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高齢者を受け入れない大家は責められるべきか?

公開日: 2026年09月25日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

先日、僕のアパートで定期借家契約の再契約がありました。

入居者さんは、90歳のおばあちゃんです。

僕の物件は、高齢者であろうが、条件に合う方は受け入れる方針でやっています。

ただその一方で、夏場に孤独死が起きて、発見が遅れ、原状回復に本当に苦労した経験もあります。

受け入れる側の怖さも、身をもって知っているつもりです。

そんな中、最近は「高齢者が部屋を借りられない」というニュースを目にすることが増えてきました。

高齢者向けの不動産会社R65の調査では、65歳以上で部屋探しをした人のうち30.4%が年齢を理由に入居を断られた経験があるそうです。

直近1年に部屋探しをした人に限ると、36.7%。

制度は整ってきているのに、借りづらさはむしろ強まっているんですね。

一方、国土交通省の2021年度の調査では、大家の約7割が、高齢者に貸すことに「拒否感がある」と答えています。

こうした数字が並ぶと、どうしても「断る大家が悪い」という空気になりがちです。

ここで多くの方が思うのは、「じゃあ、高齢者を入れない大家は責められるべきなのか?」ということではないでしょうか。

そこで今日は、大家の立場から、この問題を正直に考えてみたいと思います。

 

大家が怖がっているのは「年齢」ではありません

まず、大家が何を怖がっているのかを整理しておきましょう。

 

孤独死


1つ目は、孤独死です。

亡くなること自体は誰にも止められませんが、発見が遅れると特殊清掃が必要になり、原状回復費は一気に膨らみます。

次の入居者を決めるために家賃を下げざるを得ないこともあります。

 

契約が終わらない


2つ目は、契約が終わらないことです。

あまり知られていないようですが、実は賃借権は相続の対象になります。

入居者さんが亡くなっても、賃貸借契約は自動的には終わらないんですね。

相続人が見つからなければ、部屋の中の荷物、いわゆる残置物も大家が勝手に処分することはできません。

 

身寄りがない


3つ目は、身寄りがないことです。

保証人がいない、緊急連絡先を書ける人がいない。

何かあったときに、誰に連絡すればいいのかわからないわけです。

つまり、大家が怖がっているのは「年齢」そのものではなく、何かあったときに、そのリスクを全部自分一人でかぶることになるという点なのです。

 

僕は、一方的に責めるのは違うと思います

結論を言うと、高齢者を入れない大家を一方的に責めるのは、僕は違うと思っています。

というのも、大家の多くは福祉事業者ではなく、ローンを抱えて賃貸経営をしている個人事業主だからです。

1室で孤独死が起きて、数か月の空室と数百万円の原状回復がのしかかれば、返済が苦しくなる大家さんは少なくありません。

正直に言えば、僕が高齢者を受け入れられているのは、物件のローンを完済していて、長く空室が出ても経営が揺らがないからでもあります。

余裕のある僕が、ギリギリで回している大家さんに「なぜ受け入れないんだ」と言うのは、ちょっと酷ですよね。

本来、住まいに困っている人を支えるのは社会全体の役割のはずです。

それを、個人の大家の善意と覚悟だけに頼ってきた。

問題の根っこは、大家個人の意識よりも、この構造のほうにあったと僕は見ています。

ただ、「責められるべきではない」だけで話を終わらせてしまうと、何も変わりません。

 

「断るしかない理由」は、確実に減ってきています

しかし、ここ数年で、大家がひとりで抱えていたリスクを分け合う仕組みが、かなり整ってきました。

大きかったのが、2025年10月に施行された改正住宅セーフティネット法です。

ポイントは次の4つです。

・入居者が亡くなったら契約が終わる「終身建物賃貸借」の手続きが簡素化された。
・居住支援法人が残置物の処理を担えるようになった。
・高齢者でも使いやすい家賃債務保証業者を国が認定する制度ができた。
・見守り・安否確認付きの「居住サポート住宅」が創設された。

さきほどの「大家が怖がっている3つ」と見比べてみてください。

孤独死には見守り、契約が終わらない問題には終身建物賃貸借、残置物には居住支援法人、身寄りがない問題には認定保証業者。

大家の不安の一つひとつに、ちゃんと対応する制度が用意され始めているわけです。

もちろん、居住支援の担い手が足りないなど、現場ではまだ課題も多いのですが、方向性としては正しいと思います。

民間の仕組みも使えます。

以前のブログでも書きましたが、見守りサービスは月1,000円前後から入れますし、僕自身、孤独死保険にも助けられたことがあります。

空室期間の家賃6か月分と、原状回復費用まで補償してもらえたんですね。

これがなかったらと思うと、ぞっとします。

それから、僕がいつもお勧めしている定期借家契約も使えます。

1〜2年ごとに再契約があるので、そのたびに緊急連絡先の更新や健康状態の確認ができます。

「問題がなければ再契約できます」と特約でうたっておけば、入居者さんにとっても安心して住んでもらえるはずです。

 

断り続ける大家が、失うもの

そして、もう一つ大事な視点があります。

国立社会保障・人口問題研究所の推計では、65歳以上の一人暮らし世帯は、2050年に約1,084万世帯。

2020年の約1.5倍です。

そのうち約65%、704万世帯が75歳以上になります。

持ち家率が下がっている今の40代・50代が高齢者になれば、賃貸で暮らす高齢単身者はさらに増えていくでしょう。

東京都も9月上旬に大家・管理会社向けのシンポジウムを開いて、「高齢者は必ず重要な顧客になる」と呼びかけています。

つまり、高齢単身者を一律に断るということは、これから最大のボリュームゾーンになる入居者層を、自分から手放すということなんですね。

空室が増え続ける中で、これはかなりもったいない話だと思いませんか?

一度入居したら長く住んでくれるのも、高齢の入居者さんの特徴です。

備えさえしておけば、大家にとっても安定した経営につながるのです。

 

まとめ

高齢単身者を入れない大家は、責められるべきか。

僕の答えは「責められるべきではない。ただし、いつまでも断り続けられる時代でもない」です。

これまで大家が断ってきたのは、リスクを一人で背負うしかなかったからです。

その前提が、制度と民間サービスの両方から崩れ始めています。

問われているのは、断るかどうかではなく、備えたうえで受け入れられるかどうかなのだと思います。

まずは、お付き合いのある管理会社に「高齢の単身者を受け入れるとしたら、見守りと保険と保証、どこまで用意できますか?」と一度聞いてみることをお勧めします。


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