ブログ

どこまでやるべき?アパートの大規模修繕で注意すべき点を解説!

公開日: 2023年03月28日

▼今日の記事を音声で楽しみたい方はこちら


こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

今回は、アパート・マンションの大規模修繕についてお話しします。

僕は普段、1,000人以上が加入する日本最大級の不動産投資系オンラインサロンを運営しているのですが、会員の皆さんから毎日様々な質問をいただきます。

その中で先日、「築10~15年のRCマンションの大規模修繕の見積もり」について相談がありました。

大家さんの中でも、

「大規模修繕を、どのくらいの時期にどのくらいの規模感でやったら良いか?」ということは、わからない方が多いんですよね。

そこで今回は

・何年くらいでどれくらいの修繕をしたら良いのか?
・大規模修繕に関するそもそもの考え方(どのくらいお金をかけるべきか?)


を解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください!

 

サロン参加者からのご相談内容

まず、今回質問いただいた内容をご紹介します。

質問者の方が保有されている物件は、

・10年ほど前、大手ハウスメーカーで建設
・陸屋根(屋根が平らで屋上がある形状)
・外壁はタイル張り

・・・という、よくあるマンションです。

そして、その物件の大規模修繕の見積もりを、元施工のハウスメーカーに出してもらったところ、なんと!総額が3,000万円を超えていたとのことでした。

僕もその見積もりを見せてもらったのですが、各項目の単価が通常よりも3割くらい高いだけでなく、必要ない項目までたくさん入っている状態で、僕からすると、“ぼったくり”以外の何者でもない見積もりでした。

しかも、不要な項目が入っている割には必要な項目が入っていません。(詳しくは後ほどご紹介します)

まるで建物の大規模修繕について、よくわかっていない人が作っているような見積もりです。

もしかすると、下請けの下請けに見積もりを作らせて、単純に価格を乗せているだけなのでは?という気すらしてしまいました。

 

大規模修繕は、最低3社から相見積もりをとるべし

この相談者の方にもアドバイスをしたのですが、この手の大規模修繕をやる際は、相見積もりを必ず3社以上から取得するべきです。

なぜかというと、最低でも3社を比較しないと、単価の相場感はわからないし、修繕の必要性もわからないからです。

また、単価は安く設定されていても、施工面積を改ざんして見積もりを誤魔化すこともあります。

実際に測ることができないオーナーさんが多いのをいいことに、実際は100平米で良いところを150平米と記載していることもあるほどです。

ですので、大規模修繕をする時には、少し面倒でも必ず相見積もりをとりましょう

最低3社の相見積もりをとることで、何が本当で何が嘘か?がわかり、ぼったくられることを防ぐことができます。

 

元施工の心理操作に御用心

ただし、物件を建てた元施工の業者へ「相見積もりを取ります!」と報告すると、往々にして「うちに契約してもらえないなら、保証は継続しない」と言われることがあります。

こう言われてしまうと、「元施工のハウスメーカーに依頼した方が良いのかな・・・」と、グラついてしまいますよね。

このような時は、「元施工のハウスメーカーの見積もりが1,000万円も高かったとして、それを保証料として払うだけのメリットがあるのか?」という点を、冷静に考えてみましょう。

大概はそんなメリットはありません

元施工の業者から心理操作をさせられることなく、しっかり相見積もりをとりましょう。

 

修繕でお金がかかるのは〇〇だ!新築から15年~20年かけて、修繕積立金を積み立てていこう

相見積もりをとったら、それが本当に必要な修繕箇所かどうかを判断していきます

今回の見積もりを参考にして、具体的な項目ごとに指摘していきましょう。

 

1、タイル張り替え、目地の打ち替え


今回の物件は築10年程度にも関わらず、タイルの一部張り替え、全ての目地※の打ち替えが見積もりに含まれていました。

※目地とは、RCマンションの壁にある縦横の太い線のこと。地震で揺れた時に、壁にヒビが入らないように、誘発目地をつけてあり、溝にヒビが入るようになっている。ヒビが入った時に、雨漏りしないように、防水ジェルをくっつけている(コーキング)。ジェルは当初は柔らかいが、経年で硬化していくと、カチカチになってひび割れて水が入るため、打ち替える作業が必要になる

しかし、目地の打ち替えは10年程度では不要ですし、屋上防水も10年保証がついているので、15~20年程度は何もしなくても大丈夫です。

 

2、排水管の高圧洗浄


本来であれば、屋上の防水やタイルの張り替えの前に実施すべき、排水管の高圧洗浄が見積もりに含まれていませんでした。これは気をつけたいですね。

 

3、足場の費用


大規模修繕で一番お金がかかるのは、実は足場です。

足場と言うのは、設営費・撤去費用に加え、人件費、輸送費、足場をかけている期間中のレンタル費用・・・と、大きなコストがかかります。

今回のハウスメーカーの見積もりも、なんとその3分の1が足場のコストでした。

しかし、目地のコーキングの打ち替えだけであれば、屋上からブランコでぶら下がって、施工すれば十分可能です。

実際、僕は何度もそのような方法で目地の打ち替えを行っています。

 

4、そのほかの項目


今回の見積もりのその他の項目について細かく見ていくと、

・タイル:15~20年は何もしなくて良い
・屋上/ベランダの防水:15年前後
・鉄部の塗装:さすがに錆びたりするので10年前後
・給水ポンプの交換:15年前後

・・・というのが適正期間です。

こうしてみていくと、鉄部の塗装以外は大体15年前後が1つの目安といえるでしょう。

最近の施工精度であれば、20年くらいは全然持つくらいのレベル感だと捉えています。

また、費用については新築時の見積もりの各項目の金額を参考にして、15~20年間ほどかけて修繕積立金として積み立てていくのが良いでしょう。

 

まとめ

というわけで、今回は「どこまでやるべき?アパートの大規模修繕」というテーマで解説をしてきました。

大規模修繕が必要かどうかを判定するには、正直ホームインスペクターレベルでないと的確に判断はできません。

しかし、ここで皆さんに朗報です。僕の会社では、物件調査の目利きができるようになる教材「不動産調査バイブルセミナーDVD」を販売しており、今なら決算キャンペーンでなんと半額でご提供中です(3月31日まで)。

興味がある方はぜひチェックしてみてください!


▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら