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木材価格が下がっても、建築コストは下がらない?ではどうする?

公開日: 2022年10月10日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

今日は、木材の価格がコロナの前の水準に戻ってきたというお話です。

不動産投資をされている方は、木造のアパートや戸建投資をしている方が少なくないですから、木材の価格は投資の結果に大きく関わってきます。

そこで今日は、木材の価格について見ていきたいと思います。

 

4倍に上がったアメリカ木材価格がコロナ禍前に戻りました

結論から言うと、直近データでは木材の価格は直近データでコロナ禍前に戻りました。

日本の木材のほとんどは北米産に頼っていますので、アメリカの木材価格がコロナ前とコロナ後でどのような値動きをしていたのかを見ていきましょう。
 こちらのグラフにあるように、コロナ前の2020年の1月の価格を100とすると、ちょうどウッドショックが大変だと言われはじめた2021年の6月頃には、なんと約4倍の400にまで価格が跳ね上がりました。

しかし、なんと直近のデータでは、コロナ前の100に戻っているのです。

 

アメリカの木材価格が下がった理由

この値動きは、アメリカ国内の住宅需要を如実にあらわしています。

アメリカは、コロナによってゼロ金利にしたおかげで住宅ローンの金利が下がり、コロナによる巣ごもり需要もあって、郊外に家を買う人が増えたことが発端となり、木材が足りなくなって、ウッドショックが起きました。

さらに、コロナでお金をばらまいたおかげでインフレが起きて、今のアメリカではインフレ率が8%とか9%になりました。

このインフレを止めるために、今、FRBがガンガン金利を上げているので、当然住宅ローンの金利も上がり、そうなるとアメリカで住宅を買う人が少なくなった(あるいは少なくなるだろうと予測された)ため、木材の価格が下がっているのです。

アメリカの住宅価格も、コロナ前に比べると3割ぐらい上がっていましたが、最近は若干下がり始めていて、今後どこまで下がるかが注目されています。

 

アメリカの木材価格が下がっても、日本での建築コストが下がらない理由

これは、当然日本にとっても非常に良いニュースです。

となると、日本の住宅コストも下がっていくのでしょうか?

日本の木材価格は、この2年間で約2.5倍に上がり、建築コストも1.3倍から1.4倍ぐらいになりました。

最大の期待はコロナ前の価格レベルに戻ることですよね。

確かに今、港に木材が積み上がっていて、在庫が余りはじめています。在庫が余ると保管コストもかかってくるので、安くても売ってしまえという感じになりそうですが、実際どうなのでしょうか。

僕は、期待するほど木材価格が下がらないと思っています。

なぜなら、円安だからです。

この2年円で円はドルに対して3割も安くなっています。

つまり、アメリカの木材コストが元に戻ったとしても、結局、輸入する木材の価格は円安によって、3割高い状態になってしまうのです。

さらに、コロナ明けの需要によって、海運コストが上がっているので、アメリカの木材コストが下がっても、日本の仕入れコストはそこまでは下がりません。

コロナ前の3割増くらいに木材コストが落ち着けば、御の字なのではないかなと思っています。

加えて、建設業界にとって、コロナ禍は絶好の値上げのチャンスだと思います。

過去を見ても、いったん値上げされたコストが戻ることはなかなかなく、せいぜい円高になったときに、円高還元セールやるくらいです。

しかし僕は、構造的に円高にはならないと思うので、値下げを期待するのは難しいと思います。

さらには、ロシアのウクライナ侵攻も関係しています。

日本への輸入木材は、北米だけでなくロシア産も結構多かったのですが、今はそれが入ってきていません。

そのような背景を考えると、アメリカで木材価格がコロナ前の水準に下がったとしても、日本の木材価格は下がらないと考えられるのです。

そもそも、住宅価格は木材だけで成り立っているわけではありません。

その他の建材やサッシ、建具やキッチン、ユニットバスや電気などいろいろとありますが、そのようなすべての建材の値段が上がっている状況ですので、これも相まって、劇的なコスト軽減を期待することはできないのではないかと思います。

 

不動産投資家も家賃を上げていきましょう!

そして、今日の結論は何かというと、「皆さんも値上げしましょう!家賃を上げましょう!」ということです。

これからは、不動産投資家も一生懸命値上げすることを考えていく必要があると思います。

デフレのまま景気を良くしようとしても無理ですから、少しずつ値上げしていくことで、景気を回復させて行かざるを得ないと思います。

様々なものの値段が上がっている中ですので、家賃も上げることを考えていきましょう。

今日は、木材価格がコロナ前に戻っても建築コストは下がらないワケというお話でした。


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