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外国人の不動産購入に新たな規制の動き
公開日: 2025年11月27日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
先日、「外国人が不動産を購入する際に、登記簿に国籍の登記を義務付ける方向で政府が検討を始めた」という報道がありました。
今回は、この新たな動きの背景や問題点、今後の方向性について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
現行の登記制度の問題点
登記簿の構成と現状
規制強化の背景
不動産価格の高騰と外国人投資家
外国人による不動産購入の実態
新制度の課題
①遡及適用ができない
②法人名義で購入される場合の対応
③価格高騰抑制効果は限定的
外国人所有不動産に関する税務上の問題
所得税の徴収における問題点
相続税の徴収における問題点
今後の対策の方向性
まとめ
現行の登記制度の問題点
まず、現行の登記制度について簡単におさらいしておきましょう。
登記簿の構成と現状
現在、不動産登記簿は以下の3つで構成されています。
• 表題部:土地や建物の基本情報(地目・面積など)
• 甲区:所有者に関する情報
• 乙区:抵当権などの担保に関する情報
現行制度では、甲区に記載される所有者情報は「氏名と住所のみ」で、国籍の記載は不要です。
そのため、
• 所有者が外国籍か日本国籍か?
• 日本国内の不動産を外国人がどれくらい所有しているのか?
を正確に把握することができませんでした。
名前を見て外国人かどうかを推測できるケースはあるかもしれませんが、日本国籍を取得した外国出身者の可能性もあります。
この点を改善するために、国籍記載義務化が検討されているのです。
規制強化の背景
では、この背景には何があるのでしょうか?
不動産価格の高騰と外国人投資家
近年、日本のマンション価格は高騰し続けています。
特に白馬、ニセコ、富良野のようなリゾート地では、外国人投資家の積極的な買いが価格上昇の一因となっています。
政府が国籍記載を義務化するのは、外国人投資家の実態を把握し、過度な投機を抑制することが目的とされています。
外国人による不動産購入の実態
実際、2025年1月~6月に東京都内の新築マンションで外国に住所がある人が取得した割合は3%だったそうです。
意外と少ないと思われたかもしれませんが、この数字には「日本在住の外国人」は含まれていません。
住所が国内にある外国人が購入しているケースもあるため、実際の外国人購入比率は、現行データより高い可能性があります。
そこで、国籍を登記させれば、より実態に近い数字を把握できるようになるというわけです。
新制度の課題
ただ、この制度にはいくつか問題があると考えられます。
①遡及適用ができない
まず、過去のデータを遡れないということです。
すでに登記されている物件について国籍情報を追記するよう遡及して適用するのは、現実的には不可能です。
そのため、対応が後手に回っている感が否めません。
②法人名義で購入される場合の対応
次に、法人で購入しているケースへの対応です。
非居住の外国人が日本で法人を設立し、その法人名で購入している場合、国籍をどうするのかという問題があります。
会社の代表者の国籍も登記させるということで対応可能かもしれませんが、名義貸しで日本人が代表取締役だった場合、実質的には外国資本の法人が購入していても把握できないという問題が残ってしまいます。
③価格高騰抑制効果は限定的
そもそも、外国人の実態を把握したい理由の一つに、不動産価格の高騰が止まらない点が挙げられます。
不動産価格が高騰している理由の一つとして、転売や投機目的での不動産購入があるわけですが、国籍を登記させたところで、これらを抑制する効果は限定的だと思います。
また、価格高騰が収まる効果はほぼないでしょう。
外国人所有不動産に関する税務上の問題
今回の新制度にはこのようにいくつか課題がありますが、一方で今後の徴税強化のためのデータ収集目的としては十分だと思います。
例えば、外国人の所得税や相続税の徴収にあたっては、現状では以下のような問題があります。
所得税の徴収における問題点
以前のブログでも解説しましたが、外国人オーナーが日本の不動産を賃貸に出す場合、一定の条件を除き、借主側が賃料の20%を源泉徴収する義務があります。
例:家賃10万円
→借主は源泉2万円を差し引いた8万円をオーナーへ支払う
→借主は源泉2万円を税務署へ納付
外国人オーナーがこの2万円を取り戻したい場合は、確定申告しなければなりません。
しかし、実際にはこれが徹底されず、課税漏れが生じている可能性があります。
相続税の徴収における問題点
外国人が非居住のまま日本に資産を持っていた場合も相続税の対象ですが、実際のところ、税金を徴収することは難しい状況です。
なぜなら、相続税は申告納税方式なので、納税を逃れて海外に行ってしまった場合、税務署は外国まで行って税金を徴収することはできないからです。
今後の対策の方向性
こうした問題があるため、外国人の購入実態をできるだけ正確に把握するという意味で、国籍を登記させるのは良い流れだと思います。
転売や投機のための不動産購入を抑制するためには、日本も海外と同じように、外国人の不動産購入者に対しては、購入時に高い不動産取得税を課すべきです。
最初に高額な不動産取得税を徴収してしまい、一定期間経過後に売却した際に精算するというルールにすれば、買うだけ買って転売し、税金を納めずに消える・・・という行為を防ぐことができるのではないでしょうか。
まとめ
以上、今回は「外国人の不動産購入に新たな規制の動き」というテーマで解説しました。
高市政権になって、外国人の不動産取得問題については政府が深く切り込んでいくと思います。
日本人が不動産を買えなくなる、家を買えなくなるという事態にならないように、先手先手でこうした規制を強化していっていただければと思います。
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
先日、「外国人が不動産を購入する際に、登記簿に国籍の登記を義務付ける方向で政府が検討を始めた」という報道がありました。
今回は、この新たな動きの背景や問題点、今後の方向性について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
現行の登記制度の問題点
登記簿の構成と現状
規制強化の背景
不動産価格の高騰と外国人投資家
外国人による不動産購入の実態
新制度の課題
①遡及適用ができない
②法人名義で購入される場合の対応
③価格高騰抑制効果は限定的
外国人所有不動産に関する税務上の問題
所得税の徴収における問題点
相続税の徴収における問題点
今後の対策の方向性
まとめ
現行の登記制度の問題点
まず、現行の登記制度について簡単におさらいしておきましょう。登記簿の構成と現状
現在、不動産登記簿は以下の3つで構成されています。
• 表題部:土地や建物の基本情報(地目・面積など)
• 甲区:所有者に関する情報
• 乙区:抵当権などの担保に関する情報
現行制度では、甲区に記載される所有者情報は「氏名と住所のみ」で、国籍の記載は不要です。
そのため、
• 所有者が外国籍か日本国籍か?
