ブログ
銀行が不動産投資をしてはいけない理由。銀行が不動産投資をするとどうなるか?
公開日: 2025年05月31日
▼今日の記事を音声で楽しみたい方はこちら
こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
今回は「銀行が不動産投資をしてはいけない理由」というテーマでお話しします。
2025年5月、北海道財務局が苫小牧信用金庫に業務改善命令を出したというニュースが、不動産業界でちょっとした話題になりました。
というのも、この業務改善命令を出された理由が、
・不動産関連業務を行なっている子会社を隠蔽していた
・自らも不動産賃貸や仲介を行なっていた
というものだったからです。
これらは法律で明確に禁止されていることですが、「なんで銀行は不動産業をしちゃダメなの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実はこれは非常に重要な問題を孕んでいるんですよね。
そこで今回のブログは、苫小牧信用金庫に下りた業務改善命令を参考にしつつ、なぜ銀行や信用金庫が不動産業をしてはいけないのか?について掘り下げてみたいと思います。
本記事をご覧いただければ、
・苫小牧信用金庫が実際に行なっていた手口とは?
・大手都市銀行も同じことをしているのに問題にならないワケ
・銀行から不動産物件を紹介されたときに注意すべきこと
が分かるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
銀行が不動産投資をしてはいけない理由
銀行が不動産投資をしてはいけない理由は、「銀行の立場を悪用して不動産を売ったり貸したりすると、公平な取引が崩れてしまうから」です。
例えば、銀行が不動産仲介業をしたらどういうことが起こるのか?考えてみましょう。
融資がセット販売になってしまう
まず、銀行が取引先に物件を紹介して、もしも融資が付かなかった場合、取引先にしてみれば「融資がつかない物件を紹介するなよ!」と考えます。
銀行としても紹介した手前、融資を断りにくくなりますから、「融資付きの物件」として紹介せざるを得なくなります。
つまり、セット販売のような営業が銀行内で起きてしまうんですね。
不動産の仲介手数料欲しさに貸し出し審査が甘くなる
また、不動産の仲介手数料欲しさに銀行の融資審査が甘くなることが考えられます。
本来独立しているべき「不動産仲介」と「融資」が癒着状態となってしまい、銀行としての健全性が損なわれかねません。
最悪、昭和の不動産バブルのように、銀行が不良債権を抱える原因にもなってしまいます。
以上のような理由から、銀行が不動産業をすることは禁止されているわけです。
苫小牧信用金庫が隠蔽していたこととは?
では、苫小牧信用金庫は具体的にどのようなことを行なっていたのでしょうか?
苫小牧信用金庫は、不動産関連業務を営む会社を実質子会社として保有していました。
さらに、自らも土地を取得して賃貸しており、職員が不動産の仲介をしていました。
また、時価より高い土地や建物を購入して信用金庫に不利益を与えていました。
そして、これらの事実を隠蔽していたという点が明るみに出たことで、金融庁が怒っている・・・という状況です。
大手都市銀行も不動産会社と関わっている?
とはいえ、現実的には銀行が間接的に不動産会社と関わっているケースは珍しくありません。
例えば、三井住友銀行系の京阪神ビルディングやみずほ銀行系のヒューリックなどです。
こういった会社は独立企業であっても、経営陣や株主構成を見れば、銀行と非常に近い関係にあることが分かります。
つまり、銀行と不動産業の完全な線引きは現実的には難しいということです。
ただし、今回の苫小牧信用金庫のように、隠蔽して不動産関連業務をやっていたということは非常に問題です。
グレーゾーンというのはどの業界にも存在します。
不動産に対する融資は金額が大きく、かつ担保も取れて、銀行にとっては貸し倒れリスクの少ない融資先ということになります。
なので、銀行が不動産業と深く関わること自体は、僕は悪だとは思っていません。
ただし、それは法令を遵守して利益相反が起きないという透明性が担保できれば、という話であって、独裁体制で隠蔽しながら不適切な取引を行なうことは問題だと思います。
あなたが銀行から物件を紹介されたらどうする?
