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自分のブランドを買い被ってはいけない。スノーピークの分譲事業が大ゴケした理由
公開日: 2025年05月01日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
ビジネスにおいて、「ブランディング」は非常に重要です。
僕自身も創業した20年前からブランディングについて考えてきて、弱小ながらも自分なりのブランドを作ってきたつもりです。
しかし、世の中には僕のような個人レベルのブランドではなく、ナショナルブランドやインターナショナルブランドと呼べるような、大きなブランドを持っている会社があります。
そのような会社が、「ブランド(ネームバリュー)さえできあがっていれば、どんな分野に参入しても売れる」という考えにあぐらをかいて、結果として会社の看板を汚してしまう・・・というケースがあります。
今回はそんな「ブランディング」について、ある事例を用いながらお話ししようと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
アウトドアブランド「スノーピーク」が分譲をはじめて大ゴケ
先日、楽待コラムで面白い記事を目にしました。
アウトドア用品で有名なあの「スノーピーク」が、「野きろの杜」というまちづくりプロジェクトを手掛けているものの、上手くいっていないようなんですね。
新潟市西蒲区(にしかんく)というエリアで、地元の不動産会社や建築事務所と協働で分譲地を開発しているのですが、分譲開始から2年以上経つ現在でも、34区画中13区画しか売れていないそうです。
このプロジェクトのコンセプトは、平たく言うと「キャンプ場で暮らす」というものです。
今回は土地の分譲なので、土地を買って建物を建てるわけですが、このコンセプトを守るために、建物には様々なガイドラインがあります。
構造は木造で材料は地産地消でなければいけないとか、隣地との境界に塀や生垣を設けてはいけないとか、土間・ウッドデッキ・庭のどれかを必ず作らなければいけないとか、かなり細かいルールが決められています。
それに加えて価格も高い。
地域の相場と比べて、1.3倍~1.7倍くらいします。
しかも、この分譲地のあるエリアは人口減少が著しく、過去10年間でなんと6.3%も人口が減っているそうです。
つまり、スノーピークは自社のブランド力を全面に押し出して、地域相場の1.5倍という価格で分譲住宅を売ろうとしたわけですね。
これは完全に、「ああ、やっちゃったな・・・」という感じです。
好き放題やってニーズを捉えていない
よく、自分の設計した建物を「作品」と呼ぶ設計事務所の先生がいますが、僕はああいうのが大嫌いです。
施主の立場から言うと、あなたの「作品」はあなたのお金で勝手に作ってくれ・・・と思ってしまいます。
今回もケースも似たような感じで、好き勝手やってニーズを捉えられず、全然売れていないというのが実情のように思います。
そもそも、キャンプに行く人たちというのは、非日常を求めているわけです。
それなのに、住む家そのものがキャンプ場みたいだったら、そこにギャップがありませんよね。
「じゃあ最初からキャンプ場に住めばいいじゃん」という話になってしまうし、なんかズレてるな~と感じてしまいます。
自社のブランド力に頼りすぎない
要するに、スノーピークは自社のブランド力を頼りに、畑違いの商品を売ろうとしたわけです。
これがそもそもの間違いで、ニーズをきちんと捉えることができませんでした。
もちろん、「ニーズをつくる」というアプローチで攻めるのもアリだとは思います。
「ああ、そんな遊び方があったのか」
「そういう家の形もアリなんだな」
と思わせるような提案であれば、それはそれで面白いと思いますが、あまりにもエンドユーザーのニーズとずれてしまうと、もう立ち直れないくらいの大ゴケをするリスクがあるわけです。
昔、大塚家具が迷走しました。
娘さんが社長になって、先代と対立して、ニトリに対抗するような割安のブランドを打ち出そうとして結局失敗しましたよね。
あれも、やはり自社のブランドを買い被りすぎた結果だったと思います。
マーケティングを通じてニーズをしっかり捉えよう!
