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問題を満足度向上に変え退去者からの情報も活かす

公開日: 2022年04月20日

入居期間別に基準を設けサービス範囲を判断する

こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

空室対策として重要なものの一つに「既存の入居者様にできるだけ長く住んで頂く」というのがあります。

空室という機会損失を少なくするためにも、大家さんは実現に必要な努力を日々続けなければいけません。

なかでも重要なのが、問題が発生した時のクレーム対応です。

理由は、賃貸経営を行っていると、入居者様からのクレームなどのトラブルを完全に回避することが難しいからです。

実際に、クレームが原因で退去が発生してしまうケースも珍しくありません。

ところが、大家さんのなかには、このようなクレーム問題を上手く処理するだけでなく、反対に入居者様の満足度アップに繋げている方もいます。 

クレームに対しての考え方と対応法

その違いは一体何なのでしょうか。

大切なことは問題が発生してクレームが出た時の大家さんの「考え方と対応法」になります。

そこで今回は、実際の成功事例を踏まえながら、クレームが発生した時の考え方や対応術について解説していきます。

例えば、入居者様からのクレームのなかでも、比較的多いのが設備に関するものです。

このような問題が起きると大抵の大家さんは「厄介だな」と感じるに違いありません。

しかし、実は設備のクレームは判断一つで入居者様の満足度アップに繋げられるものなのです。

それでは、実際に成功した事例をひとつご紹介しましょう。

ある大家さんのもとに、入居者様から「エアコンが故障したので直して欲しい」という連絡が入りました。

ところが、該当の部屋のエアコンは以前の借主さんが置いていったもので、建物に附属する設備ではありません。

契約書にもその旨を特約として記載しており、賃貸借契約の際にも説明済みです。

ですから、修理に応じる義務はありませんでした。

しかし、この入居者様は入居歴が5年と長いご夫婦で、小さなお子様が夏の猛暑で眠れずにぐずり、相当苛立っていたそうです。

そんな入居者様の様子を見て、この大家さんは当日のうちに自分の負担でエアコンを交換したのです。

もちろん修理の義務はなかったのですが、長い間住んで頂いていることへのサービスとして実施したわけです。

入居者様はこの対応にとても感謝し、さらなる長期入居に繋がったといいます。

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この大家さんは、入居期間に応じた「優良入居者様」の基準を設けしており、それに応じてサービスの範囲を判断していました。

入居5年以上・家賃滞納なしの方を「優良入居者様」、さらに入居10年以上になると「特別優良入居者様」に認定し、クレーム対応の許容範囲を大きくして要望に応えていたのです。

人間関係は一度こじれると修復は難しいですが、反対に一度信頼されれば少々のことでは揺るがない固い絆となります。

契約条項にこだわり過ぎない、このような柔軟な考え方が安定経営の実現には必要だと思います。
 

退去時に立ち会って次に繋がる情報を入手

また、退去時にも入居者様に長く住んで頂くためのヒントを貰えるチャンスがあります。

そのポイントは、大家さん自らが退去の立ち会いをすることです。

これにより、サービス向上に繋がる情報を得られるケースがあるからです。

実際に入居者様は、退居する時が一番本音で話をしてくれます。

例えばある大家さんは退居時に「棚が邪魔で大型の冷蔵庫に買い替えられなかった」「襖を外して部屋を広く使っていたが、その襖が邪魔だった」などの不満を聞くことができました。

するとこの大家さんは、退居後すぐに棚を撤去し、背の高い冷蔵庫が置けるように改善。

さらに、襖の預かりサービスも始めたのです。

その結果、襖を取り外して部屋を広く使う人が意外に多いことが判明し、次の入居者様にも大変喜んでもらえたそうです。

このように、何気ない入居者様のサインを見逃さないことが非常に大切です。

その積み重ねが確実に満室経営に繋がっていきます。