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アパートの退去費用を安くする方法

公開日: 2023年03月15日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

最近は暖かい日が続いており、春の到来を感じさせますね。これから新生活を始める方も多いのではと思います。

新生活を始めるために実家を離れる時、いきなり家を購入する人は少ないと思います。多くの人が、まずは賃貸から新しい生活を始めますよね。

しかし、賃貸においては、退去費用のトラブルが付きものです。退去の際に敷金が返ってこないどころか、追加費用まで請求された・・・というトラブルもあったりします。

そこで今日は、入居者の方々に向けて、「どうすれば賃貸で退去費用のトラブルを防ぐことができるのか?」を解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!

※今回のお話は、退去費用を“ゴリゴリに交渉して安くする”というよりも、“適切に精算する”ことが目的のため、あらかじめご了承ください。

 

退去トラブルの事情を整理

まずは、退去費用の交渉以前に、それぞれの立場の思惑を整理しておきたいと思います。

 

オーナー側の思惑を把握せよ


まず、アパートのオーナーである大家さんは、

「できるだけリフォームの持ち出しを少なくしたい。」
「せっかく受領した敷金は、入居者へ返したくない。」

と考えています。

一方で、アパートの管理会社はというと、

「リフォームの仕事を請け負いたい。」
「入居者の敷金を返さず、そのままリフォームの売上に繋げたい。」

と考えています。

業者としては、リフォーム費用を新たにオーナーへ請求すると面倒なので、敷金の金額でリフォームを請け負うことができればスムーズだと考えているのです。

このような思惑から、退去費用を「敷金3か月分」として見積もりを出す業者もいます。

入居者から交渉されたとしても、少なくとも2か月分は返さなくて良いように、巧妙に見積もりを作文するのです。

最近は少なくなってきてはいますが、まるで“ぼったくりバー”のような業者の手口に、嫌な思いをしている入居者も多いと思います。

 

ウラケンの退去トラブル経験談


僕は人生で引っ越しを9度経験していますが、こうした敷金トラブルを何回か経験しています。

20年ほど前の話ですが、敷金2か月分が返ってこないばかりか、追加で1か月分もの費用を請求されたことがありました。

当時は敷金精算のガイドラインもなく、業者が無知な入居者に情報を与えず、ぼったくりまくっていたんですよね。

当時の僕は

「冷蔵庫の裏の黄ばみ」
「経年で黄ばんだクロス」

についても、自分(入居者)の責任だと考えていました。

しかし、業者の出した見積もりには、「クロスの全面張り替えが必要で、費用は入居者負担」と書かれていて、その単価というのが平米あたり2,000円だったんですね。

僕は、「単価の相場は7~800円なのに、ずいぶんぼったくりだな」と感じ、「だったら自分で張り替えます」と交渉したのです。

結局、最初“敷金3か月分”だった見積もりが、最終的には“1.5か月分”になりました。

もし、相場がいくらなのかという知識がなかったとしても、明らかに不当な額を請求されていると感じたら、僕のように交渉してみることが大切です。

 

オーナー側からしても、退去トラブルは家賃の機会損失に繋がる


また、退去トラブルは入居者側だけの問題でもありません。オーナー側にとっても、退去トラブルは家賃の機会損失を発生させる問題です。

先ほどお話しした僕の事例で考えてみましょう。

オーナー側にしてみれば、入居者である僕が業者と揉めている間に、約1か月が経過していました。その間はリフォームをすることもできず、新規募集もかけられない状況が続いていたのです。

退去トラブルが発生しなければ、入居者の僕はとっとと退去していたわけですから、すぐさまリフォームや新規募集に取り掛かることができたわけです。

このように、退去トラブルはオーナー側にも時間的・金銭的な機会損失をも発生させます

もちろん、現在は国交省が定めるガイドラインにて、入居者の負担割合は明確に決められています。ですので、僕が経験したような、ぼったくり精算は少なくなってきました。

とはいえ、“うんこ業者”というのはまだまだ存在するので、気をつけていただきたいです。

 

退去費用を安くする方法

では、退去費用を適正に精算するためには、どうしたら良いのでしょうか?

 

この一言を言えばOKです


ズバリ、退去立ち合いの際に、「この見積もりは、国交省のガイドラインに従って精算されていますよね?」と一言だけ言えばOKです。

もしくは、見積もりの前に「国交省のガイドラインに従って精算してください」と伝えるのも良いでしょう。

これで、たいていの敷金トラブルは回避できると思います。

もちろん、入居者側で負担範囲の勉強をしても良いのですが、なかなか時間が取れないでしょうし、範囲も広いので非常に面倒です。

絶対にやってはいけないのは、退去費用の負担割合に納得がいかないのに関わらず、立ち合いの場で精算書にサインをしてしまうことです。

もし負担割合に納得がいかない場合はいったん資料を持ち返って、国交省の敷金精算ガイドラインについてググってみましょう。

ガイドラインには退去費用の負担範囲が明記されているため、照らし合わせて確認して回答しましょう。

 

代表的な精算ポイントを事前に把握しておこう


また、おかしな部分があればすぐに業者に突っ込めるように、代表的な精算ポイントを事前に把握しておくことも重要です。いくつかまとめてみましたので、参考にしてみてください。

・「クロス」
“クロス”、すなわち“壁紙”は、6年で減価償却するとされています。

•    入居者が6年以上住んで退去した場合
たとえ借主が傷をつけたり汚してしまったりしたとしても、既に減価償却は終わっており、オーナーは家賃で償却分の売上をもらっているので、入居者負担はゼロになります。

•    入居者が3年住んで退去した場合
借主の過失によってクロスの張り替えが必要な場合は、費用負担は50:50で按分するのが決まりです。

また、クロスにまつわる、よくある汚れについてはどうでしょうか。

•    画鋲程度の傷
通常使用程度の小さな傷になるので、「貸主」の負担となります。しばしば、全面張り替えさせようというクソ業者がいますので、気をつけましょう。

•    冷蔵庫の後ろの変色
通常使用の範囲に該当するため、「貸主」の負担となります。
 
•    ペットによる臭いや汚れ、タバコによる黄ばみ、臭い
通常使用の範囲に該当せず、「借主」の負担となります。負担割合は経年によって変わってきます。

また、「鍵交換費用」をどちらが負担するのか?というのが問題になることがありますが、賃貸借契約書に「交換費用は借主持ちです」と書いていなければ、拒否して問題ありません(ただし、特約に書いてあれば借主負担になります)。

 

まとめ

というわけで、今回は「アパートの退去費用を安くする裏技」というテーマで解説をしてきました。

細かく見ていくと、入居者の負担になるのは退去時の清掃費用くらいで、今は敷金はほとんど返ってくる場合が多いです。

元々、敷金の法的な意味合いは、家賃の不払いのために担保しておくお金ですので、本来は原状回復費用に充ててはいけないのです。

もちろん、保証金の償却、敷引き特約など、返ってこない制度もありますが、契約で内容を明確にしておけば、法律的に有効になります。

春に新生活を始めるにあたって、敷金でトラブルにならないようにしていただければと思います。ぜひ参考にしてみてください!


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