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大家さんの孤独死対策「死後事務委任契約」とは?
公開日: 2025年09月20日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
ご存知のとおり、日本では少子高齢化が急速に進んでいます。今後、単身の高齢者の入居はますます増えていくでしょう。
僕自身、単身の高齢者を積極的に受け入れている大家の一人ですが、絶対に避けて通れないのが“孤独死”というリスクです。
孤独死が発生すると、残置物の処理や原状回復が困難になって、次の入居者募集に支障が出る可能性があります。
また、亡くなった高齢者の相続人が不明な場合には、法的トラブルに発展するケースもあります。
こうしたリスクが気になってしまい、「高齢の入居者を避けたい」と考える大家さんは多いでしょう。
とはいえ、高齢者が今後も増えていくことは確実です。
大家としては、どうやってリスク管理をして、安心・安全なアパートを高齢者に提供できるか?という点が重要な課題になってくるはずです。
そこで今回は、先日の全国賃貸住宅新聞さんでも記事になっていた「死後事務委任契約」についてお話ししようと思います。ぜひ最後までご覧ください。
国交省・法務省による新しいモデル契約
安心・安全なアパートを高齢の入居者に提供するための5つのポイント
1. 入居条件として死後事務委任契約を導入
2. 定期借家契約の必須導入
3. 家賃保証会社との提携
4. 孤独死保険の活用
5. 定期的なヒアリングの実施
今後の展望と社会的責任
国交省・法務省による新しいモデル契約
孤独死のリスクに対応するために、国交省と法務省が「死後事務委任契約」のモデル契約を公開しています。正式には「残置物の処理等に関するモデル契約条項」といいます。
通常は入居者が亡くなると、賃貸借権も相続人に相続されます。
入居者が亡くなったからといって、大家さんが勝手に賃貸借契約を解除することはできませんし、残置物を処分することもできません。
相続人の同意が必要になるのですが、相続人が誰か分からないケースもあったりして、これが結構大変なんですね。
そこで、このモデル契約を使って、入居の際にあらかじめ“受任者”を決めておくことで、万が一入居者が死亡した場合でも、大家さんがスムーズに原状回復を進めることができるようにしようということです。
最近は、高齢者や生活保護受給者の入居に対し、この契約を入居条件にしている管理会社も増えてきています。
全賃さんの記事によると、ある管理会社は死後事務委任契約を50件締結したそうですが、実際に5件で残置物の処理を代理で実行したということです。
また、孤独死保険を併用することで、原状回復費用も賄えたようです。
安心・安全なアパートを高齢の入居者に提供するための5つのポイント
これを踏まえて、僕たち大家さんはどのようにして安心・安全なアパートを高齢の入居者に提供できるのでしょうか。
ポイントを具体的に解説していきましょう。
1. 入居条件として死後事務委任契約を導入
まず、入居条件として死後事務委任契約を導入しましょう。
この委託を受任できるのは、基本的には居住支援法人になります。
大家さんが直接受任者になることも物理的には可能ですが、国は推奨していません。利益相反の恐れがあるからですね。
ですので、居住支援法人や管理会社などの第三者に委託するのが望ましいとされています。
居住支援法人とは、居住支援を行なう法人として都道府県知事が指定した一般社団法人やNPO法人などです。
こういったところに相談をして受任してもらい、委任契約を結ぶことで、万が一孤独死があった場合でも契約解除や残置物処理をスムーズに実行できるというわけです。
2. 定期借家契約の必須導入
2つ目は、賃貸借契約は必ず定期借家契約で結ぶようにしましょう。
定期借家契約は、期間満了と同時に契約が解除になります。
孤独死が発生した後にもしトラブルがあったとしても、定期借家契約であれば長期化のリスクを抑えることができます。
3. 家賃保証会社との提携
3つ目は、家賃保証会社と提携するということです。
高齢者に対応した家賃保証会社もありますので、残置物の処分費用も保証範囲に含まれているプランを選択するのが良いでしょう。
また、2025年10月1日から施行される住宅セーフティネット制度では、住宅確保要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者の認定制度が創設されます。
4. 孤独死保険の活用
4つ目は孤独死保険です。
遺品の処分費用や、万が一事故物件になってしまった場合の特殊清掃費用までカバーできる保険を選んでおくのが良いでしょう。
5. 定期的なヒアリングの実施
最後のポイントとして重要なのは、入居時・契約更新時(再契約時)のヒアリングです。
最近の体調や最新の緊急連絡先、親族関係がどうなっているかなどを聞いておきましょう。
そうすることで、万が一孤独死が発生した場合、大家さん側でも迅速に対応することができます。
とはいえ、身寄りがない人でも、死後事務委任契約をして居住支援法人の支援を受け、見守り制度を活用していけば、大家さんのリスクはだいぶ軽減できると思います。
今後の展望と社会的責任
死というものは事故ではなく自然現象です。
高齢者に限らず、誰もがいつ死ぬか分からないというリスクを背負っていますが、やはり高齢になればなるほど死亡のリスクは高くなってきます。
大家さんがノーガードでそういった方々を受け入れてしまうと、対応に時間がかかってしまい、解決まで家賃収入が入ってこない可能性もあります。
そんなリスクに向き合うためには、今回説明した死後事務委任契約、孤独死保険、滞納保証という3点セットを活用するようにしましょう。
そうして極限までリスクを軽減していけば、高齢者にも安心して住んでいただけると思います。
今後、外国人や高齢者の入居者は確実に増えていきます。
だからこそ事前に対策を打ち、彼らを積極的に受け入れていくことで、大家さんが社会的な責任を果たすことができれば良いと思います。
