ブログ
初めての不動産投資でアパート一棟を購入するのは正解か?
公開日: 2022年08月20日
こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
今日は「初めての不動産投資でアパート一棟を購入するのは正解か?」というテーマでお話しします。
というのは、初心者の方からこの手の質問を受けることがとても多いんですよね。
「これから物件を買いたい!ただ、自己資金は数百万円ほどしかありません」
という方に不動産投資のアドバイスをするとしたら、
・築古戸建を現金一括買いするのか
・頭金を入れて、ローンを組んでアパート一棟を買うのか
どちらが良いのでしょうか?
今回はこのテーマについて考えていきましょう。
最初の不動産投資は、築古戸建の現金買いが王道
僕の答えは、明確です。
築古戸建の現金買いが、大家業の一番安全なスタート手法だと考えています。
このとき重要なのは、利回りが20%以上の物件に投資するということです。
利回りが20%以上というのは、価格のほとんどが土地値で、建物はタダでついてくるというイメージになります。
では、なぜ初めての投資に、築古戸建てがおすすめなのでしょうか?
理由は主に3点あります。
1つ目の理由は、現金で購入しているので、空室になっても焦ることがないという点です。
2つ目の理由は、自主管理が簡単という点です。
3つ目の理由は、賃貸運用をやめて手放そうと思っても、売却先が豊富という点です。
3つ目に関しては、例えば賃貸運用をしないのであれば、土地だけを売ることもできます。また、数百万円ほどで少しリフォームをすれば、実際に住む人に売って利益を出すことも可能です。
初心者の方は、このように築古戸建で不動産投資の経験値を積んでから、頭金を貯め、レバレッジを掛けていくのが王道のパターンだと思っています。
アパートを買うならデッドクロスを理解せよ
もちろん、ローンを組んでアパートを購入しても構いません。
かくいう僕も、初めての不動産投資はアパートでした。
ただ、皆さんとは全く違う買い方をしています。
ローンを組んでアパートを購入して良い人というのは、次の質問にきちんと回答できる人だと考えています。
- デッドクロスのメカニズムを明確に、他人に説明できるレベルまで理解していますか?
- フルローンで築25年のアパートを購入したら、いつデッドクロスが来るのか理解していますか?
- デッドクロスが来た時に、それを解消する方法を10個言うことができますか?
- 自己資本比率が40%~50%以上にならないと、そのアパートから生まれるキャッシュフロー(CF)を自由に使えないことを理解していますか?
- キャピタルゲインをアテにできないことを理解していますか?
いかがでしょうか?
「デッドクロスって何?!」という人は、その時点でだめですよ(笑)
では、これらを簡単に説明していきましょう。
アパート投資はキャッシュフロー(CF)を自由に使うことができない
まず、自己資金500万円で投資できる物件というのは、3,000万円程度のアパートになります。自己資金が500万円、ローンが2,500万円ですね。
利回り10%の物件とすると、家賃年収は300万円です。
1戸5万円ほどのワンルームが5戸くらいあるようなイメージですね。
家賃年収が300万円ということは、ローンや経費を差し引いて、実際に手元に残る税引前CFは120万円程度、実質利回り4%となります。
月々のCFで換算すると、ひと月あたり10万円。1戸5万円の家賃ですから、2戸空室となったら、あっという間に手残り0円となってしまうことが分かります。
このあたりのことがよく分からない方は、こちらの動画をご覧ください。
また、このCFは使うことができません。一体どういうことでしょうか。
利回り10%の物件というのは、大体が築25年以上となりますが、木造住宅の法定耐用年数は22年です。
購入した時点で、法定耐用年数を越えているということになります。
税務上の決まりで、償却年数が切れている物件は、「法定耐用年数×20%(端数は切り捨てる)」で計算することになっています。
このケースで言うと、「22年×20%=4.4年」で、端数は切り捨てるので、償却期間は4年ということになります。
そして、8割ほどローンを組んでいますので、500万円くらい繰り上げ返済しないと5年目にはデッドクロスが到来してしまうんですね。
デッドクロスが到来すると、手元に残るCFよりも、申告所得の方が多くなってしまいます。
最初の4年間は節税ができても、5年目以降はまったく税金対策にならなくなって、黒字倒産状態になってしまうのです。
さらに、築25年の木造住宅というと、通常のローンでは15年程度しか融資が借りられません。
つまり、元金の返済比率が多くなるため、手残りのCFはもっと少なくなります。
では、このデッドクロスのリスクに対してどう対処していくべきなのでしょうか。
まず、購入して10年程度はCFを使わず、自己資本比率を上げるために使う必要があります。
または、最初のアパートを購入して4~5年でキャッシュを貯め、再度レバレッジを掛けて同じ規模のアパートをもう一棟買っていくという手法も有効です。減価償却資産を増やすことで、デッドクロスを回避できるわけですね。
一方、戸建を現金で購入し、自主管理をしていれば、家賃収入を自由に使うことができるので、ローンを使ったアパート投資とは大きな差があります。
アパート投資は高利回り物件を探すのが大変
といっても、実際に物件を探し始めると、利回りが10%を上回る物件はなかなかありません。
しびれをきらし、「妥協して利回り7%の物件を買おうか?」と考え始める方が多いのですが、そのような利回りが低い物件は大抵の場合、提携ローンがついていたり新築だったりします。ですから、さらにCFが出なくなります。
クソ業者によって、郊外のクソ物件をつかまされないよう、注意しましょう。
アパート投資は出口戦略が限られる
アパート投資のもう1つのデメリットは、売却先が投資家に限られるということです。
投資家は利回りを重視しますから、高く売れない可能性があります。
一方、築古戸建であれば、実需/エンド(購入して実際に住む人)向けへの売却が可能となります。
まとめ
以上、今回は初めての不動産投資でアパート一棟を購入するのは正解か?というテーマで、王道の投資方法とアパート投資の注意点をお話ししてきました。
アパート投資の方が資金効率が良いと思われがちですが、しっかりデメリットも理解しておかないと、後で手詰まりになってしまいます。そのため、購入する前にしっかり勉強することが重要です。
今回お話ししたような知識は、不動産実務検定1級でしっかり勉強できますし、デッドクロスについてはこちらの動画で詳しく解説しているので、ぜひご覧になってみてください!
▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら
今日は「初めての不動産投資でアパート一棟を購入するのは正解か?」というテーマでお話しします。
というのは、初心者の方からこの手の質問を受けることがとても多いんですよね。
「これから物件を買いたい!ただ、自己資金は数百万円ほどしかありません」
という方に不動産投資のアドバイスをするとしたら、
・築古戸建を現金一括買いするのか
・頭金を入れて、ローンを組んでアパート一棟を買うのか
どちらが良いのでしょうか?
今回はこのテーマについて考えていきましょう。
最初の不動産投資は、築古戸建の現金買いが王道
僕の答えは、明確です。築古戸建の現金買いが、大家業の一番安全なスタート手法だと考えています。
このとき重要なのは、利回りが20%以上の物件に投資するということです。
利回りが20%以上というのは、価格のほとんどが土地値で、建物はタダでついてくるというイメージになります。
では、なぜ初めての投資に、築古戸建てがおすすめなのでしょうか?
理由は主に3点あります。
1つ目の理由は、現金で購入しているので、空室になっても焦ることがないという点です。
2つ目の理由は、自主管理が簡単という点です。
3つ目の理由は、賃貸運用をやめて手放そうと思っても、売却先が豊富という点です。
3つ目に関しては、例えば賃貸運用をしないのであれば、土地だけを売ることもできます。また、数百万円ほどで少しリフォームをすれば、実際に住む人に売って利益を出すことも可能です。
初心者の方は、このように築古戸建で不動産投資の経験値を積んでから、頭金を貯め、レバレッジを掛けていくのが王道のパターンだと思っています。
アパートを買うならデッドクロスを理解せよ
もちろん、ローンを組んでアパートを購入しても構いません。かくいう僕も、初めての不動産投資はアパートでした。
ただ、皆さんとは全く違う買い方をしています。
ローンを組んでアパートを購入して良い人というのは、次の質問にきちんと回答できる人だと考えています。
- デッドクロスのメカニズムを明確に、他人に説明できるレベルまで理解していますか?
