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投資の自己責任論について

公開日: 2023年01月30日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

今日は、「かぼちゃの馬車」事件を題材にして、投資の自己責任論について思うところをお話ししたいと思います。

数年前に大きな話題となった、“女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」事件”。ご存じの方も多いと思います。

まずは、この事件は一体どういうものだったのか?振り返っていきましょう。

本件のスキームは、

・株式会社スマートデイズが、女性専用のシェアハウスを建築する土地を仕入れて、シェアハウスを新築
・そのシェアハウス住宅を投資家が購入し、デベロッパーは30年のサブリースを提供

・・・といったものでした。

そして、この物件に投資をしたほとんどの方は、スルガ銀行からほぼフルローンに近い融資を受けて投資をしていました。

しかし、何年かしてデベロッパーが「保証家賃を支払えない」ということになり、潰れてしまいます。

そこで投資家グループは、責任の追求先をスルガ銀行に向けて、「借金をチャラにしろ!」と主張して争うことになったんですよね。

 

争いの結果…異例中の異例の結末へ

では、この争いの結果はどうなったのでしょうか?

結果として、スルガ銀行とスマートデイズは融資申し込みの際に、

・投資家の収入書類を改ざんする
・二重契約をする

・・・と、ありとあらゆる手法を駆使してフルローンを引き出して、投資家に物件を買わせていたことが明らかとなりました。

こうした組織的な悪態が明るみとなり、「かぼちゃの馬車事件」はマスコミを騒がす大々的なニュースとなったのです。

最終的な結末としては、「投資家に建物を放棄してもらい、債務を免除する」ということで、スルガ銀行が事態の集結を図りました。

これでめでたしめでたし…と言いたいところではありますが、本来、銀行がこういった債務免除をすることは基本的にはありません

投資家がローンを返済できないのであれば、不動産を競売に出し、資金を回収します。競売で回収しきれない債務については、投資家は返済をずっと迫られるのが一般的です。

今回はスルガ側にも負い目があったことから、債務免除という幕引きを図りましたが、これは異例中の異例だと思っています。

 

投資は自己責任!予めリスクを評価せよ

投資家グループは、「融資をされなければ、投資はしなかった」と言っていますが、これはあまりにも他責思考ではないか、と僕は思います。

洗練された投資家の皆さんは、投資家グループの抗議を冷ややかにみていた方も多いのではないでしょうか。

審査書類の改ざんは、確かにいけないことです。

ただし、投資家の中には、改ざんを知っていた人もきっといたと思うんですね(もちろん知らなかった人もいたとは思いますが・・・)。

この件に関わっていた投資家の中には、恐らく、

“融資を受けられさえすれば、投資は成功する”
“融資を引けるかどうかが不動産投資で一番重要だ”


という思いがあったのではないかと推測しています。

今回は九死に一生を得た人も多いかもしれませんが、他責にしている人には、「もう投資はしないでください」と僕は言いたいくらいです。

投資にはリスクがつきものです。

当然、詐欺的なやり方で騙される人もいるかもしれませんが、結局、どこまでいっても投資は自己責任です。

融資云々ではなく、そのスキーム自体が投資するに値するかどうか?を投資家が評価すべきです。

例えば、「もしサブリースが撤退したとしても、相場の家賃で回るプロジェクトになっているか?」などを、投資家自身が理解してから投資すべきではないでしょうか。

 

失敗を糧に取り組む投資家は成功する

ところで先日、一般財団法人日本不動産コミュニティー(不動産実務検定を監修・認定している団体)のキックオフミーティングがあったのですが、実はその参加者の中に、かぼちゃの馬車に投資していた方がいらっしゃいました。

その投資家さんは、債務免除を受けずに早々にスルガから借り換えをして、自主管理に切り替えて自らシェアハウスを運営されています。

当然、当初の利回りは出てこないものの、都内としてはまあまあ悪くない利回りをキープしていらっしゃいます。

ご本人はだいぶ痛い目をみたようですから、不動産実務検定(2級,1級,マスター)を取得し、しっかり物件と付き合っています。

明るく失敗談を語っていらっしゃいましたが、僕は「本当に素晴らしいな」と思っています。

この方は、これからも優良物件を仕入れて資産を増やされるでしょうし、現在運営しているシェアハウスにもいずれは素晴らしい買い手が現れて、ハッピーエンディングを迎えられると思います。

というわけで、今回は「投資の自己責任論」について解説してきました。

投資は自己責任です。勉強せずに美味しい話に飛びつかないように気をつけていただければと思います。ぜひ参考にしてみてください!

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