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高齢者の賃貸受け入れに関する新制度についてわかりやすく解説します!

公開日: 2025年07月23日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

現在、日本は超高齢社会の真っ只中にあります。

単身の高齢者・低所得の高齢者が増えており、こういった方々の住宅確保が困難になるケースは、今後さらに増えていくことが予想されています。

そんな中、2025年10月から改正「住宅セーフティネット法」がスタートします。

今回の改正は、僕たち賃貸オーナーや不動産管理業者にとっても大きなターニングポイントになりそうです。

そこで今回は、高齢者の賃貸受け入れにおける新たな動きについて解説しようと思います。ぜひ最後までご覧ください。


従来の高齢者受け入れが困難だった理由
高齢の入居者を敬遠する3つの理由
改正住宅セーフティネット法の4つのポイント
1. 終身建物賃貸借の利用促進
2. 残置物処理の仕組み整備
3. 家賃債務保証業者の認定制度の創設
4. 居住サポート住宅の普及
オーナーに求められること
まとめ

 

従来の高齢者受け入れが困難だった理由

今回の改正内容を端的に言えば、高齢者が賃貸物件を借りやすくなるという話です。

というのも、これまで多くの賃貸オーナーは高齢の入居者を敬遠する傾向にありました。

その理由としては、大きく次の3点が挙げられます。

 

高齢の入居者を敬遠する3つの理由


1. 孤独死のリスクと残置物の負担
 •    孤独死が発生した場合の対応負担
 •    残置物処理の問題

2. 家賃滞納と保証人確保の難しさ
 •    収入面での不安
 •    身元保証人の確保が困難

3. コミュニケーションの難しさによる、万が一の際の問題解決の困難さ
 •    年齢を重ねることで生じる様々なトラブル
 •    問題解決が難しくなる可能性

僕個人としては高齢者の入居をお断りしておらず、90代の方にも入居していただいています。

しかし、多くの大家さんは上記のような理由で、高齢者の入居を拒否する傾向が強いのではないでしょうか。
 

改正住宅セーフティネット法の4つのポイント

こういった問題を解決すべく、改正住宅セーフティネット法が10月にスタートします。

改正のポイントは大きく4つあります。

 

1. 終身建物賃貸借の利用促進


まず、入居者の死亡とともに賃貸借が終了する終身建物賃貸借の許可手続きが簡素化されます。

通常の賃貸借は賃借人の死亡によって終了せず、賃借権も相続の対象となります。

オーナーとしては、賃借人が死亡したら賃貸借契約を終了させたいところですが、終了させることができないという問題があったんですね。

しかし、終身建物賃貸借契約であれば、入居者の死亡とともに賃貸借を終了させることができるようになります。

高齢の入居者との契約制度として、今後はこういった賃貸借契約を広げていこうという動きがあります。

 

2. 残置物処理の仕組み整備


また、これまでは高齢入居者が亡くなった際の残置物の処理が問題になっていました。

所有者である入居者が亡くなったからといって、オーナーが勝手に処分することはできないため、実務的な負担が大きかったんですよね。

そこで今回の改正では、居住支援法人が残置物処理を正式に担えるよう制度化されます。

これによって、僕たちオーナーの負担が軽減される可能性があります。

 

3. 家賃債務保証業者の認定制度の創設


高齢者や低所得者でも家賃滞納保証に入りやすく、審査が通りやすくなることが期待されます。

 

4. 居住サポート住宅の普及


見守りや安否確認、福祉サービスとの連携を含めたサポート付き住宅の普及が推進されていきます。
 

オーナーに求められること

こういった制度が整備されることで、オーナーとしては一定の安心感が得られる反面、オーナー自身の制度の理解や利用者への説明、配慮といった丁寧さがこれまで以上に重要になってきます。

特に、高齢者は契約内容について誤解をしやすいものです。

こういったトラブルを未然に防ぐためにも、本人やそのご家族、あるいは支援者への十分な説明が求められてくるでしょう。
 

まとめ

というわけで、今回は「高齢者の賃貸受け入れ」に関する新制度について解説しました。

僕たちオーナーには、高齢者の方々が安心して暮らせる住宅を提供するという社会的使命があります。

逆にここまで高齢化が進むと、高齢者を無視した賃貸経営は今後成り立たなくなると言ってもいいでしょう。

今回の改正は、「貸したいとは思うけど不安・・・」というオーナーの状況を制度面でフォローしてくれる試みです。

制度を正しく理解し、利用しながら高齢者を受け入れていくことが、賃貸経営の成長戦略にもなると思います。

現場の運用とのバランスを取りつつ、住まいに困っている人に対して安心してアパートを貸し出せる社会を、僕たちオーナーや管理業者の手で作っていきましょう。


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