ブログ

ウラケンを一流に変えた魔法の一言

公開日: 2023年01月31日

▼今日の記事を音声で楽しみたい方はこちら


こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

今日は、僕のマインドが180 度変わった、「ある瞬間」に関するエピソードをシェアしたいと思います。

それは僕がまだ独立する前の、バリバリのゼネコン営業マンだった頃の話です。

ある銀行の支店長から、当時、急成長していた会社の社長さんを紹介されました

その社長さんの会社は、設立からわずか3年ほどで売上高30億円という驚異の急成長を遂げていたのですが、さらに驚くべきことに、当時その社長さんの年齢が24歳くらいだったのです。

21歳で創業して、24歳で年商30億、社長さんの年収が3億円ほど・・・ということで、銀行のやり手の支店長さんが、税金対策として不動産投資を持ちかけて、融資をするので何か不動産を探しているという話でした。

 

常識外れの社長さんとの出会い

実際に紹介を受けた時には、すでに物件を購入していて、容積率が高いところに2階建てのアパートが建っていたのですが、それを10階か11階建てに建て替えたいという相談をもらいました。

僕はそのころ30歳手前くらいで、年齢もそんなに離れていなかったため、非常に波長が合って、話はトントン拍子に進んでいきました。

しかし、そこはやはり、やり手の社長さんです。

彼は一般的なビジネスの常識を知らないで育ってきており、いきなり中卒でビジネスの世界に飛び込んできていました

また、彼のお父さんも実業家で、学はなかったけれどバリバリ事業を拡大している・・・そんな環境で育ってきており、ある意味、帝王学みたいなものを幼少期から叩き込まれていたのです。

そして、自分もサラリーマンではなくて起業するという選択を早くからしていて、僕なんかよりも一回りもビジネスの経験がある人でした。

その社長さんの何が常識外れだったのかというと、僕がプランを作って見積もり出したら、その見積もりをライバルのゼネコンに見せて、僕の見積もりよりもさらに低い金額を提示させていたのです。

そして、今度はそのライバルの見積もりを僕に見せて、「こんな金額で出来るっていっているところがあるよ」という感じで、揺さぶってきました

今の僕にとっては、このようなお客さんは一番はじめにお断りするべきお客さんなのですが、当時の僕は「何としてでも受注を取りたい!」というコテコテの営業をしていたので、何とか食らいついていっていました。

 

ウラケンに出された無茶な条件

そして、最終的な業者選びの段階で、ある条件を出されたのです。

その条件とは、建て替え前のアパートの「立ち退き手続き」に関するものでした。

不動産業界の常識では、貸主側の都合で入居者を立ち退かせる場合、6ヶ月前の契約解除の通告と、それなりの立ち退き料が必要です。

解約の通告については、契約解除満了日あるいは満了日の6ヶ月前までに、書面で通知しなければいけないと宅建業法で定められています。

また、立ち退き料については家賃の6ヶ月程度が相場と言われていて、そのような判例もあります。

するとその社長は、「6ヶ月なんて待てない。早く建て替えをすれば、その分入ってくる家賃も多くなるのだから、6ヶ月も待つのは機会損失になる。あと、6ヶ月分の立ち退き料なんて毛頭払えない」と言いました。

そして、「もし浦田さんが3ヶ月で全10世帯の立ち退きを完了できて、さらに立ち退きの予算を半分以下にできたら、浦田さんにこの仕事を発注します」と言ったのです。

そのように言われて、僕がどんな反応したと思いますか?

「それは無理です」と言いました。

すると年下のその社長は、「浦田さん、僕は無理という言葉は聞きたくない。無理っていう言葉を僕の前で言わないでもらえませんか。無理と言ってしまうと思考がシャットダウンされて、もしかしたらできる方法があるのに、その方法を見つけられないかもしれないじゃないですか」と言ってきました。

そこで、僕はハッとしました。

そして、「それでは、やってやりましょう!」と言って、「3ヶ月で立ち退きをして、予算が半分以下だったら、僕の会社に任せてくれる」という念書を書いてもらい、その立ち退きに取り組むことになったのです。

もしかしたら、僕は踊らされていたのかもしれませんね笑

 

できる!と考えた途端、具体的な行動に移せた

まず、契約を解除するにあたっては「正当事由」が必要なので、建物が老朽化していることを正当事由にしようと思いました。

となると、老朽化しているということを具体的な検査で判定しなければならないので、耐震診断をすることにしました。

ところが、診断した一級建築士からは、「この建物はめちゃくちゃ耐震性がいいです」と言われてしまったのです。築30数年も経っていたので、僕は耐震性がないと思っていたのですが・・・。

そこでどうしたのかというと、もう時効なのでお話ししてしまいますが、「そうは言わずに、『震災級の地震が起きたら、耐震性がないので潰れてしまい、入居者の安全を守れない』と作文をしてください」とお願いしました。

その作文をもって、立ち退きの通知をしたのです。

通知内容は宅建業法に則って、「6ヶ月後に契約が切れます」というものにしましたが、「ただし、6ヶ月ではなくて、3ヶ月で退去してくれた方には、一律15万円の立ち退き準備金を支払います」としました。

すると、なんと10世帯中8世帯がすんなり退去してくれたのです。

残りの2世帯は「そんな金額で立ち退きはできない」とぐずりましたが、「必要になった経費は全部出す」という約束をして、実際に転居先を決めてもらい、ごねる入居者からさっさと退去してもらえるように手配しました。

もちろん、転居先を探したり、引越し代の見積りもまとめて安くするなど、きめの細かいお手伝いはしました。

結局、「できる!やる!」と決めた途端に、3ヶ月かつ予算も半分で立ち退きを実行することができたのです。

 

不動産業界の常識、ウラケンの常識を変えてくれた一言

この経験は、僕にとって非常に刺激になる出来事でした。

不動産業界では未だに、「立ち退きをさせるためには、6ヶ月分の立ち退き料が必要」というのが常識になっていますが、立ち退き料が6ヶ月分もらえる(かもしれない)ことや、立ち退きの通知があっても6ヶ月間はその住居に住んでいられる、ということを知っている入居者はほとんどいません。

不動産業者にしてみれば、立ち退き対応は面倒くさいし、自分の手を汚したくないので、お金で解決しようとしてきたのですね。

しかし、実際は交渉次第で立ち退き料は少なく出来ますし、お互いが合意すれば、退去も6ヶ月後ではなくて、2ヶ月後や3ヶ月後でも良いのです。

この不動産業界の常識を覆すような経験をしてから、僕は「無理!できない!」ということは、口にしないようにしており、これを座右の銘にして、ここまで来ることができました

今から考えれば頭にくるような若社長でしたが、ビジネスのセンスやマインドの持ち方に関してはとても勉強になりましたし、僕の飛躍につながるようマインドの変化を起こさせてくれたので、すごく感謝をしています。

ぜひあなたも、「それは無理だ!」と言いそうになったら、「それはできる!」と言い換えてみてください

▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら