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残価設定型住宅ローン(残クレマイホーム)は普及するのか?
公開日: 2025年12月18日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
現在、国土交通省の主導で、住宅購入における新しい仕組み「残価設定型住宅ローン(残クレマイホーム)」の導入が検討されています。
自動車業界では「残クレアルファード」などの言葉で一般的になっているこの仕組みが、いよいよ住宅分野にも適用されようとしています。
そこで本日は、残クレマイホームとは何か?住宅購入でこの仕組みは普及するのか?について詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
残価設定型住宅ローン(残クレ)の仕組み
なぜ今、国がこの制度を推進するのか
「残クレマイホーム」が主流にならない4つの理由
1. 残価部分にも金利が発生する
2. 残価評価が極めて保守的(低め)になる
3. 金利が高く設定される可能性
4. 賃貸よりも割高になる恐れ
まとめ
残価設定型住宅ローン(残クレ)の仕組み
「残クレ」とは、将来の売却を前提に、将来の予想査定額を「残価」としてあらかじめ設定するローンです。
購入価格から「残価」を差し引いた金額のみを分割で返済し、据え置いた残価分は元金を返済しないため、毎月の支払額を安く抑えることができます。
車の場合は「新しい車への乗り換え」「返却」「買い取り」などを選択しますが、住宅版でも同様に、死亡/住み替え時に、最終的には物件を売却して残債を回収するようなスキームが想定されています。
なぜ今、国がこの制度を推進するのか
国はなぜ、このタイミングでこの制度を推進し始めたのでしょうか。
背景には、近年の深刻な住宅価格の高騰があります。
ここ20年間で住宅価格は約2倍に跳ね上がり、借入額の平均は5,800万円、年収倍率も約10倍に達しています。
すでに「50年ローン」という商品も登場していますが、それも限界を迎えています。
一般的なローンでは家を買えない人が急増しているため、国として「買えるように見せる仕組み」を作る必要に迫られているのです。
「残クレマイホーム」が主流にならない4つの理由
では、「残クレマイホーム」は本当に普及するのでしょうか。
僕は、この制度は一部で利用される可能性はあるものの、決して主流にはならない、と考えています。その理由は主に以下の4点です。
1. 残価部分にも金利が発生する
多くの人が誤解しがちですが、据え置いている「残価」に対しても利息は発生します。
金利は残価を含めた総額に対してかかるため、返済していない元金に対しても延々と利息を払い続けなければなりません。
住宅は車と比べて金額も返済期間も桁違いであるため、最終的なトータルコストは相当な金額に膨らむことが予想されます。
2. 残価評価が極めて保守的(低め)になる
銀行は、絶対に損をする設定をしません。
そのため、数十年後の買い取り保証額(担保評価)は、時価の半分程度など、かなり保守的な価格に設定される可能性が高いでしょう。
また、対象は「長期優良住宅」に限定され、定期的なメンテナンスが義務付けられるはずです。
もし老朽化などで評価が設定額を下回れば、追加費用の支払いが発生するリスクもあります。
3. 金利が高く設定される可能性
残価設定型ローンは商品設計が複雑であり、金融機関にとっては将来の価格変動というリスクを負うことになります。
リスクが不透明な分、そのコストは「金利の上乗せ」という形で消費者に転嫁される可能性が高いと考えられます。
4. 賃貸よりも割高になる恐れ
ここまで説明した「残価への利息」「保守的な評価」「高めの金利設定」といった要因が重なると、結果として一生賃貸で暮らすよりも、残クレマイホームの方がトータルコストが高くなってしまう可能性があります。
まとめ
というわけで今回は、「残クレマイホームは普及するのか?」というテーマで解説しました。
「残クレ」という仕組みに抵抗がない層には一定の需要があるかもしれませんが、金融リテラシーの高い人がこの制度を選ぶことはまずないでしょう。
住宅ローンは、いわば「人生の壮大な前借り」です。
自分の実力以上のローンを組むべきではありません。
ギリギリの資金計画で背伸びしてマイホームを買うよりも、人生全体に「余白」を残した生き方の方が、結果として豊かな暮らしにつながるのではないでしょうか。
無理をして残クレでマイホームを購入するくらいなら、実力がつくまで賃貸で過ごす方が、賢明な判断だと僕は考えています。
