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25年度路線価発表!上昇率No.1はあの村でした!
公開日: 2025年07月03日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
2025年7月1日に路線価の発表がありました。
そこで今回は、
・そもそも「路線価」とは何か?
・長野県白馬村が路線価上昇率トップになったワケ
・路線価上昇によるメリット・デメリット
についてお話しします。ぜひ最後までご覧ください!
「路線価」とは?
「路線価」は相続税や贈与税の算出に使われる指標で、地域ごとの不動産市況を映し出す「地価の通信簿」のような存在です。
毎年1月1日時点の価格を7月に国税庁が発表しています。
3月中旬~下旬に発表される公示地価や、9月に発表される都道府県公示地価は「点(地点)」で評価されますが、「路線価」は読んで字のごとく「道路に面している土地の評価」をするため、非常に便利に使用されます。
公示地価や都道府県公示地価の公示ポイントは、例えば〇丁目の範囲に対して2つ3つ程度しかないので、自分の土地がどれぐらいの価値があるのかを計算しづらくなっています。
その点、「路線価」はその土地が面する路線(道路)に価格が付けられるので、ピンポイントで土地のポテンシャルが分かるということです。
そのため、不動産投資家にとってこの路線価は投資の判断に欠かすことのできない指標です。
2025年の路線価はどうだった?
さて、2025年のデータがどうだったかというと、全国平均で2.7%上昇し、4年連続の上昇となりました。
これは2010年以降で最大の伸び率ということで、まだまだ土地の価格は上昇し続けているという印象です。
要因の一つとして、大都市近郊での再開発が活発化しているということがあります。
これに引っ張られて郊外の住宅地にも波及効果が出てきており、こうした追い風を背景に毎年路線価が上昇しているわけです。
とりわけ際立ったのが東京都で、なんと前年比8.1%の上昇率でした。これは全国の中でトップの上昇率です。
なぜこんなに東京都の路線価が上昇しているのかというと、やはり「インバウンド需要による急回復」が一番の理由でしょう。
特に観光地の需要が高まっていて、地方のリゾート地でも路線価が上昇しています。
2つ目の理由としては、再開発エリアのマンション価格の高騰で、これも路線価に反映されています。
路線価上昇率トップは「長野県白馬村」
ニュース報道では、「全国で1番高い土地はココ!」といって、よく銀座の一等地が紹介されますが、実は「上昇率」でいえば、ナンバーワンは都心ではなく地方です。
今年度の路線価上昇率で全国トップになったのは長野県の白馬村でした。
前年比でなんとプラス32.4%と、たった一年で3割以上も値段が上がっているんですね。
では、なぜ今になって白馬村の地価がこんなに上昇しているのでしょうか。
それは「第2のニセコ」として、夏も賑わう通年型リゾートとして色々な開発が行われているからです。
海外資本によるホテルの開業ラッシュにはじまり、冬場はもちろんのこと夏場も観光客が押し寄せていて、400万円でも買い手が付かなかったペンションが、なんと1億円以上で取引されている・・・という異常な賑わいです。
背景には先ほども言った外資の流入があり、特にシンガポールの投資グループが別荘を購入して開発しています。
これまではニセコが人気でしたが、今は白馬村が世界中の富裕層から注目されているんですね。
ニセコや白馬で1億円や2億円の別荘と聞いても日本人にはピンと来ないかもしれませんが、世界的に見ればまだまだ安い価格水準です。
例えば、スイスのアルプスにあるツェルマットやシャモニーのようなリゾート地の物件価格は3億円~5億円が相場です。
つまり、外国人の目には白馬村は“簡単に手が届く絶景リゾート”に映るわけです。
ニセコはすでに地価が高騰していますが、最近は富良野も海外投資家が入ってきて地価が上昇しています。
日本の地方リゾートはまだまだ開発の余地がある「ブルーオーシャン」になっているんですね。
地方が生き残るには外資をうまく利用する必要がある
こういった報道を見て、「外国人に日本が乗っ取られる」といった危機感を抱く人は多いでしょう。
しかし、地方はどんどん過疎化が進んでいきますから、このまま何もしなければ廃れていくだけです。
そうならないためにも、いかに外資をうまく取り込んでいくかを考える「したたかな戦略」が必要になってくると思います。
問題は企画力です。
僕は今までたくさん海外に行って様々なデベロッパーを見てきていますが、果たして日本の不動産会社や地方自治体に「白馬村を第2のニセコとして仕立て上げる」だけの発想と行動力があるのか?甚だ疑問です。
むしろ、海外の開発資本の方が日本の魅力を充分に引き出してくれるのではないか・・・と思っています。
日本人は「日本が外資に乗っ取られる!」などと思うのではなく、上手にしたたかに外国資本を取り込んで、「利用していく」といった戦略が必要なのではないでしょうか。
路線価上昇によるメリット・デメリット
一方、「路線価が上がって景気がいい」というような報道がされており、「路線価が上がる = いいことばかり」と思われがちですが、当然これには光と影が存在します。
路線価の上昇が与える良い側面
路線価が上昇すると銀行担保も上昇しますから、お金を借りやすくなるというメリットがあります。
また、土地を売却する際に利益が出やすい、土地を高く売りやすいということがあります。
路線価の上昇が与える悪い側面
路線価は相続税や贈与税の計算の基準になるため、路線価が上がると相続税の課税世帯が多くなります。
国にとっては税収が増えていいかもしれませんが、一般の人にとっては税負担が重くなる可能性が高いということです。
また、固定資産税も増額していきます。
路線価は固定資産税の計算基準ではありませんが、地価が上昇していけば、固定資産税を決める固定資産税評価額も当然上昇しますので、関連して固定資産税の負担増につながります。
さらに、「路線価の上昇=土地価格の上昇」ということになるので住民生活にも影響が出てきます。
つまり、賃貸の賃料が上がったり、物価が上がったりといった問題が出てくるということです。
加えて建築費も高くなっていきますから、これからは土地を仕入れて・開発して・販売するデベロッパーにとってなかなか物件を仕込みづらいという局面に入ってくると思います。
ですから、僕はこのまま路線価が上昇し続けるかどうかは疑問に感じています。
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
2025年7月1日に路線価の発表がありました。
そこで今回は、
・そもそも「路線価」とは何か?
・長野県白馬村が路線価上昇率トップになったワケ
・路線価上昇によるメリット・デメリット
についてお話しします。ぜひ最後までご覧ください!
「路線価」とは?
「路線価」は相続税や贈与税の算出に使われる指標で、地域ごとの不動産市況を映し出す「地価の通信簿」のような存在です。毎年1月1日時点の価格を7月に国税庁が発表しています。
3月中旬~下旬に発表される公示地価や、9月に発表される都道府県公示地価は「点(地点)」で評価されますが、「路線価」は読んで字のごとく「道路に面している土地の評価」をするため、非常に便利に使用されます。
公示地価や都道府県公示地価の公示ポイントは、例えば〇丁目の範囲に対して2つ3つ程度しかないので、自分の土地がどれぐらいの価値があるのかを計算しづらくなっています。
その点、「路線価」はその土地が面する路線(道路)に価格が付けられるので、ピンポイントで土地のポテンシャルが分かるということです。
そのため、不動産投資家にとってこの路線価は投資の判断に欠かすことのできない指標です。
2025年の路線価はどうだった?
さて、2025年のデータがどうだったかというと、全国平均で2.7%上昇し、4年連続の上昇となりました。これは2010年以降で最大の伸び率ということで、まだまだ土地の価格は上昇し続けているという印象です。
要因の一つとして、大都市近郊での再開発が活発化しているということがあります。
これに引っ張られて郊外の住宅地にも波及効果が出てきており、こうした追い風を背景に毎年路線価が上昇しているわけです。
とりわけ際立ったのが東京都で、なんと前年比8.1%の上昇率でした。これは全国の中でトップの上昇率です。
なぜこんなに東京都の路線価が上昇しているのかというと、やはり「インバウンド需要による急回復」が一番の理由でしょう。
特に観光地の需要が高まっていて、地方のリゾート地でも路線価が上昇しています。
2つ目の理由としては、再開発エリアのマンション価格の高騰で、これも路線価に反映されています。
路線価上昇率トップは「長野県白馬村」
ニュース報道では、「全国で1番高い土地はココ!」といって、よく銀座の一等地が紹介されますが、実は「上昇率」でいえば、ナンバーワンは都心ではなく地方です。今年度の路線価上昇率で全国トップになったのは長野県の白馬村でした。
前年比でなんとプラス32.4%と、たった一年で3割以上も値段が上がっているんですね。
では、なぜ今になって白馬村の地価がこんなに上昇しているのでしょうか。
それは「第2のニセコ」として、夏も賑わう通年型リゾートとして色々な開発が行われているからです。
海外資本によるホテルの開業ラッシュにはじまり、冬場はもちろんのこと夏場も観光客が押し寄せていて、400万円でも買い手が付かなかったペンションが、なんと1億円以上で取引されている・・・という異常な賑わいです。
背景には先ほども言った外資の流入があり、特にシンガポールの投資グループが別荘を購入して開発しています。
これまではニセコが人気でしたが、今は白馬村が世界中の富裕層から注目されているんですね。
ニセコや白馬で1億円や2億円の別荘と聞いても日本人にはピンと来ないかもしれませんが、世界的に見ればまだまだ安い価格水準です。
例えば、スイスのアルプスにあるツェルマットやシャモニーのようなリゾート地の物件価格は3億円~5億円が相場です。
つまり、外国人の目には白馬村は“簡単に手が届く絶景リゾート”に映るわけです。
ニセコはすでに地価が高騰していますが、最近は富良野も海外投資家が入ってきて地価が上昇しています。
日本の地方リゾートはまだまだ開発の余地がある「ブルーオーシャン」になっているんですね。
地方が生き残るには外資をうまく利用する必要がある
こういった報道を見て、「外国人に日本が乗っ取られる」といった危機感を抱く人は多いでしょう。しかし、地方はどんどん過疎化が進んでいきますから、このまま何もしなければ廃れていくだけです。
そうならないためにも、いかに外資をうまく取り込んでいくかを考える「したたかな戦略」が必要になってくると思います。
問題は企画力です。
僕は今までたくさん海外に行って様々なデベロッパーを見てきていますが、果たして日本の不動産会社や地方自治体に「白馬村を第2のニセコとして仕立て上げる」だけの発想と行動力があるのか?甚だ疑問です。
むしろ、海外の開発資本の方が日本の魅力を充分に引き出してくれるのではないか・・・と思っています。
日本人は「日本が外資に乗っ取られる!」などと思うのではなく、上手にしたたかに外国資本を取り込んで、「利用していく」といった戦略が必要なのではないでしょうか。
路線価上昇によるメリット・デメリット
一方、「路線価が上がって景気がいい」というような報道がされており、「路線価が上がる = いいことばかり」と思われがちですが、当然これには光と影が存在します。路線価の上昇が与える良い側面
路線価が上昇すると銀行担保も上昇しますから、お金を借りやすくなるというメリットがあります。
また、土地を売却する際に利益が出やすい、土地を高く売りやすいということがあります。
路線価の上昇が与える悪い側面
路線価は相続税や贈与税の計算の基準になるため、路線価が上がると相続税の課税世帯が多くなります。
国にとっては税収が増えていいかもしれませんが、一般の人にとっては税負担が重くなる可能性が高いということです。
また、固定資産税も増額していきます。
路線価は固定資産税の計算基準ではありませんが、地価が上昇していけば、固定資産税を決める固定資産税評価額も当然上昇しますので、関連して固定資産税の負担増につながります。
さらに、「路線価の上昇=土地価格の上昇」ということになるので住民生活にも影響が出てきます。
つまり、賃貸の賃料が上がったり、物価が上がったりといった問題が出てくるということです。
加えて建築費も高くなっていきますから、これからは土地を仕入れて・開発して・販売するデベロッパーにとってなかなか物件を仕込みづらいという局面に入ってくると思います。
ですから、僕はこのまま路線価が上昇し続けるかどうかは疑問に感じています。
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