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タワマンへの空室税導入は是か否か?メリットとデメリットを解説!
公開日: 2025年01月20日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
先日、タワーマンションの“空室税”を神戸市が検討しているというニュースが注目を集めていました。
この背景には、投機目的や節税のために購入されたタワーマンションが空室のまま放置されているという現状があります。
投機目的で購入し、価格上昇を待つ間、利用されない物件が増加することで管理組合の機能不全などの問題が懸念されています。
今回はこの問題について、具体的な情報を整理しながら、空室税の是非について解説していきたいと思います。ぜひ最後までご覧ください!
空室税導入の背景
空室の問題点
空室税導入によるメリット・デメリット
空室税導入によるメリット
空室税導入によるデメリット
空室税導入は是か非か?ウラケンの見解
タワマン高層階の購入者の特徴
空室税は本質的な解決にならない
まとめ
空室税導入の背景
まず、空室税検討の背景についてですが、神戸市のタワーマンションでは上層階ほど空室が多い傾向にあり、40階以上の住居では実に3分の1が「住民登録されていない空室」となっています。
空室の問題点
では、空室によって何が問題となるのでしょうか。
大きな問題としては、管理組合が機能不全に陥ってしまう問題が挙げられます。
大規模修繕などの意思決定が困難になり、修繕金の回収にも支障をきたす可能性があります。
先の話ではありますが、管理組合の機能不全によって最終的に建物が廃墟化してしまうリスクも考えられます。
また、地域コミュニティー崩壊のリスクも指摘されています。
空室税導入によるメリット・デメリット
空室税導入によるメリット
この問題に対し、神戸市は空室税導入による居住率の向上を期待していますが、この効果については疑問が残ります。
確かに、空室税の導入により投資目的の購入は減少するかもしれません。
投資目的の購入が多いと、実需層(本当にマイホームを買って住む人)の手が届かない価格帯になってしまう可能性がありますから、価格上昇を抑えられるという点ではメリットがあるかもしれません。
また、税収を防犯対策や地域のインフラ整備に充てられるという利点もあります。
空室税導入によるデメリット
しかし、以下のようなデメリットも考えられます。
まず、不動産価格がむしろ高騰する可能性があるということです。
物件はマイホームとして居住する目的のみならず、オーナー業目的(買って貸し出す)の人もいるわけですね。
空室税を導入すると、そのコストが物件の売買価格に上乗せされたり、賃料に上乗せされることで、結果的に不動産価格が高騰してしまうリスクもあるんじゃないかなということですね。
また、供給過剰のリスクもあります。
空室税を課せられることを嫌い、投資目的の所有者が売却を急ぐようなことになれば、売りたい人が一気に増え、市場全体の不動産価格のバランスが崩れる恐れがあると思います。
最後に、そもそも空室の定義も曖昧です。
何日間住んでなかったら空室と認定するのか?という問題があります。
僕の例を挙げると、以前は執筆活動をする際に一定期間ホテルに引きこもることがありました。
そうすると、 1~2 ヶ月間くらいは空室になる期間があるわけです。
それでも空室税を取るのか?という話なんですよね。
結局、その設定が曖昧だと課税の公平性が損なわれて、トラブルに発展するんじゃないかなと思います。
空室税導入は是か非か?ウラケンの見解
ということで最後に僕の考えなんですけども、空室税の導入はなかなか難しいと思っています。なぜでしょうか。
タワマン高層階の購入者の特徴
この問題の本質を理解するためには、まず購入者の特徴を見る必要があります。
タワーマンションの特に高層階で空室が多い現状がありますが、タワマン高層階を購入する層には法人が多いです。
購入の目的としては、将来的な値上がり期待と節税効果があるためです。
さらなる値上がりを待っている間に空室になってしまうんですね。
一方で、個人の不動産投資家が購入した場合、購入した物件を空室のまま放置するのは合理的ではありません。
なぜなら、不動産投資というのは値上がり期待ももちろんありますが、不動産を売却するまでの期間は入居者(店子)さんに部屋を貸して家賃を稼ぐことができるからです。
家賃を稼がないと、管理費や修繕積立金、固定資産税などの費用が諸々かかってきますから、空室のままにすると損失を生んでしまうわけですよね。
ではなぜ空室があるのかというと、空室が発生する理由の多くは供給過剰が原因だったりします。
■供給過剰の例:マレーシアのコンドミニアム
例えば、僕はマレーシアのコンドミニアムに投資をしています。
コンドミニアムは、1000戸とかの単位で一気に物件が完成するわけです。
もし1000戸のうち 300戸が賃貸に出たら、300戸も一度に市場に放出されるわけですから、家賃も下がります。
とはいえ、あまりにも値下げしてしまうと今度は値上げするのも難しくなってきますから、希望する家賃で入居してくれるテナントが決まるまで、空室のままになってしまうということがあるわけです。
空室税は本質的な解決にならない
結論として、タワーマンションの空室問題は、意図的な空室化ではなく、供給過剰という構造的な問題に起因しています。
そのため、空室税による対応は本質的な解決にはならない可能性が高いと僕は考えています。
むしろ、もし空室税が導入されたとしたら、空室税を支払った分も将来の売買価格に上乗せされて、さらなる価格高騰を引き起こしていくリスクがあると思います。
そうすると結局、実需層に手が届く不動産価格にはならなくなってしまうので、空室税を課すのは本末転倒なのではないでしょうか。
まとめ
以上、「タワマンの空室税は是か否か?」についてお話させていただきました。
今回の神戸市の検討については、総務省や国の許認可も必要なのでどうなるか分かりません。
ただ、単に空室を悪と決めつけてそこに課税するのではなく、賃貸を促すために、空室を賃貸に出す所有者に対して税優遇をするなどのサポートが必要になってくるのでは、と僕は思います。
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
先日、タワーマンションの“空室税”を神戸市が検討しているというニュースが注目を集めていました。
この背景には、投機目的や節税のために購入されたタワーマンションが空室のまま放置されているという現状があります。
投機目的で購入し、価格上昇を待つ間、利用されない物件が増加することで管理組合の機能不全などの問題が懸念されています。
今回はこの問題について、具体的な情報を整理しながら、空室税の是非について解説していきたいと思います。ぜひ最後までご覧ください!