• 日本国内の不動産を外国人がどれくらい所有しているのか?
を正確に把握することができませんでした。
名前を見て外国人かどうかを推測できるケースはあるかもしれませんが、日本国籍を取得した外国出身者の可能性もあります。
この点を改善するために、国籍記載義務化が検討されているのです。
規制強化の背景
では、この背景には何があるのでしょうか?不動産価格の高騰と外国人投資家
近年、日本のマンション価格は高騰し続けています。
特に白馬、ニセコ、富良野のようなリゾート地では、外国人投資家の積極的な買いが価格上昇の一因となっています。
政府が国籍記載を義務化するのは、外国人投資家の実態を把握し、過度な投機を抑制することが目的とされています。
外国人による不動産購入の実態
実際、2025年1月~6月に東京都内の新築マンションで外国に住所がある人が取得した割合は3%だったそうです。
意外と少ないと思われたかもしれませんが、この数字には「日本在住の外国人」は含まれていません。
住所が国内にある外国人が購入しているケースもあるため、実際の外国人購入比率は、現行データより高い可能性があります。
そこで、国籍を登記させれば、より実態に近い数字を把握できるようになるというわけです。
新制度の課題
ただ、この制度にはいくつか問題があると考えられます。①遡及適用ができない
まず、過去のデータを遡れないということです。
すでに登記されている物件について国籍情報を追記するよう遡及して適用するのは、現実的には不可能です。
そのため、対応が後手に回っている感が否めません。
②法人名義で購入される場合の対応
次に、法人で購入しているケースへの対応です。
非居住の外国人が日本で法人を設立し、その法人名で購入している場合、国籍をどうするのかという問題があります。
会社の代表者の国籍も登記させるということで対応可能かもしれませんが、名義貸しで日本人が代表取締役だった場合、実質的には外国資本の法人が購入していても把握できないという問題が残ってしまいます。
③価格高騰抑制効果は限定的
そもそも、外国人の実態を把握したい理由の一つに、不動産価格の高騰が止まらない点が挙げられます。
不動産価格が高騰している理由の一つとして、転売や投機目的での不動産購入があるわけですが、国籍を登記させたところで、これらを抑制する効果は限定的だと思います。
また、価格高騰が収まる効果はほぼないでしょう。
外国人所有不動産に関する税務上の問題
今回の新制度にはこのようにいくつか課題がありますが、一方で今後の徴税強化のためのデータ収集目的としては十分だと思います。例えば、外国人の所得税や相続税の徴収にあたっては、現状では以下のような問題があります。
所得税の徴収における問題点
以前のブログでも解説しましたが、外国人オーナーが日本の不動産を賃貸に出す場合、一定の条件を除き、借主側が賃料の20%を源泉徴収する義務があります。
例:家賃10万円
→借主は源泉2万円を差し引いた8万円をオーナーへ支払う
→借主は源泉2万円を税務署へ納付
外国人オーナーがこの2万円を取り戻したい場合は、確定申告しなければなりません。
しかし、実際にはこれが徹底されず、課税漏れが生じている可能性があります。
相続税の徴収における問題点
外国人が非居住のまま日本に資産を持っていた場合も相続税の対象ですが、実際のところ、税金を徴収することは難しい状況です。
なぜなら、相続税は申告納税方式なので、納税を逃れて海外に行ってしまった場合、税務署は外国まで行って税金を徴収することはできないからです。
今後の対策の方向性
こうした問題があるため、外国人の購入実態をできるだけ正確に把握するという意味で、国籍を登記させるのは良い流れだと思います。転売や投機のための不動産購入を抑制するためには、日本も海外と同じように、外国人の不動産購入者に対しては、購入時に高い不動産取得税を課すべきです。
最初に高額な不動産取得税を徴収してしまい、一定期間経過後に売却した際に精算するというルールにすれば、買うだけ買って転売し、税金を納めずに消える・・・という行為を防ぐことができるのではないでしょうか。
まとめ
以上、今回は「外国人の不動産購入に新たな規制の動き」というテーマで解説しました。高市政権になって、外国人の不動産取得問題については政府が深く切り込んでいくと思います。
日本人が不動産を買えなくなる、家を買えなくなるという事態にならないように、先手先手でこうした規制を強化していっていただければと思います。
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