのか?」というテーマでお話ししたいと思います。

最近、セブン&アイ・ホールディングスのイトーヨーカドーが次々と閉店しているというニュースを見かけます。

それも1店舗や2店舗ではなく30店舗以上が閉店するとのことで、かなりの事業縮小が進んでいるんですね。

コロナ禍以降、イトーヨーカドーは4期連続で赤字だったようです。

コロナ後は、インフレの恩恵を受けて小売業が好調だという話も耳にしますが、イトーヨーカドーはそうではなかったようです。

「クレヨンしんちゃん」に登場する「サトーココノカドー」のモデルとなった店舗も閉店してしまうとのことで、まるで一つの時代が終わったような寂しい気持ちになります。

 

イトーヨーカドーは時代の流れを読めず、進化できなかった

では、なぜイトーヨーカドーは衰退してしまったのでしょうか。

同じ業界のイオンは業績をどんどん伸ばしているにもかかわらず、なぜイトーヨーカドーだけが衰退するのでしょうか?

それは、時代の流れを読めず、進化できなかったからだと僕は思っています。

イトーヨーカドーのビジネスモデルは、「GMS(総合スーパー)」といって、ほぼ全ての商品を自社ブランドで取り揃えて店舗を展開しています。

例えば、1階が食品売り場、2階が衣料品、3階が日用品雑貨、4階が書籍やエンタメ関連・・・といった具合に、自前で小売業を展開しています。

昔のダイエーも同じような店舗展開でしたよね。

一方、イオンは郊外型の店舗が多く、魅力的なテナントを誘致することでスーパーそのものの魅力を高めるテナント型のモデルが主流となっています。

 

スーパー業界全体での2つの変化

もう少し具体的に業界全体を分析してみると、今、スーパー業界全体に起こっている変化は大きく2つあると思います。

まず、今はインターネットで何でも簡単に買えるようになったことです。

たとえば楽天市場やAmazonなどで、いつでも手軽に買い物ができ、しかも自宅まで配達してくれます。これによって、実店舗で購入する人は激減しています。

もう一つは、ディスカウントストアや専門店の台頭です。

例えば、ダイソー、マツモトキヨシ、無印良品、ユニクロ、ニトリといった、安価で高品質なブランド商品が増えてきて、総合スーパーの自社ブランドは競争に敗れてしまったということです。

 

時代に合った変化を積極的にとってきたか

人口が多かった時代や、今のようなEコマースが普及していなかった時代には、総合スーパーはダントツで成長できました。

しかし、今や1階の食品売り場は混雑していても、2階や3階はガラガラ・・・という状況になっています。

そんな中で、なぜ同じ業界のイオンは強いのかというと、ネットスーパーやオンラインショッピングの強化を進め、自社ブランドの「トップバリュ」が成功している点が挙げられます。

また、最近僕もよく使うのですが、コンビニとスーパーの中間的な存在である「まいばすけっと」は本当に便利です。

家の近くに「まいばすけっと」があれば、冷蔵庫がいらないほど、生鮮食品が充実しています。

さらに、イオンの郊外型店舗は、魅力的なテナントを積極的に誘致しており、買い物をしなくても家族で楽しめるような、エンタメ性を持たせた店舗展開をしています。

まさに時代に合った戦略を取っているんですよね。

 

不動産業で考えてみよう

これを不動産業に例えてみると、ビルを建ててそこで自分で商売をするのか?あるいはそのビルを店舗として貸し出して大家業に徹するのか?という違いになると思います。

この違いは非常に大きいです。

自分で商売をすると、売れ筋商品は何か?どんな商品を展開すればスケールメリットが得られるか?などなど、さまざまなことに目を配らなければなりません。

例えば、衣料品を自社でデザインして、ベトナムで安く生産して・・・とビジネスを組み立てても、近くにユニクロができれば、顧客はそちらに流れて売上も奪われてしまいます。

総合スーパーともなれば、扱う商品数は数十万数百万に及びますから、そのすべてを管理し、売上や開発を追うのは非常に大変なことです。

しかし、大家業に徹すれば、スターバックス、ユニクロ、無印、マツキヨ、ダイソーといった、その時代にその分野で成功しているブランドを誘致し、集客のエンジンにすることができます

今回、イトーヨーカドーが30店舗も閉店するというニュースは、ひとつの時代の終わりを象徴していると思います。

持続可能なビジネスを続けていくためには、常に時代の変化を読み取り、先を見越して進化していくことが重要ということを改めて実感した次第です。


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