ブログ

相続登記の義務化から一年。今どうなってるの?

公開日: 2025年07月31日

▼今日の記事を音声で楽しみたい方はこちら


こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

2024年4月1日より、相続登記が義務化されました。

この法改正の最大の目的は、長年の課題だった「所有者不明の土地問題の解消」です。

土地の所有者が不明のままになっていると、固定資産税の徴収できなかったり、土地が適正に管理されずに近隣に迷惑が及んでしまったり、公共工事や災害復旧、土地開発等が進まないといったことがあるため、きちんと相続登記をしましょうというお話です。

通常、不動産の所有権の移転登記には「登録免許税」が課税されます。

しかし、この制度を後押しするために、2027年3月31日までの間は個人所有の不動産の相続における「登録免許税」は免税されることになっています。

そんな相続登記の義務化がはじまって一年が経過したわけですが、現状はいったいどうなっているのでしょうか。

そこで今回のブログでは、

・相続登記の義務化とは?
・相続が起きたら行なうべきこと
・相続登記の義務化は不動産投資家にとってポジティブな理由

について解説します。ぜひ最後までご覧ください。

 

相続登記の義務化とは?

相続登記が義務化されたことにより、不動産を相続した場合には、3年以内に相続登記を行なわなければいけないということになりました。

それまでは義務ではなかったため、みんなスルーしてしまっていたんですよね。

ちなみに、この相続登記を怠った場合には「10万円以下の過料」が科されます。

そして、これは2024年4月1日に施行された法律ですが、施行日より前の相続案件も対象で、2027年3月31日までに登記を完了させなければならないということになっています。

 

相続登記義務化の実態

では、この法律が施行されて一年が経過した今、どうなっているのでしょうか。

意外にも相続登記は進んでいないようです。

ある民間の調査によると、相続登記の義務化を知っていると答えた人は、相続の経験者で67.9%、相続をまだ経験していない人で29.7%ということで、相続を経験した人であっても3割以上が知らないという結果が出ています。

このままでは、「義務化されているなんて知らなかった・・・」ということで、10万円の過料を科されてしまう人が続出しかねません。

この制度を有効に機能させるためには、自治体の広報の強化が不可欠だと思います。

 

相続登記の義務化によって詐欺も発生している

また、最近はこれに便乗した悪徳商法や詐欺的行為も報告されているそうです。

どういう事例かというと、

・「格安で登記代行しますよ」というので依頼をしたら、後に高額請求された
・買収話を持ちかけられたが、コンサルティングの手付金だけ詐取された

など、もっと大きな案件になると、おそらく地面師詐欺のような事件も起こってくると思います。

こういったリスクを避けるためにも、相続が起きたら必ず移転登記をするようにしましょう。

また、相続税の課税対象であってもなくても、司法書士など然るべきところへ必ず相談することが重要だと思います。

 

不動産投資家にとってはチャンス到来

では、相続の登記義務化というのは、不動産投資家にとって何か影響はあるのでしょうか。

不動産投資家にとって、相続登記の義務化というのはむしろ「チャンス」だと思います。

今はまだ制度自体が周知されていないので、今後広まっていくかどうかはまだ様子を見ないとわかりませんが、この制度がしっかり機能すれば、不動産がより正確に登記されるようになると思います。

我々不動産投資家にとっては、不動産の所有者が誰なのかをリアルタイムで見られるようになりますから、安心して買える物件が増えてくるでしょう。

また、これまで登記されていなかった土地が市場に出てくる可能性もあります。

たまにいい物件があって登記情報を調べてみると、亡くなった方の名義のままになっていて、実際の所有者が誰なのかがわからないというケースがありました。

しかし、今後はこういったケースが少なくなってくると思います。

また、これは余談ですが、僕が昔ゼネコンの営業をしていた頃、古いアパートや駐車場の登記簿謄本を調べて「アパートを建てませんか?」というDMを送る、という業務を行なっていました。

するとある時、「もうおじいちゃんは死んでるんだから、DMなんか送ってくるな!」と怒りの電話が来たことがあります。

義務化によって登記が進んでいけば、営業マンのこういったストレスは少なくなるのかもしれませんね。

 

行政にも課題アリ。制度設計の見直しを

とにかく、今は相続登記が義務化となっていますから、今後、あなたが実家を相続する場合には「必ず移転登記をする」と、スケジュールに組み込んでおくべきです。

そして、僕は行政の方にも根本的な課題があると思っていて、制度設計の見直しが必要だと思います。

具体的には、相続税がかかる人もかからない人も、すべての人が相続税の申告をするようにすればいいと思います。

相続税を払わなくていい人にとっては手間かもしれませんが、不動産の登記漏れをなくすという観点では必要ではないでしょうか。

また、今、相続登記の申請はオンラインでも可能ですが、専用のソフトや電子証明が必要だったりして、誰でも簡単に利用できる仕様になっていません。

ここが大きな問題だと思うので、オンライン申請をもっと簡素化するべきでしょう。

この辺の改善が出来れば、登記の義務化も100%に近づいていくのではないかと思います。

とにもかくにも、相続登記が進むことによって不動産取引の透明性が高まり、より健全な市場形成に繋がっていくのは確かですので、我々不動産投資家にとっては比較的ポジティブな話題と言えるでしょう。


▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら

▼LINE登録すると最新情報をいち早くゲットできます