2017年〜2018年頃に起きた「かぼちゃの馬車事件」に起因する不正融資問題のように、銀行がグルになって審査資料を改ざんして融資を引き出すような手口がエスカレートしていくと、今回の問題のようなことが起きてしまいます。
また、不動産投資家が銀行から物件を紹介された場合、銀行担当者が隠れて不動産会社からバックマージンをもらっていたりすることもあります。
さらに、購入者の属性が高く自己資金が豊富なのをいいことに、物件価格が市場価格より割高な物件や、厄介な物件を買わせようとしてくるケースもあります。
銀行から直接物件を紹介してもらえるということは、既にかなり太い関係になっているとは思います。
しかし、中にはいい物件だけでなく、厄介な物件を押し付けようとしたり、不正融資に加担させようとしたりするケースも起こり得ますから、注意が必要です。
▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら

▼LINE登録すると最新情報をいち早くゲットできます
こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
今回は「銀行が不動産投資をしてはいけない理由」というテーマでお話しします。
2025年5月、北海道財務局が苫小牧信用金庫に業務改善命令を出したというニュースが、不動産業界でちょっとした話題になりました。
というのも、この業務改善命令を出された理由が、
・不動産関連業務を行なっている子会社を隠蔽していた
・自らも不動産賃貸や仲介を行なっていた
というものだったからです。
これらは法律で明確に禁止されていることですが、「なんで銀行は不動産業をしちゃダメなの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実はこれは非常に重要な問題を孕んでいるんですよね。
そこで今回のブログは、苫小牧信用金庫に下りた業務改善命令を参考にしつつ、なぜ銀行や信用金庫が不動産業をしてはいけないのか?について掘り下げてみたいと思います。
本記事をご覧いただければ、
・苫小牧信用金庫が実際に行なっていた手口とは?
・大手都市銀行も同じことをしているのに問題にならないワケ
・銀行から不動産物件を紹介されたときに注意すべきこと
が分かるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
銀行が不動産投資をしてはいけない理由
銀行が不動産投資をしてはいけない理由は、「銀行の立場を悪用して不動産を売ったり貸したりすると、公平な取引が崩れてしまうから」です。例えば、銀行が不動産仲介業をしたらどういうことが起こるのか?考えてみましょう。
融資がセット販売になってしまう
まず、銀行が取引先に物件を紹介して、もしも融資が付かなかった場合、取引先にしてみれば「融資がつかない物件を紹介するなよ!」と考えます。
銀行としても紹介した手前、融資を断りにくくなりますから、「融資付きの物件」として紹介せざるを得なくなります。
つまり、セット販売のような営業が銀行内で起きてしまうんですね。
不動産の仲介手数料欲しさに貸し出し審査が甘くなる
また、不動産の仲介手数料欲しさに銀行の融資審査が甘くなることが考えられます。
本来独立しているべき「不動産仲介」と「融資」が癒着状態となってしまい、銀行としての健全性が損なわれかねません。
最悪、昭和の不動産バブルのように、銀行が不良債権を抱える原因にもなってしまいます。
以上のような理由から、銀行が不動産業をすることは禁止されているわけです。
苫小牧信用金庫が隠蔽していたこととは?
では、苫小牧信用金庫は具体的にどのようなことを行なっていたのでしょうか?苫小牧信用金庫は、不動産関連業務を営む会社を実質子会社として保有していました。
さらに、自らも土地を取得して賃貸しており、職員が不動産の仲介をしていました。
また、時価より高い土地や建物を購入して信用金庫に不利益を与えていました。
そして、これらの事実を隠蔽していたという点が明るみに出たことで、金融庁が怒っている・・・という状況です。
大手都市銀行も不動産会社と関わっている?
とはいえ、現実的には銀行が間接的に不動産会社と関わっているケースは珍しくありません。例えば、三井住友銀行系の京阪神ビルディングやみずほ銀行系のヒューリックなどです。
こういった会社は独立企業であっても、経営陣や株主構成を見れば、銀行と非常に近い関係にあることが分かります。
つまり、銀行と不動産業の完全な線引きは現実的には難しいということです。
ただし、今回の苫小牧信用金庫のように、隠蔽して不動産関連業務をやっていたということは非常に問題です。
グレーゾーンというのはどの業界にも存在します。
不動産に対する融資は金額が大きく、かつ担保も取れて、銀行にとっては貸し倒れリスクの少ない融資先ということになります。
なので、銀行が不動産業と深く関わること自体は、僕は悪だとは思っていません。
ただし、それは法令を遵守して利益相反が起きないという透明性が担保できれば、という話であって、独裁体制で隠蔽しながら不適切な取引を行なうことは問題だと思います。
あなたが銀行から物件を紹介されたらどうする?
2017年〜2018年頃に起きた「かぼちゃの馬車事件」に起因する不正融資問題のように、銀行がグルになって審査資料を改ざんして融資を引き出すような手口がエスカレートしていくと、今回の問題のようなことが起きてしまいます。また、不動産投資家が銀行から物件を紹介された場合、銀行担当者が隠れて不動産会社からバックマージンをもらっていたりすることもあります。
さらに、購入者の属性が高く自己資金が豊富なのをいいことに、物件価格が市場価格より割高な物件や、厄介な物件を買わせようとしてくるケースもあります。
銀行から直接物件を紹介してもらえるということは、既にかなり太い関係になっているとは思います。
しかし、中にはいい物件だけでなく、厄介な物件を押し付けようとしたり、不正融資に加担させようとしたりするケースも起こり得ますから、注意が必要です。
▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら

▼LINE登録すると最新情報をいち早くゲットできます