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
ご存知のとおり、日本では少子高齢化が急速に進んでいます。今後、単身の高齢者の入居はますます増えていくでしょう。
僕自身、単身の高齢者を積極的に受け入れている大家の一人ですが、絶対に避けて通れないのが“孤独死”というリスクです。
孤独死が発生すると、残置物の処理や原状回復が困難になって、次の入居者募集に支障が出る可能性があります。
また、亡くなった高齢者の相続人が不明な場合には、法的トラブルに発展するケースもあります。
こうしたリスクが気になってしまい、「高齢の入居者を避けたい」と考える大家さんは多いでしょう。
とはいえ、高齢者が今後も増えていくことは確実です。
大家としては、どうやってリスク管理をして、安心・安全なアパートを高齢者に提供できるか?という点が重要な課題になってくるはずです。
そこで今回は、先日の全国賃貸住宅新聞さんでも記事になっていた「死後事務委任契約」についてお話ししようと思います。ぜひ最後までご覧ください。
国交省・法務省による新しいモデル契約
安心・安全なアパートを高齢の入居者に提供するための5つのポイント
1. 入居条件として死後事務委任契約を導入
2. 定期借家契約の必須導入
3. 家賃保証会社との提携
4. 孤独死保険の活用
5. 定期的なヒアリングの実施
今後の展望と社会的責任
国交省・法務省による新しいモデル契約
孤独死のリスクに対応するために、国交省と法務省が「死後事務委任契約」のモデル契約を公開しています。正式には「残置物の処理等に関するモデル契約条項」といいます。通常は入居者が亡くなると、賃貸借権も相続人に相続されます。
入居者が亡くなったからといって、大家さんが勝手に賃貸借契約を解除することはできませんし、残置物を処分することもできません。
相続人の同意が必要になるのですが、相続人が誰か分からないケースもあったりして、これが結構大変なんですね。
そこで、このモデル契約を使って、入居の際にあらかじめ“受任者”を決めておくことで、万が一入居者が死亡した場合でも、大家さんがスムーズに原状回復を進めることができるようにしようということです。
最近は、高齢者や生活保護受給者の入居に対し、この契約を入居条件にしている管理会社も増えてきています。
全賃さんの記事によると、ある管理会社は死後事務委任契約を50件締結したそうですが、実際に5件で残置物の処理を代理で実行したということです。
また、孤独死保険を併用することで、原状回復費用も賄えたようです。
安心・安全なアパートを高齢の入居者に提供するための5つのポイント
これを踏まえて、僕たち大家さんはどのようにして安心・安全なアパートを高齢の入居者に提供できるのでしょうか。ポイントを具体的に解説していきましょう。
1. 入居条件として死後事務委任契約を導入
まず、入居条件として死後事務委任契約を導入しましょう。
この委託を受任できるのは、基本的には居住支援法人になります。
大家さんが直接受任者になることも物理的には可能ですが、国は推奨していません。利益相反の恐れがあるからですね。
ですので、居住支援法人や管理会社などの第三者に委託するのが望ましいとされています。
居住支援法人とは、居住支援を行なう法人として都道府県知事が指定した一般社団法人やNPO法人などです。
こういったところに相談をして受任してもらい、委任契約を結ぶことで、万が一孤独死があった場合でも契約解除や残置物処理をスムーズに実行できるというわけです。
2. 定期借家契約の必須導入
2つ目は、賃貸借契約は必ず定期借家契約で結ぶようにしましょう。
定期借家契約は、期間満了と同時に契約が解除になります。
孤独死が発生した後にもしトラブルがあったとしても、定期借家契約であれば長期化のリスクを抑えることができます。
3. 家賃保証会社との提携
3つ目は、家賃保証会社と提携するということです。
高齢者に対応した家賃保証会社もありますので、残置物の処分費用も保証範囲に含まれているプランを選択するのが良いでしょう。
また、2025年10月1日から施行される住宅セーフティネット制度では、住宅確保要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者の認定制度が創設されます。
4. 孤独死保険の活用
4つ目は孤独死保険です。
遺品の処分費用や、万が一事故物件になってしまった場合の特殊清掃費用までカバーできる保険を選んでおくのが良いでしょう。
5. 定期的なヒアリングの実施
最後のポイントとして重要なのは、入居時・契約更新時(再契約時)のヒアリングです。
最近の体調や最新の緊急連絡先、親族関係がどうなっているかなどを聞いておきましょう。
そうすることで、万が一孤独死が発生した場合、大家さん側でも迅速に対応することができます。
とはいえ、身寄りがない人でも、死後事務委任契約をして居住支援法人の支援を受け、見守り制度を活用していけば、大家さんのリスクはだいぶ軽減できると思います。
今後の展望と社会的責任
死というものは事故ではなく自然現象です。高齢者に限らず、誰もがいつ死ぬか分からないというリスクを背負っていますが、やはり高齢になればなるほど死亡のリスクは高くなってきます。
大家さんがノーガードでそういった方々を受け入れてしまうと、対応に時間がかかってしまい、解決まで家賃収入が入ってこない可能性もあります。
そんなリスクに向き合うためには、今回説明した死後事務委任契約、孤独死保険、滞納保証という3点セットを活用するようにしましょう。
そうして極限までリスクを軽減していけば、高齢者にも安心して住んでいただけると思います。
今後、外国人や高齢者の入居者は確実に増えていきます。
だからこそ事前に対策を打ち、彼らを積極的に受け入れていくことで、大家さんが社会的な責任を果たすことができれば良いと思います。
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