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負債・借金を引き継がないための相続のハナシ

公開日: 2022年11月30日

 
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

今日は、誰にも聞けない相続のハナシをしたいと思います。

僕のVoicyのチャンネルをお聞きになっている方は、僕と同年代の40~50代が多いです。

僕と同年代の方は、親御さんが75歳80歳を超えている方も多いのではないでしょうか。

そうなると、気になるのは相続だったりしますよね。

また、ある程度の資産を不動産投資で作ったら、そろそろご自身の相続についても考えていかなければならないお年頃でもあります。

とはいえ、まずは親の相続を控えている方が多いのではないかと思いますので、今回は相続を受ける側としての注意点についてお話ししたいと思います。

 

相続税が発生するケースとは?

一定の金額以下しか資産がない方は、相続税の申告は必要ありません。

現在、相続税の基礎控除は3,000万円で、それに加えて、法定相続人一人当たり600万円が控除されます。

例えば、配偶者は亡くなっていて子供が3人というケースや、配偶者と子供2人というケースなど、法定相続人が3人いたとすると(600万円×3人=1,800万円)が控除されます。

つまり、基礎控除額3,000万円+1,800万円=4,800万円までの相続遺産には税金がかからず、申告は必要ないということですが、それを超えてくると、相続税の申告が必要になります。

 

親のアパートを相続・・・本当に大丈夫?

「今まで、ほとんどアパート経営に関わってこなかったけれど、いきなりアパートを相続してしまった・・・」という方が、僕のチャンネルにアクセスしてくれることが結構多いのですが、そんな方によくよく注意していただきたい点があります。

それは、受け取る資産よりも借金の方が多いケースがあるということです。純資産がマイナスになっているということですね。

また、そういった経営状況になっている大家さんというのは、だいたいハウスメーカーに管理を丸投げか、管理会社に任せっきりで空室だらけというケースが多いです。

つまり、自分で能動的に経営をしていないのです。

このような場合、アパート自体もかなり老朽化しているでしょうし、修繕費の積立もしておらず、毎月キャッシュアウトしているような状況もありえます。

そのようなアパートを引き継いでしまうと、

・売っても借金が残るので売るに売れない・・・
・業者に丸投げ状態でいいように食い物にされてしまう・・・


このようなケースが多いです。

クソ業者は、「広告費をたくさん積まないと、入居付けできませんよ」とか、「100万円200万円かけてフルリホームしないと入居が決まりませんよ」と言って、相続大家さんを食い物にします。

そのような業者は、往々にして「家賃を下げないと決まりませんよ」と言ってきますが、家賃を下げれば収益も上がらず、借金の返済もままならない・・・という状況になってしまうでしょう。

また、僕のYouTube動画不動産実務検定でお勉強されている方は分かると思いますが、最悪なのは、引き継いだ物件が「デッドクロス」になっている場合です。

デッドクロスというのは、実際にポケットに残っているお金よりも、課税所得の方が多くなってしまう現象です。

デッドクロスが起きると、例えば、100万円がポケットに残っていたとしても、課税所得が200万円になっていたりするわけです。

こうなると、儲からないどころか借金を返すだけの人生が待ち受けています。そして、返済が行き詰れば、最悪自己破産になってしまうこともあるでしょう。

僕も過去何度も、「親のアパートを引き継いだら借金だらけでした」とか、「空室だらけで困っています、何とかしてもらえませんか?」という相談をいただいていますが、残念ながら、こうなってしまってはどうにもできません。

このような債務超過になっている物件は、最初から引き継がないのが得策です。

 

相続を放棄する方法とは?

相続は必ず引き継がなければいけないわけではなく、実は相続放棄することができます。

相続放棄の手続きは、相続が起きてから3ヶ月以内に家庭裁判所で「私はプラスの資産もマイナスの資産も一切受け取りません」という相続放棄の申請をします。

そして、その申請が審理され受理されるまで約1か月ぐらいかかります。

この「相続が起きてから3ヶ月以内」というのが非常に重要で、これを一日でも過ぎたら相続の放棄はできなくなってしまいます。

相続放棄をしない場合は「単純承認」といって、プラスの資産もマイナスの資産も全部引き継がないといけません。

ですので、資産家の親が死んだとしても、悲しんでいる暇などなく、すぐにプラスの資産がいくらあり、マイナスの資産がいくらあるかということを把握し、単純に相続をするか、放棄をするかを3ヶ月以内に決めないといけないのです。

ちなみに相続の放棄は、他に相続人(兄弟など)がいたとしても、自分一人でもできます。

また、相続の仕方にはもう一つ「限定承認」という方法があります。

こちらも、3ヶ月以内に申請する必要がありますが「プラスの資産の範囲でマイナスの資産を受け取ります」という相続方法です。

マイナスの資産の方が多ければ、最低でもこの限定承認をしたほうが良いでしょう。

ただ、限定承認は相続人全員でないと申請できないので注意が必要です。

 

他にもこんな注意点が!葬儀代を親のお金で払ってはいけない!?

さらに、もう一つ絶対に気を付けていただきたいことがあります。

それは、例えば親が亡くなった時に、相続人が親の預金から葬儀費用を引き出して葬儀費用を支払ってしまうと単純承認をしたものと見做され、その後、相続放棄をしたくても認められないという点です。

親の預金を引き出すということは、親の資産を引き継ぐという意思表示となってしまうのです。したがって、葬儀費用は必ず立て替えておくことが重要です。

また、例えば親がかけていた生命保険の受取人が自分や奥さんだった場合、相続放棄をしてしまったら、生命保険の受取金も放棄されてしまうのか?という論点がありますが、相続放棄をしても生命保険金は受け取ることができます。遺族年金も受け取ることができるのでご安心ください。

とにかく、資産がいくらあるのかということを「生前に」しっかりと把握しておき、もしマイナスの資産の方が多ければ、相続放棄もしっかり視野に入れておくことが非常に重要です。

資産家と思っていたら、負債家だった・・・というようなこともありますので、ぜひしっかり学んで、無駄な税金や借金をかぶらないようにしましょう。

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