空室税導入の背景
空室の問題点
空室税導入によるメリット・デメリット
空室税導入によるメリット
空室税導入によるデメリット
空室税導入は是か非か?ウラケンの見解
タワマン高層階の購入者の特徴
空室税は本質的な解決にならない
まとめ
空室税導入の背景
まず、空室税検討の背景についてですが、神戸市のタワーマンションでは上層階ほど空室が多い傾向にあり、40階以上の住居では実に3分の1が「住民登録されていない空室」となっています。空室の問題点
では、空室によって何が問題となるのでしょうか。
大きな問題としては、管理組合が機能不全に陥ってしまう問題が挙げられます。
大規模修繕などの意思決定が困難になり、修繕金の回収にも支障をきたす可能性があります。
先の話ではありますが、管理組合の機能不全によって最終的に建物が廃墟化してしまうリスクも考えられます。
また、地域コミュニティー崩壊のリスクも指摘されています。
空室税導入によるメリット・デメリット
空室税導入によるメリット
この問題に対し、神戸市は空室税導入による居住率の向上を期待していますが、この効果については疑問が残ります。
確かに、空室税の導入により投資目的の購入は減少するかもしれません。
投資目的の購入が多いと、実需層(本当にマイホームを買って住む人)の手が届かない価格帯になってしまう可能性がありますから、価格上昇を抑えられるという点ではメリットがあるかもしれません。
また、税収を防犯対策や地域のインフラ整備に充てられるという利点もあります。
空室税導入によるデメリット
しかし、以下のようなデメリットも考えられます。
まず、不動産価格がむしろ高騰する可能性があるということです。
物件はマイホームとして居住する目的のみならず、オーナー業目的(買って貸し出す)の人もいるわけですね。
空室税を導入すると、そのコストが物件の売買価格に上乗せされたり、賃料に上乗せされることで、結果的に不動産価格が高騰してしまうリスクもあるんじゃないかなということですね。
また、供給過剰のリスクもあります。
空室税を課せられることを嫌い、投資目的の所有者が売却を急ぐようなことになれば、売りたい人が一気に増え、市場全体の不動産価格のバランスが崩れる恐れがあると思います。
最後に、そもそも空室の定義も曖昧です。
何日間住んでなかったら空室と認定するのか?という問題があります。
僕の例を挙げると、以前は執筆活動をする際に一定期間ホテルに引きこもることがありました。
そうすると、 1~2 ヶ月間くらいは空室になる期間があるわけです。
それでも空室税を取るのか?という話なんですよね。
結局、その設定が曖昧だと課税の公平性が損なわれて、トラブルに発展するんじゃないかなと思います。
空室税導入は是か非か?ウラケンの見解
ということで最後に僕の考えなんですけども、空室税の導入はなかなか難しいと思っています。なぜでしょうか。タワマン高層階の購入者の特徴
この問題の本質を理解するためには、まず購入者の特徴を見る必要があります。
タワーマンションの特に高層階で空室が多い現状がありますが、タワマン高層階を購入する層には法人が多いです。
購入の目的としては、将来的な値上がり期待と節税効果があるためです。
さらなる値上がりを待っている間に空室になってしまうんですね。
一方で、個人の不動産投資家が購入した場合、購入した物件を空室のまま放置するのは合理的ではありません。
なぜなら、不動産投資というのは値上がり期待ももちろんありますが、不動産を売却するまでの期間は入居者(店子)さんに部屋を貸して家賃を稼ぐことができるからです。
家賃を稼がないと、管理費や修繕積立金、固定資産税などの費用が諸々かかってきますから、空室のままにすると損失を生んでしまうわけですよね。
ではなぜ空室があるのかというと、空室が発生する理由の多くは供給過剰が原因だったりします。
■供給過剰の例:マレーシアのコンドミニアム
例えば、僕はマレーシアのコンドミニアムに投資をしています。
コンドミニアムは、1000戸とかの単位で一気に物件が完成するわけです。
もし1000戸のうち 300戸が賃貸に出たら、300戸も一度に市場に放出されるわけですから、家賃も下がります。
とはいえ、あまりにも値下げしてしまうと今度は値上げするのも難しくなってきますから、希望する家賃で入居してくれるテナントが決まるまで、空室のままになってしまうということがあるわけです。
空室税は本質的な解決にならない
結論として、タワーマンションの空室問題は、意図的な空室化ではなく、供給過剰という構造的な問題に起因しています。
そのため、空室税による対応は本質的な解決にはならない可能性が高いと僕は考えています。
むしろ、もし空室税が導入されたとしたら、空室税を支払った分も将来の売買価格に上乗せされて、さらなる価格高騰を引き起こしていくリスクがあると思います。
そうすると結局、実需層に手が届く不動産価格にはならなくなってしまうので、空室税を課すのは本末転倒なのではないでしょうか。
まとめ
以上、「タワマンの空室税は是か否か?」についてお話させていただきました。今回の神戸市の検討については、総務省や国の許認可も必要なのでどうなるか分かりません。
ただ、単に空室を悪と決めつけてそこに課税するのではなく、賃貸を促すために、空室を賃貸に出す所有者に対して税優遇をするなどのサポートが必要になってくるのでは、と僕は思います。
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