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空家の売却を考える前に

公開日: 2016年02月08日

先日、売買の関係で隣接する所有者の方と境界立会を行いました。

そこは古くからの住宅地で、60代ぐらいの方が多く住まわれている地域です。

そのとき、立会をした女性から唐突に話がありました。

「この家は空家になって何年も経つから、私も手放したいと思っていたの。
どれくらいで売れるかしら?」

どうして売却を検討しているのか聞いてみると、

・相続で実家を貰い受けたものの、
 ご自身は嫁いだので実家に戻ることはない。

・現在のお住まいから実家は遠方のため、
 頻繁に通えず維持管理ができない。

といったことが理由でした。

もう何年も空家ということだったので、
昨年制定された「空家等対策の推進に関する特別措置法」の概要をお伝えしたところ、

「固定資産税が6倍になってしまうかもしれないのですね。

ますます急いで売却しなければという気持ちになりました。」

と売却の媒介の依頼をいただく運びとなりました。

※「空家等対策の推進に関する特別措置法」とは
市町村長が特定空家等の所有者等に対して周辺の生活環境の保全を図るために
必要な措置をとるよう勧告した場合は、当該特定空家等に係る敷地について、
固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外することを定めた法律。

利益を生まない土地建物は、資産ではなく「死産」と呼ばれます。

何もしないまま、空家をただ所有し続けるくらいなら、

・ 賃貸物件として市場に出す。

・ リノベーションし、賃貸物件として市場に出す。

・ 解体して戸建賃貸を建築し、新築として市場に出す。

・ いっそのこと売却し、手放す。

このように、死産にしないための方法はいくらでもあります。

このまま空家として無駄な税金を払い続けるか、賃料収入を得るか、
どちらの選択肢が魅力的なのかは明白です。

「住む」「売る」「直す」「貸す」を幅広い視野でみて選択することが大切です。

その地域の特性をしっかり理解し、
“今後、資産として稼いでくれるどうか”を一つの判断基準にしてください。

高橋 淳