基本的にブランドというのは過去の実績の象徴にすぎません。
だからこそ、ブランドを過信しないことです。
それよりも、マーケティングを通じてニーズをしっかり捉え、そのニーズに応える商品をつくり、適切な価格で届けることが、ビジネスの基本中の基本だと思います。
いかにブランド力があっても、その基本を外してしまうと結果もついてきません。
ブランドに頼りすぎる企業側も、ブランドを妄信しすぎる消費者側も、どちらもブランドに対する過度な期待は禁物というお話でした。
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
ビジネスにおいて、「ブランディング」は非常に重要です。
僕自身も創業した20年前からブランディングについて考えてきて、弱小ながらも自分なりのブランドを作ってきたつもりです。
しかし、世の中には僕のような個人レベルのブランドではなく、ナショナルブランドやインターナショナルブランドと呼べるような、大きなブランドを持っている会社があります。
そのような会社が、「ブランド(ネームバリュー)さえできあがっていれば、どんな分野に参入しても売れる」という考えにあぐらをかいて、結果として会社の看板を汚してしまう・・・というケースがあります。
今回はそんな「ブランディング」について、ある事例を用いながらお話ししようと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
アウトドアブランド「スノーピーク」が分譲をはじめて大ゴケ
先日、楽待コラムで面白い記事を目にしました。アウトドア用品で有名なあの「スノーピーク」が、「野きろの杜」というまちづくりプロジェクトを手掛けているものの、上手くいっていないようなんですね。
新潟市西蒲区(にしかんく)というエリアで、地元の不動産会社や建築事務所と協働で分譲地を開発しているのですが、分譲開始から2年以上経つ現在でも、34区画中13区画しか売れていないそうです。
このプロジェクトのコンセプトは、平たく言うと「キャンプ場で暮らす」というものです。
今回は土地の分譲なので、土地を買って建物を建てるわけですが、このコンセプトを守るために、建物には様々なガイドラインがあります。
構造は木造で材料は地産地消でなければいけないとか、隣地との境界に塀や生垣を設けてはいけないとか、土間・ウッドデッキ・庭のどれかを必ず作らなければいけないとか、かなり細かいルールが決められています。
それに加えて価格も高い。
地域の相場と比べて、1.3倍~1.7倍くらいします。
しかも、この分譲地のあるエリアは人口減少が著しく、過去10年間でなんと6.3%も人口が減っているそうです。
つまり、スノーピークは自社のブランド力を全面に押し出して、地域相場の1.5倍という価格で分譲住宅を売ろうとしたわけですね。
これは完全に、「ああ、やっちゃったな・・・」という感じです。
好き放題やってニーズを捉えていない
よく、自分の設計した建物を「作品」と呼ぶ設計事務所の先生がいますが、僕はああいうのが大嫌いです。施主の立場から言うと、あなたの「作品」はあなたのお金で勝手に作ってくれ・・・と思ってしまいます。
今回もケースも似たような感じで、好き勝手やってニーズを捉えられず、全然売れていないというのが実情のように思います。
そもそも、キャンプに行く人たちというのは、非日常を求めているわけです。
それなのに、住む家そのものがキャンプ場みたいだったら、そこにギャップがありませんよね。
「じゃあ最初からキャンプ場に住めばいいじゃん」という話になってしまうし、なんかズレてるな~と感じてしまいます。
自社のブランド力に頼りすぎない
要するに、スノーピークは自社のブランド力を頼りに、畑違いの商品を売ろうとしたわけです。これがそもそもの間違いで、ニーズをきちんと捉えることができませんでした。
もちろん、「ニーズをつくる」というアプローチで攻めるのもアリだとは思います。
「ああ、そんな遊び方があったのか」
「そういう家の形もアリなんだな」
と思わせるような提案であれば、それはそれで面白いと思いますが、あまりにもエンドユーザーのニーズとずれてしまうと、もう立ち直れないくらいの大ゴケをするリスクがあるわけです。
昔、大塚家具が迷走しました。
娘さんが社長になって、先代と対立して、ニトリに対抗するような割安のブランドを打ち出そうとして結局失敗しましたよね。
あれも、やはり自社のブランドを買い被りすぎた結果だったと思います。
マーケティングを通じてニーズをしっかり捉えよう!
基本的にブランドというのは過去の実績の象徴にすぎません。だからこそ、ブランドを過信しないことです。
それよりも、マーケティングを通じてニーズをしっかり捉え、そのニーズに応える商品をつくり、適切な価格で届けることが、ビジネスの基本中の基本だと思います。
いかにブランド力があっても、その基本を外してしまうと結果もついてきません。
ブランドに頼りすぎる企業側も、ブランドを妄信しすぎる消費者側も、どちらもブランドに対する過度な期待は禁物というお話でした。
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