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建設業界がサグラダファミリア化するワケ
公開日: 2025年09月18日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
今日は、日本の建設業界のサグラダファミリア化、またはガウディ化についてお話ししたいと思います。
日本の建設業界が抱える問題は、サグラダファミリアが抱えていた問題と一緒なんです。
一体どういうこと??と思われた方は、ぜひ本記事を最後まで読み進めてみてください。
サグラダファミリアの壮大な建設史
なぜこれほど時間がかかったのか
日本の建設業界の現状-サグラダファミリア化の兆候
都内の再開発案件、相次ぐ頓挫
新興国でよく見る光景
個人的な体験談-昔から長期化していた建設工事
今後の予測と対策
サグラダファミリアの壮大な建設史
皆さんご存知のとおり、スペインのバルセロナにはサグラダファミリアという聖堂があります。
この建物はガウディが設計して1882年に工事が始まり、未だに建築中です。実に140年以上も完成していないままなのです。
ところが、最近になって驚きのニュースが飛び込んできました。
なんと、このサグラダファミリアの主要部分が遂に2026年に完成予定というのです。
設計したガウディが亡くなってからも工事が延々と続いていたというのはすごいことですよね。
しかも、当時の図面などは戦争で焼けてしまい、元の設計がよく分からない状態でした。
それでも弟子たちがその設計を引き継いで、なんとかここまで建築を続けてきたというわけです。
本当に140年間も建築中だったというのは信じられないことですよね。
なぜこれほど時間がかかったのか
では、なぜこんなにも時間がかかってしまったのでしょうか。
設計や彫刻の複雑さもあると思いますが、最大の理由は建築資金がなかったということなんですね。
サグラダファミリアは、寄付金と観光客の入場料で資金を調達し、建築を継続させてきました。
2025年の今も建築費がめちゃくちゃ高騰していますが、1882年に着工してから140年間のインフレ率を考えると、かなりの建築費高騰をくぐり抜けて、建築を継続させているわけです。
日本の建設業界の現状 - サグラダファミリア化の兆候
さて、そんなサグラダファミリア完成のニュースを聞いた時に、僕は最近の日本の建築業界の現状を思い出しました。
昨今の日本の建築業界も、建築費高騰で大変なことになっています。
そのため、今後は日本の新築物件もサグラダファミリア化するのではないかと思ったのです。
都内の再開発案件、相次ぐ頓挫
実際、最近は都内の再開発プロジェクトが続々と頓挫しています。
例えば、中野サンプラザの再開発では、費用が当初の想定の約2倍になるという話になってしまい、ゼネコンが手を引いてプロジェクトが中止となりました。
また、新宿駅南口の再開発は、解体は終わっているのですが施工するゼネコンが見つからず、完成時期は未定です。
これらは、建築費の高騰、人手不足、働き方改革による残業規制、土日工事の制限などの影響でコストが重なり、ゼネコンが「その金額ではできません」と投げ出していることによるものです。
そうでなくても、現在ゼネコン各社は工事で手一杯の状況なので、これ以上の受注ができないという事情もありますよね。
新興国でよく見る光景
こういった状態は海外でよく目にします。
フィリピン、ベトナム、ミャンマー、タイ、マレーシアといった新興国では、躯体だけが出来上がった状態で工事がストップしている建物がたくさんあります。
新興国はインフレ経済が常ですから、当初決めた請負金額では建築ができなくなり、工事が中断されることは珍しくありません。
お金がもらえないのに、ゼネコンも施工を継続できませんからね。
小さな物件では、1階部分だけを完成させておいて、2階以上は鉄筋だけむき出しにしておいて、資金が貯まったら建て増しするような物件もたくさんあります。
まさに、資金が入るたびに少しずつ完成させていくサグラダファミリア方式だったりするわけです。
個人的な体験談 - 昔から長期化していた建設工事
実は、僕の実家も大して大きくはない木造の家なのですが、完成まで1年もかかりました。
僕が中学1年生の時に新築されたのですが、バブル崩壊の約6年前のすごく景気の良かった時代です。
本来なら4~5ヶ月あれば十分な規模なのに、職人が他に何件も掛け持ちしていたので、工期が1年ぐらいかかりました。
でも、当時はそれが当たり前だったんですね。
今の日本もこんな感じに戻るような気がしています。あるいはもっと深刻化するかもしれません。
今後の予測と対策
今後、資材価格は高騰し続けます。そして、工期が伸びるほどコストは膨張します。
最終的には、総工費を事前に確定しないで着工し、資金ができたら工事を進めるサグラダファミリア方式が日本の建設業界にも広がっていくような気がちょっとしています。
そこまではいかないかもしれませんが、サグラダファミリア完成のニュースを聞いた時に、僕はふと日本の建築業界が抱える問題と重ね合わせてしまいました。
この問題は本当に根深い問題なので、どうなるか分かりません。
ただ、1つ言えることとしては、完成時期の読めない新築プロジェクトに投資するのは避けた方がいいということです。
その代わり、手堅く回せる、既に存在している中古物件に目を向けた方がいいでしょう。
新築物件が建てられないとなれば中古物件もそれなりに高くなってくるとは思いますが、古い物件を購入して再生させるという手法を身につけておかないと、僕たちは生き延びていけない、勝ち残っていけないと思います。
引き続き「ボロを買って綺麗に直す」という方向で頑張るのがいいのではないかなと思います。