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
現在、国土交通省の主導で、住宅購入における新しい仕組み「残価設定型住宅ローン(残クレマイホーム)」の導入が検討されています。
自動車業界では「残クレアルファード」などの言葉で一般的になっているこの仕組みが、いよいよ住宅分野にも適用されようとしています。
そこで本日は、残クレマイホームとは何か?住宅購入でこの仕組みは普及するのか?について詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
残価設定型住宅ローン(残クレ)の仕組み
なぜ今、国がこの制度を推進するのか
「残クレマイホーム」が主流にならない4つの理由
1. 残価部分にも金利が発生する
2. 残価評価が極めて保守的(低め)になる
3. 金利が高く設定される可能性
4. 賃貸よりも割高になる恐れ
まとめ
残価設定型住宅ローン(残クレ)の仕組み
「残クレ」とは、将来の売却を前提に、将来の予想査定額を「残価」としてあらかじめ設定するローンです。購入価格から「残価」を差し引いた金額のみを分割で返済し、据え置いた残価分は元金を返済しないため、毎月の支払額を安く抑えることができます。
車の場合は「新しい車への乗り換え」「返却」「買い取り」などを選択しますが、住宅版でも同様に、死亡/住み替え時に、最終的には物件を売却して残債を回収するようなスキームが想定されています。
なぜ今、国がこの制度を推進するのか
国はなぜ、このタイミングでこの制度を推進し始めたのでしょうか。背景には、近年の深刻な住宅価格の高騰があります。
ここ20年間で住宅価格は約2倍に跳ね上がり、借入額の平均は5,800万円、年収倍率も約10倍に達しています。
すでに「50年ローン」という商品も登場していますが、それも限界を迎えています。
一般的なローンでは家を買えない人が急増しているため、国として「買えるように見せる仕組み」を作る必要に迫られているのです。
「残クレマイホーム」が主流にならない4つの理由
では、「残クレマイホーム」は本当に普及するのでしょうか。僕は、この制度は一部で利用される可能性はあるものの、決して主流にはならない、と考えています。その理由は主に以下の4点です。
1. 残価部分にも金利が発生する
多くの人が誤解しがちですが、据え置いている「残価」に対しても利息は発生します。
金利は残価を含めた総額に対してかかるため、返済していない元金に対しても延々と利息を払い続けなければなりません。
住宅は車と比べて金額も返済期間も桁違いであるため、最終的なトータルコストは相当な金額に膨らむことが予想されます。
2. 残価評価が極めて保守的(低め)になる
銀行は、絶対に損をする設定をしません。
そのため、数十年後の買い取り保証額(担保評価)は、時価の半分程度など、かなり保守的な価格に設定される可能性が高いでしょう。
また、対象は「長期優良住宅」に限定され、定期的なメンテナンスが義務付けられるはずです。
もし老朽化などで評価が設定額を下回れば、追加費用の支払いが発生するリスクもあります。
3. 金利が高く設定される可能性
残価設定型ローンは商品設計が複雑であり、金融機関にとっては将来の価格変動というリスクを負うことになります。
リスクが不透明な分、そのコストは「金利の上乗せ」という形で消費者に転嫁される可能性が高いと考えられます。
4. 賃貸よりも割高になる恐れ
ここまで説明した「残価への利息」「保守的な評価」「高めの金利設定」といった要因が重なると、結果として一生賃貸で暮らすよりも、残クレマイホームの方がトータルコストが高くなってしまう可能性があります。
まとめ
というわけで今回は、「残クレマイホームは普及するのか?」というテーマで解説しました。「残クレ」という仕組みに抵抗がない層には一定の需要があるかもしれませんが、金融リテラシーの高い人がこの制度を選ぶことはまずないでしょう。
住宅ローンは、いわば「人生の壮大な前借り」です。
自分の実力以上のローンを組むべきではありません。
ギリギリの資金計画で背伸びしてマイホームを買うよりも、人生全体に「余白」を残した生き方の方が、結果として豊かな暮らしにつながるのではないでしょうか。
無理をして残クレでマイホームを購入するくらいなら、実力がつくまで賃貸で過ごす方が、賢明な判断だと僕は考えています。
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