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「囲い込み禁止」の具体的な内容について。それでも囲い込みは無くならない

公開日: 2024年10月08日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

今日は、「売買の囲い込み禁止」に関して、国交省から詳細が発表されましたので、解説していきたいと思います。

以前のブログでもお話ししましたが、まずは「囲い込み」とは何なのか?についておさらいしておきましょう。

 

不動産売買における囲い込みとは?

不動産売買における囲い込みとは、売主から専任で売却仲介の依頼を受けた不動産会社が、自社で買主を見つけるために、意図的に売り物件の情報を公開しない行為を指します。

この行為は違法であり、宅建業法で禁止されています。

では、なぜ不動産会社は自社で買主を見つけたいのかというと、自社で買主を見つければ、2倍の仲介手数料を得られるからです。

例えば1億円の物件を仲介した場合、売主側から3%(300万円)の手数料を得ることができます。

しかし、もし買主も自社で見つけることができれば、手数料は両手(売主・買主双方)で6%(600万円)となります。

300万円と600万円では大きな差があるため、売却の専任契約を取ったら、99%の仲介会社は物件情報を囲い込もうとするわけです。

ちなみに、売主が不動産会社に売却を依頼する際に結ぶ媒介契約には、「専属専任媒介契約」、「専任媒介契約」、「一般媒介契約」の3種類があります。

このうち、「専属専任媒介契約」、「専任媒介契約」を結んだ場合は、その一社にしか売却を依頼することができなくなります。

そのため、売主としては「専任で依頼すればこの業者がしっかり高く売ってくれるだろう」と期待するわけですが、実態しては必ずしもそうなっていません。

むしろ、物件情報が囲い込まれ、最初の査定額よりもかなり安い価格でしか売れなかったというケースの方が多くなっています。

 

囲い込みの手口とは?

では、囲い込みはどのように行われるのでしょうか。

「専属専任媒介契約」または「専任媒介契約」を結んだ場合、不動産会社はレインズという業者間の情報共有サイトに、物件情報を一定期間以内に掲載する義務があります。

広く業者間で情報を公開することで、依頼を受けた物件が早く、かつ高く売れる可能性が高まると考えられているからです。

しかし、囲い込みをする業者は、このレインズへの登録を意図的に遅らせます

専属専任媒介契約の場合は契約から5日以内に、専任媒介契約の場合は契約から7日以内にレインズへ公開することが宅建業法で定められています。

ところが、これを「忘れていました」などと言って、わざと遅らせることがあるのです。

さらに、レインズに登録したとしても、申し込みがないのにステータスを「申し込みあり」にして、他の業者からの問い合わせが来ないように操作することもあります。

また、ステータスをまだ売れていないという意味の「公開中」にしたとしても、業者からの問い合わせに対して「ちょうど今、申し込みが入ってしまって商談中なんですよね」などと嘘をつくこともあります。

にもかかわらず、個人で問い合わせをすると「申し込み可能です」と言ったりするわけです。

 

今回の国土交通省の規制内容とは

今回、国土交通省はこの部分に規制を入れるようです。

実際に申し込みが入っていないにもかかわらず「申し込みあり」にするなど、レインズ上で事実と異なるステータス表示をしていた場合、処分の対象になるということです。

しかし、レインズは業者だけが見られるサイトで、売主や一般客は見ることができません。

業者間しかレインズを閲覧できないのに、どうやって虚偽の表示を確認するのか?というと、システム上で売主に専用のQRコードを発行し、売主が常にステータスをチェックできる機能を追加するようです。

売主が自分の物件情報のステータスを確認できるようにすることで、虚偽登録の防止に実効性を持たせることを目指しているわけです。

 

囲い込みが全くなくならない理由

確かに、業者しか閲覧できなかったレインズを売主が監視できるようにした点では一歩前進と言えるでしょう。

しかし、僕はこれだけでは囲い込みは全くなくならないと思っています。

なぜなら他にも抜け道はいくらでもあるからです。例えば、

・「公開中」のステータスにしていたとしても、それを見て問い合わせてきた業者に対して、「ちょうど今、申し込みが入っちゃって売り止めになったんですよね」とブロックする。

・「公開中」のステータスを見て問い合わせてきた業者に対して、「申し込みできますよ」と言いつつ、内見の予約をできるだけ後ろに引き延ばし、時間稼ぎをしている間に自分のチャンネルで買主を見つける。

などなどです。

つまり、単にQRコードを発行して売主がステータスを確認できるようにするだけでは不十分で、システム上で完全に囲い込みができなくなるような仕組みにするべきだと思います。

また、この囲い込み禁止に違反した場合の罰則が非常に緩いと感じました。

罰則は「指示処分」だけで、要は「囲い込みをやめなさい」という命令を出すだけなんですよね。

そして、その指示に従わない悪質なケースにのみ、業務停止などの行政処分が下されるそうです。

これでは、「言われたらやめよう」くらいに軽く考える業者がほとんどなのではないでしょうか。

 

物件の売却は必ず一般媒介でやろう

今回、囲い込みを法的に禁止し、罰則を設けるのは大きな一歩だとは思いますが、これだけでは囲い込みはなくならないと思います。

いつも言っていますが、物件の売却を考える人は、必ず一般媒介で依頼するようにしましょう

専任にしなくても、やり方次第で早く高く売ることはできるので、今後も売却を考える際は、専任にしないという選択がベストだと思います。

高値売却の具体的な方法については、「ウラケン 不動産 高く売る」でググっていただければ、僕のブログやYouTube動画が見つかりますので、ぜひご覧になってみてください。


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