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不動産が高騰すると、なぜ間取りが小さくなるのか?その理由を解説します
公開日: 2023年03月24日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
今回は、“不動産あるある”についてお話をしていきます。
僕はこれまで、世界中の不動産を見てきました。その過程で、不動産の価格と間取りに、ある共通のパターンが存在していることに気づきました。
今回はそのパターンについて、世界の傾向とパターンが生まれる理由を解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
“不動産が高騰すると間取りが小さくなる!”という法則のカラクリ
さて、冒頭でお話しした、“世界中の不動産に共通するパターン”とは一体なんでしょうか?
それは、「不動産が高騰すればするほど、新築の間取りが小さくなっていく」という法則です。
また、「もしも間取りが変わらなければ、開発エリアは郊外へ移っていく」という法則もあったりします。
なぜ、物件価格が高くなると新築の間取りは小さくなっていくのでしょうか?また、なぜ間取りの大きさを維持しようとすると、郊外へ移っていくのでしょうか?
あなたは予測がつきますか?
不動産価格が高騰すると、売れ行きが悪くなる
その理由をご説明するために、まずは不動産を購入できる所得層について考えてみましょう。
そもそも、所得層というのはピラミッド構造になっています。所得ピラミッドの頂上に向かっていくほど、その所得を稼げる人は少なくなっていきます。
ですから、不動産価格が高騰すると、不動産を購入できる人は確実に減っていくのです。
しかし、ここでデベロッパーのプロジェクト担当者の立場になって考えてみてください。
デベロッパーからすると、
「不動産価格が高騰する→不動産を売りづらくなる→資金の回収ができない→次の開発用地の仕入れもすることができない・・・」
といった具合で、負の連鎖が続いてしまうんですね。
そこで、デベロッパーは、不動産価格の平均値を維持しようと考えます。もっと言うと、ターゲットとなる顧客層が購入できる価格帯を維持しようとするんですね。
間取りを小さくすることで、販売価格をキープする
さらに、物件価格の高騰に伴い、建築費や物件コストも上がっていきます。これまでと同じ間取りで新築住宅を建てていては、販売価格は高くなってしまう一方です。
このことからも、間取りを小さくして顧客層が購入できる価格帯を維持しようとする傾向がでてくるわけです。
もちろん、物価上昇率に合わせて所得も上がっていくのであれば、不動産の購買力は変わらないので面積も小さくする必要はありません。
しかし、所得の上昇と言うのは、インフレから数年遅れて追って付いていくものですので、所得の上昇率がインフレを上回ることはまずありません。
ですから、デベロッパーが不動産を毎年販売し続けようとすれば、必然的に間取りは小さくなっていくのです。
世界中の不動産も、価格が上がるほど間取りが小さくなる傾向にある
これは日本だけではなく、海外の不動産にも同様の傾向があります。
マレーシアの不動産
僕はマレーシアに住んでいるのですが、この10年間でマレーシアの不動産も物件の広さが小さくなっています。
<マレーシア、KLCC(首都)の周辺相場>
・10年ほど前:150平米の新築コンドミニアムが2,000万円~
・今:80平米の新築コンドミニアムが2,000万円~
もし、以前と同じ価格でより広い間取りを求めるなら、土地の安い郊外に移っていく必要があります。
日本で起きた、ドーナッツ現象
日本でも、バブル時代の前後にドーナッツ現象が起きました。
都心の物件が高くなりすぎたので、埼玉、千葉、神奈川のベッドタウンに移り住む人々が増えました。その結果、都心の人口が空洞化してしまったんですよね。
このような現象が、どのような国の都市部でも起こりえるのです。
新築アパート開発は、厳しい冬の時代を迎えた
戸建てのみならず、アパートの間取りも同様の傾向があります。
広い間取りは家賃単価が下がるので、土地代・建築費が高くなると部屋がどんどん小さくなっていきます。最終的には15平米ほどしかない極小のワンルームになっていくんですよね
かつて不動産バブルが弾けた時、土地の価格も建築費も大きく下がりました。その結果、それまで15平米だった間取りは、20平米、25平米と大きくなっていきました。
しかし、今現在は建築費がめちゃくちゃ高くなっていて、新築の間取りは小さくなっていく圧力がかかっています。
しかし、そのような小さな部屋では物件そのものの競争力がなくなってしまいます。
部屋の広さを維持する開発をするのであれば、デベロッパーの利益や大家さんの利回りを犠牲にでもしないと、事業が成り立たないという時代になっているとすら感じています。
ということで、賃貸・分譲業界にとっては、厳しい冬の時代が到来しているといえるでしょう。
新築でアパート開発をするのであれば、プロレベルの知識・経験がないと、なかなか厳しい世の中になってきているな・・・としみじみ実感している今日この頃です。
▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら
こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
今回は、“不動産あるある”についてお話をしていきます。
僕はこれまで、世界中の不動産を見てきました。その過程で、不動産の価格と間取りに、ある共通のパターンが存在していることに気づきました。
今回はそのパターンについて、世界の傾向とパターンが生まれる理由を解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
“不動産が高騰すると間取りが小さくなる!”という法則のカラクリ
さて、冒頭でお話しした、“世界中の不動産に共通するパターン”とは一体なんでしょうか?それは、「不動産が高騰すればするほど、新築の間取りが小さくなっていく」という法則です。
また、「もしも間取りが変わらなければ、開発エリアは郊外へ移っていく」という法則もあったりします。
なぜ、物件価格が高くなると新築の間取りは小さくなっていくのでしょうか?また、なぜ間取りの大きさを維持しようとすると、郊外へ移っていくのでしょうか?
