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アパートで相続対策が通用しなくなる話
公開日: 2026年07月16日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
今日は、相続税の「5年ルール」についてお話ししたいと思います。
相続対策で不動産を持っている方、これから不動産で相続対策をしようと考えている方には、けっこう痛い話になってきます。
何が変わるのか
事の発端は、令和8年度の税制改正大綱です。
ここに、相続税の世界では長年当たり前だった「あるスキーム」に、強烈にブレーキをかける改正が盛り込まれました。
これがいわゆる「5年ルール」です。
内容はシンプルで、相続が始まる前の5年以内に取得または新築した貸付用の不動産は、路線価ではなく「時価」で評価する、というものです。
適用は2027年(令和9年)1月1日以後の相続・贈与からです。
時価といっても実務上は、取得価額をベースに地価変動などを考慮した「取得価額のおおむね80%」が目安になる見込みです。
では、これがなぜ効くのでしょうか。
従来、更地に借入れで賃貸マンションを建てると、土地は貸家建付地、建物は貸家として評価され、路線価や固定資産税評価額をベースに相続税評価額を大きく圧縮できました。
市場でいくらで取引される物件でも、相続税の計算上はぐっと低く見てもらえるわけです。
この「時価と評価額の差(評価差額)」を借入れとセットで使うのが、相続対策の王道スキームだったんですね。
ところが5年ルールが入ると、取得してすぐに相続が起きたケースでは、この評価圧縮がほぼ効かなくなります。
2024年にタワマンの評価が見直されたのを覚えている方も多いと思いますが、あの流れの「本丸バージョン」がいよいよ来た、という感覚です。
実際、相続税はどれくらい増えるのか
抽象論だとピンと来ないので、具体的な数字で見てみましょう。
1億円を借入れて、土地・建物あわせて2億円の賃貸マンションを建てたケースです。
(相続人はお子さん1人、この物件が主な財産という前提で単純化しています)
改正前(現行)の場合
・相続税評価額:1億2,400万円
・借入金を差し引いた純資産:2,400万円
・基礎控除(3,600万円)後:0円
・相続税額:0円
改正後(5年以内取得)の場合
・相続税評価額:1億6,000万円(時価の約80%)
・借入金を差し引いた純資産:6,000万円
・基礎控除(3,600万円)後:2,400万円
・相続税額:約310万円
改正前なら、評価額1億2,400万円から借入金1億円を引いた純資産は2,400万円。
基礎控除の3,600万円以下におさまるので、相続税はゼロでした。
ところが改正後は、同じ物件が時価の約1億6,000万円で評価されます。
借入金1億円を引いても純資産は6,000万円。
基礎控除を差し引いた2,400万円に税金がかかり、相続税はおよそ310万円です。
ゼロだったものが、いきなり300万円超です。
評価額でみればおよそ2.5倍、税額でみればゼロか数百万円か、という差になります。
これ、けっこうな衝撃ではないでしょうか。
しかも今回は、相続対策として売られている不動産小口化商品も、保有期間に関係なく時価評価の方向とされています。
こちらは評価圧縮効果がほぼ消える見込みで、影響はさらに大きいと僕は見ています。
では、どう構えるか
こういう話をすると「じゃあ不動産の相続対策はもう終わりか」と言われますが、そこまでではありません。
ポイントは、5年を超えて保有していれば、原則これまでどおり路線価などで評価される見込みだということです。
つまり不利になるのは「取得してすぐ相続が起きる」ケースであって、早めに取得して長く持つのであれば、従来どおりの効果は残ります。
相続対策は「思い立ってから慌ててやる」ものから、「元気なうちに、時間をかけて仕込む」ものへと、性格が変わったと考えておくのがいいと思います。
まだ、ひと波乱あるかもしれない
ここまでは「5年ルールはほぼ決まり」という前提で話してきました。
実際、大綱に盛り込まれた時点で、この流れはほぼ確定路線という空気でした。
ところが、ここに来て雲行きが少し変わってきています。
自民党のちんたい議連(賃貸住宅対策議員連盟)が、動き出したのです。
議連は、相続開始前から事業的規模で賃貸業を営んでいた人については、5年以内の取得でも従来どおりの評価にすべきだという要望を出しました。
通常の買い替えまで「節税目的」と一括りにするのはおかしい、という立場です。
座長には古賀篤衆院議員が就き、会長には石破茂衆院議員が復帰。
自民党最大級の議員連盟が本腰を入れてきた格好です。
これがどう転ぶかは、正直まだ読めません。
要望どおり事業的規模が例外として認められれば、実務の景色はかなり変わります。
場合によっては、もう少し広い範囲で元の路線価評価に戻る——いわば「元の鞘に収まる」可能性も、ゼロではないと僕は見ています。
もちろん、要望はあくまで要望で、このまま原案どおり突き進む可能性のほうがまだ高いのも事実です。
だからこそ、ここは決めつけずに続報を追う局面だと思っています。
いずれにしても、相続対策で貸付用不動産を検討している方は、まずこの改正を前提に組み直しておく。
そのうえで議連の動きを横目で追う、というのが現実的です。
とくに「そろそろ対策を」と考えていた高齢のオーナーさんほど、5年という時間が効いてきます。
まずは、いま持っている物件がいつ取得したものか、相続を見据えるならあと何年あるのか——そこを一度、棚卸ししてみてください。
