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川上情報は物件だけに限らない!?

公開日: 2017年07月17日

先日、賃貸住宅専門紙を読んでいたところ、とても興味深い記事が掲載されていました。

「戸建て専門で家賃補助実施」というものです。

これは、千葉県佐倉市が行う事業で、

・ 若者世帯の定住化人口の維持増加

・ 健全なコミュニティの維持及び発展と空き家の抑制

・ 中古住宅の利用促進

を狙ったものです。

日本では今後、本格的な人口減少、少子高齢化社会が訪れます。

データによると、

2017年 1億2674万人
2030年 1億1662万人
2048年 9913万人

と、予測通りに人口減少すると、労働力や社会保障制度の維持が難しいことが問題視されています。

同時に、ますます空き家が増加することも問題視されています。

それは空き家を放置し、建物や庭を手入れしないことで、周辺環境の悪化、犯罪率の増加につながるからです。

そこで佐倉市では、将来の人口減少、空き家問題の解消に手を打つべく、この取り組みをスタートさせたようです。

以下、概要です。

<補助対象者>

 1.新たに戸建て住宅を賃貸契約した方
 2.平成29年1月1日時点において18歳未満の子どもを
    育てている世帯または、夫婦どちらかが40歳未満の世帯
 3.1、2を両方満たす方

<補助対象住宅>

 1.戸建ての住宅であること
 2.建築基準法第3章の規定に抵触していないこと
 3.親族の所有する住宅でないこと

<対象となる費用>

 家賃(平成29年4月〜平成30年3月分の家賃 年度ごと申請が必要)
 ※共益費、管理費、駐車場使用料等は対象外です。

<補助金額>

 毎月の家賃の3分の1以内(上限2万円)×24か月(年度ごと申請が必要)

素晴らしい取り組みですよね!

この取り組みを利用して、不動産投資に活用できないか考えてみましょう。

例えば、佐倉市の中古戸建を検索してみると、500万円台の物件がいくつも見つかります。

そして賃貸で60平米超えの物件を探してみると、5万円台で借りられることが分かります。

利回りを計算してみると、

賃料5万円 × 12ヶ月 = 60万円
60万円 ÷ 500万円 × 100 = 12%

ここ数年流行りをみせる築古戸建投資が成り立つ可能性が出てきます。

ここに家賃補助が加わることは、物件探しをする人にとって有利に働くので、戸建賃貸を探す需要が増える可能性が出てきます。

不動産には川上情報があるといいます。

川上物件とは、一般に流通する前の不動産情報のことをいいますが、実際は川上物件であっても、お得な情報とは限りません。

しかし物件単体にだけ目を向けるのではなく、今回のような補助金といった情報を上手に手に入れ活用できれば、お得な川上情報と言えるのではないでしょうか。

幅広い視野で不動産投資を考えることが重要です。

高橋 淳