あなたは予測がつきますか?
不動産価格が高騰すると、売れ行きが悪くなる
その理由をご説明するために、まずは不動産を購入できる所得層について考えてみましょう。
そもそも、所得層というのはピラミッド構造になっています。所得ピラミッドの頂上に向かっていくほど、その所得を稼げる人は少なくなっていきます。
ですから、不動産価格が高騰すると、不動産を購入できる人は確実に減っていくのです。
しかし、ここでデベロッパーのプロジェクト担当者の立場になって考えてみてください。
デベロッパーからすると、
「不動産価格が高騰する→不動産を売りづらくなる→資金の回収ができない→次の開発用地の仕入れもすることができない・・・」
といった具合で、負の連鎖が続いてしまうんですね。
そこで、デベロッパーは、不動産価格の平均値を維持しようと考えます。もっと言うと、ターゲットとなる顧客層が購入できる価格帯を維持しようとするんですね。
間取りを小さくすることで、販売価格をキープする
さらに、物件価格の高騰に伴い、建築費や物件コストも上がっていきます。これまでと同じ間取りで新築住宅を建てていては、販売価格は高くなってしまう一方です。
このことからも、間取りを小さくして顧客層が購入できる価格帯を維持しようとする傾向がでてくるわけです。
もちろん、物価上昇率に合わせて所得も上がっていくのであれば、不動産の購買力は変わらないので面積も小さくする必要はありません。
しかし、所得の上昇と言うのは、インフレから数年遅れて追って付いていくものですので、所得の上昇率がインフレを上回ることはまずありません。
ですから、デベロッパーが不動産を毎年販売し続けようとすれば、必然的に間取りは小さくなっていくのです。
世界中の不動産も、価格が上がるほど間取りが小さくなる傾向にある
これは日本だけではなく、海外の不動産にも同様の傾向があります。マレーシアの不動産
僕はマレーシアに住んでいるのですが、この10年間でマレーシアの不動産も物件の広さが小さくなっています。
<マレーシア、KLCC(首都)の周辺相場>
・10年ほど前:150平米の新築コンドミニアムが2,000万円~
・今:80平米の新築コンドミニアムが2,000万円~
もし、以前と同じ価格でより広い間取りを求めるなら、土地の安い郊外に移っていく必要があります。
日本で起きた、ドーナッツ現象
日本でも、バブル時代の前後にドーナッツ現象が起きました。
都心の物件が高くなりすぎたので、埼玉、千葉、神奈川のベッドタウンに移り住む人々が増えました。その結果、都心の人口が空洞化してしまったんですよね。
このような現象が、どのような国の都市部でも起こりえるのです。
新築アパート開発は、厳しい冬の時代を迎えた
戸建てのみならず、アパートの間取りも同様の傾向があります。広い間取りは家賃単価が下がるので、土地代・建築費が高くなると部屋がどんどん小さくなっていきます。最終的には15平米ほどしかない極小のワンルームになっていくんですよね
かつて不動産バブルが弾けた時、土地の価格も建築費も大きく下がりました。その結果、それまで15平米だった間取りは、20平米、25平米と大きくなっていきました。
しかし、今現在は建築費がめちゃくちゃ高くなっていて、新築の間取りは小さくなっていく圧力がかかっています。
しかし、そのような小さな部屋では物件そのものの競争力がなくなってしまいます。
部屋の広さを維持する開発をするのであれば、デベロッパーの利益や大家さんの利回りを犠牲にでもしないと、事業が成り立たないという時代になっているとすら感じています。
ということで、賃貸・分譲業界にとっては、厳しい冬の時代が到来しているといえるでしょう。
新築でアパート開発をするのであれば、プロレベルの知識・経験がないと、なかなか厳しい世の中になってきているな・・・としみじみ実感している今日この頃です。
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