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
今日は、相続税の「5年ルール」についてお話ししたいと思います。
相続対策で不動産を持っている方、これから不動産で相続対策をしようと考えている方には、けっこう痛い話になってきます。
何が変わるのか
事の発端は、令和8年度の税制改正大綱です。ここに、相続税の世界では長年当たり前だった「あるスキーム」に、強烈にブレーキをかける改正が盛り込まれました。
これがいわゆる「5年ルール」です。
内容はシンプルで、相続が始まる前の5年以内に取得または新築した貸付用の不動産は、路線価ではなく「時価」で評価する、というものです。
適用は2027年(令和9年)1月1日以後の相続・贈与からです。
時価といっても実務上は、取得価額をベースに地価変動などを考慮した「取得価額のおおむね80%」が目安になる見込みです。
では、これがなぜ効くのでしょうか。
従来、更地に借入れで賃貸マンションを建てると、土地は貸家建付地、建物は貸家として評価され、路線価や固定資産税評価額をベースに相続税評価額を大きく圧縮できました。
市場でいくらで取引される物件でも、相続税の計算上はぐっと低く見てもらえるわけです。
この「時価と評価額の差(評価差額)」を借入れとセットで使うのが、相続対策の王道スキームだったんですね。
ところが5年ルールが入ると、取得してすぐに相続が起きたケースでは、この評価圧縮がほぼ効かなくなります。
2024年にタワマンの評価が見直されたのを覚えている方も多いと思いますが、あの流れの「本丸バージョン」がいよいよ来た、という感覚です。
実際、相続税はどれくらい増えるのか
抽象論だとピンと来ないので、具体的な数字で見てみましょう。1億円を借入れて、土地・建物あわせて2億円の賃貸マンションを建てたケースです。
(相続人はお子さん1人、この物件が主な財産という前提で単純化しています)
改正前(現行)の場合
・相続税評価額:1億2,400万円
・借入金を差し引いた純資産:2,400万円
・基礎控除(3,600万円)後:0円
・相続税額:0円
改正後(5年以内取得)の場合
・相続税評価額:1億6,000万円(時価の約80%)
・借入金を差し引いた純資産:6,000万円
・基礎控除(3,600万円)後:2,400万円
・相続税額:約310万円
改正前なら、評価額1億2,400万円から借入金1億円を引いた純資産は2,400万円。
基礎控除の3,600万円以下におさまるので、相続税はゼロでした。
ところが改正後は、同じ物件が時価の約1億6,000万円で評価されます。
借入金1億円を引いても純資産は6,000万円。
基礎控除を差し引いた2,400万円に税金がかかり、相続税はおよそ310万円です。
ゼロだったものが、いきなり300万円超です。
評価額でみればおよそ2.5倍、税額でみればゼロか数百万円か、という差になります。
これ、けっこうな衝撃ではないでしょうか。
しかも今回は、相続対策として売られている不動産小口化商品も、保有期間に関係なく時価評価の方向とされています。
こちらは評価圧縮効果がほぼ消える見込みで、影響はさらに大きいと僕は見ています。
では、どう構えるか
こういう話をすると「じゃあ不動産の相続対策はもう終わりか」と言われますが、そこまでではありません。ポイントは、5年を超えて保有していれば、原則これまでどおり路線価などで評価される見込みだということです。
つまり不利になるのは「取得してすぐ相続が起きる」ケースであって、早めに取得して長く持つのであれば、従来どおりの効果は残ります。
相続対策は「思い立ってから慌ててやる」ものから、「元気なうちに、時間をかけて仕込む」ものへと、性格が変わったと考えておくのがいいと思います。
まだ、ひと波乱あるかもしれない
ここまでは「5年ルールはほぼ決まり」という前提で話してきました。実際、大綱に盛り込まれた時点で、この流れはほぼ確定路線という空気でした。
ところが、ここに来て雲行きが少し変わってきています。
自民党のちんたい議連(賃貸住宅対策議員連盟)が、動き出したのです。
議連は、相続開始前から事業的規模で賃貸業を営んでいた人については、5年以内の取得でも従来どおりの評価にすべきだという要望を出しました。
通常の買い替えまで「節税目的」と一括りにするのはおかしい、という立場です。
座長には古賀篤衆院議員が就き、会長には石破茂衆院議員が復帰。
自民党最大級の議員連盟が本腰を入れてきた格好です。
これがどう転ぶかは、正直まだ読めません。
要望どおり事業的規模が例外として認められれば、実務の景色はかなり変わります。
場合によっては、もう少し広い範囲で元の路線価評価に戻る——いわば「元の鞘に収まる」可能性も、ゼロではないと僕は見ています。
もちろん、要望はあくまで要望で、このまま原案どおり突き進む可能性のほうがまだ高いのも事実です。
だからこそ、ここは決めつけずに続報を追う局面だと思っています。
いずれにしても、相続対策で貸付用不動産を検討している方は、まずこの改正を前提に組み直しておく。
そのうえで議連の動きを横目で追う、というのが現実的です。
とくに「そろそろ対策を」と考えていた高齢のオーナーさんほど、5年という時間が効いてきます。
まずは、いま持っている物件がいつ取得したものか、相続を見据えるならあと何年あるのか——そこを一度、棚卸ししてみてください。
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