- フルローンで築25年のアパートを購入したら、いつデッドクロスが来るのか理解していますか?
- デッドクロスが来た時に、それを解消する方法を10個言うことができますか?
- 自己資本比率が40%~50%以上にならないと、そのアパートから生まれるキャッシュフロー(CF)を自由に使えないことを理解していますか?
- キャピタルゲインをアテにできないことを理解していますか?
いかがでしょうか?
「デッドクロスって何?!」という人は、その時点でだめですよ(笑)
では、これらを簡単に説明していきましょう。
アパート投資はキャッシュフロー(CF)を自由に使うことができない
まず、自己資金500万円で投資できる物件というのは、3,000万円程度のアパートになります。自己資金が500万円、ローンが2,500万円ですね。利回り10%の物件とすると、家賃年収は300万円です。
1戸5万円ほどのワンルームが5戸くらいあるようなイメージですね。
家賃年収が300万円ということは、ローンや経費を差し引いて、実際に手元に残る税引前CFは120万円程度、実質利回り4%となります。
月々のCFで換算すると、ひと月あたり10万円。1戸5万円の家賃ですから、2戸空室となったら、あっという間に手残り0円となってしまうことが分かります。
このあたりのことがよく分からない方は、こちらの動画をご覧ください。
また、このCFは使うことができません。一体どういうことでしょうか。
利回り10%の物件というのは、大体が築25年以上となりますが、木造住宅の法定耐用年数は22年です。
購入した時点で、法定耐用年数を越えているということになります。
税務上の決まりで、償却年数が切れている物件は、「法定耐用年数×20%(端数は切り捨てる)」で計算することになっています。
このケースで言うと、「22年×20%=4.4年」で、端数は切り捨てるので、償却期間は4年ということになります。
そして、8割ほどローンを組んでいますので、500万円くらい繰り上げ返済しないと5年目にはデッドクロスが到来してしまうんですね。
デッドクロスが到来すると、手元に残るCFよりも、申告所得の方が多くなってしまいます。
最初の4年間は節税ができても、5年目以降はまったく税金対策にならなくなって、黒字倒産状態になってしまうのです。
さらに、築25年の木造住宅というと、通常のローンでは15年程度しか融資が借りられません。
つまり、元金の返済比率が多くなるため、手残りのCFはもっと少なくなります。
では、このデッドクロスのリスクに対してどう対処していくべきなのでしょうか。
まず、購入して10年程度はCFを使わず、自己資本比率を上げるために使う必要があります。
または、最初のアパートを購入して4~5年でキャッシュを貯め、再度レバレッジを掛けて同じ規模のアパートをもう一棟買っていくという手法も有効です。減価償却資産を増やすことで、デッドクロスを回避できるわけですね。
一方、戸建を現金で購入し、自主管理をしていれば、家賃収入を自由に使うことができるので、ローンを使ったアパート投資とは大きな差があります。
アパート投資は高利回り物件を探すのが大変
といっても、実際に物件を探し始めると、利回りが10%を上回る物件はなかなかありません。しびれをきらし、「妥協して利回り7%の物件を買おうか?」と考え始める方が多いのですが、そのような利回りが低い物件は大抵の場合、提携ローンがついていたり新築だったりします。ですから、さらにCFが出なくなります。
クソ業者によって、郊外のクソ物件をつかまされないよう、注意しましょう。
アパート投資は出口戦略が限られる
アパート投資のもう1つのデメリットは、売却先が投資家に限られるということです。投資家は利回りを重視しますから、高く売れない可能性があります。
一方、築古戸建であれば、実需/エンド(購入して実際に住む人)向けへの売却が可能となります。
まとめ
以上、今回は初めての不動産投資でアパート一棟を購入するのは正解か?というテーマで、王道の投資方法とアパート投資の注意点をお話ししてきました。アパート投資の方が資金効率が良いと思われがちですが、しっかりデメリットも理解しておかないと、後で手詰まりになってしまいます。そのため、購入する前にしっかり勉強することが重要です。
今回お話ししたような知識は、不動産実務検定1級でしっかり勉強できますし、デッドクロスについてはこちらの動画で詳しく解説しているので、ぜひご覧になってみてください!
▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら