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
今日は、日本の建設業界のサグラダファミリア化、またはガウディ化についてお話ししたいと思います。
日本の建設業界が抱える問題は、サグラダファミリアが抱えていた問題と一緒なんです。
一体どういうこと??と思われた方は、ぜひ本記事を最後まで読み進めてみてください。
サグラダファミリアの壮大な建設史
なぜこれほど時間がかかったのか
日本の建設業界の現状-サグラダファミリア化の兆候
都内の再開発案件、相次ぐ頓挫
新興国でよく見る光景
個人的な体験談-昔から長期化していた建設工事
今後の予測と対策
サグラダファミリアの壮大な建設史
皆さんご存知のとおり、スペインのバルセロナにはサグラダファミリアという聖堂があります。この建物はガウディが設計して1882年に工事が始まり、未だに建築中です。実に140年以上も完成していないままなのです。
ところが、最近になって驚きのニュースが飛び込んできました。
なんと、このサグラダファミリアの主要部分が遂に2026年に完成予定というのです。
設計したガウディが亡くなってからも工事が延々と続いていたというのはすごいことですよね。
しかも、当時の図面などは戦争で焼けてしまい、元の設計がよく分からない状態でした。
それでも弟子たちがその設計を引き継いで、なんとかここまで建築を続けてきたというわけです。
本当に140年間も建築中だったというのは信じられないことですよね。
なぜこれほど時間がかかったのか
では、なぜこんなにも時間がかかってしまったのでしょうか。
設計や彫刻の複雑さもあると思いますが、最大の理由は建築資金がなかったということなんですね。
サグラダファミリアは、寄付金と観光客の入場料で資金を調達し、建築を継続させてきました。
2025年の今も建築費がめちゃくちゃ高騰していますが、1882年に着工してから140年間のインフレ率を考えると、かなりの建築費高騰をくぐり抜けて、建築を継続させているわけです。
日本の建設業界の現状 - サグラダファミリア化の兆候
さて、そんなサグラダファミリア完成のニュースを聞いた時に、僕は最近の日本の建築業界の現状を思い出しました。昨今の日本の建築業界も、建築費高騰で大変なことになっています。
そのため、今後は日本の新築物件もサグラダファミリア化するのではないかと思ったのです。
都内の再開発案件、相次ぐ頓挫
実際、最近は都内の再開発プロジェクトが続々と頓挫しています。
例えば、中野サンプラザの再開発では、費用が当初の想定の約2倍になるという話になってしまい、ゼネコンが手を引いてプロジェクトが中止となりました。
また、新宿駅南口の再開発は、解体は終わっているのですが施工するゼネコンが見つからず、完成時期は未定です。
これらは、建築費の高騰、人手不足、働き方改革による残業規制、土日工事の制限などの影響でコストが重なり、ゼネコンが「その金額ではできません」と投げ出していることによるものです。
そうでなくても、現在ゼネコン各社は工事で手一杯の状況なので、これ以上の受注ができないという事情もありますよね。
新興国でよく見る光景
こういった状態は海外でよく目にします。
フィリピン、ベトナム、ミャンマー、タイ、マレーシアといった新興国では、躯体だけが出来上がった状態で工事がストップしている建物がたくさんあります。
新興国はインフレ経済が常ですから、当初決めた請負金額では建築ができなくなり、工事が中断されることは珍しくありません。
お金がもらえないのに、ゼネコンも施工を継続できませんからね。
小さな物件では、1階部分だけを完成させておいて、2階以上は鉄筋だけむき出しにしておいて、資金が貯まったら建て増しするような物件もたくさんあります。
まさに、資金が入るたびに少しずつ完成させていくサグラダファミリア方式だったりするわけです。
個人的な体験談 - 昔から長期化していた建設工事
実は、僕の実家も大して大きくはない木造の家なのですが、完成まで1年もかかりました。僕が中学1年生の時に新築されたのですが、バブル崩壊の約6年前のすごく景気の良かった時代です。
本来なら4~5ヶ月あれば十分な規模なのに、職人が他に何件も掛け持ちしていたので、工期が1年ぐらいかかりました。
でも、当時はそれが当たり前だったんですね。
今の日本もこんな感じに戻るような気がしています。あるいはもっと深刻化するかもしれません。
今後の予測と対策
今後、資材価格は高騰し続けます。そして、工期が伸びるほどコストは膨張します。最終的には、総工費を事前に確定しないで着工し、資金ができたら工事を進めるサグラダファミリア方式が日本の建設業界にも広がっていくような気がちょっとしています。
そこまではいかないかもしれませんが、サグラダファミリア完成のニュースを聞いた時に、僕はふと日本の建築業界が抱える問題と重ね合わせてしまいました。
この問題は本当に根深い問題なので、どうなるか分かりません。
ただ、1つ言えることとしては、完成時期の読めない新築プロジェクトに投資するのは避けた方がいいということです。
その代わり、手堅く回せる、既に存在している中古物件に目を向けた方がいいでしょう。
新築物件が建てられないとなれば中古物件もそれなりに高くなってくるとは思いますが、古い物件を購入して再生させるという手法を身につけておかないと、僕たちは生き延びていけない、勝ち残っていけないと思います。
引き続き「ボロを買って綺麗に直す」という方向で頑張るのがいいのではないかなと思います。
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