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「女性限定」という謳い文句のメリットとデメリットを解説します
公開日: 2023年04月09日
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
世の中には多種多様な商売があり、より多くの売上を上げるため、僕らは日々奮闘しています。
そんな中、日常生活でよく見かけるのは、“〇〇限定”という謳い文句です。
例えば
・60歳以上のシニア限定!
・学生限定!
などが挙げられますね。
マーケティングの観点から解説すると、これらはすべて、顧客対象を絞り込むことによって競合と差別化を図る作戦です。
顧客対象を絞り込むことで、ターゲットが明確になって商品が売りやすくなりますから、まさにマーケティングの定石と言えるでしょう。
ただし、こういった“限定作戦”は明確なマーケティングリサーチなしにやってしまうと、企画倒れになってしまう可能性が高いです。
ということで本日は、こういった「顧客の絞り込み」について、「女性限定マンション」を例に詳しく解説していきます。
なぜ、大家さんは「女性限定」などと謳うのか?そのメリットを解説
僕は不動産業界で30年以上働いていますが、20年くらい前に現れたのが、「女性限定マンション」という絞り込み戦略です。
実を言うと、「女性限定マンション」を謳う大半の大家さんには大した考えはありません。
ほとんどの方が、「なんとなく、女性限定と謳っておいた方が良いだろう」と思い込んで、特に何も考えずに女性限定にしているケースが多いです。
また、「女性の方が物件を綺麗に使ってくれそうだし、家賃の滞納もなさそうだし、長く住んでくれそうだな」と考えるオーナーも多いと思います。
要は、オーナーの勝手な都合なんですよね。
もちろん、確かに「女性限定」にすることで、
・借り手は安心、安全に暮らせる
・借り手の親御さんの立場としても安心感を得られる
というメリットはあると思います。
また、「女性限定」と謳うだけでなく、
・監視カメラを強化
・オートロックを設置
というセキュリティを実際に完備することで、入居者はより安心して暮らすことができるでしょうし、喜ぶ人も多いでしょう。
ただし、こうした差別化は、リサーチに基づいたものであるかどうかが重要です。
例えば、
・女子大が近くにあって
・女性限定アパートのニーズ調査を徹底的にやり込んだ結果
・確実に差別化ができ、競合に勝てると判断した
というのなら問題はありません。ただし、そうでない場合は注意すべきです。
「女性限定」にするデメリットは?
では、「女性限定」にするデメリットは何があるでしょうか。
「女性限定」という謳い文句は、実は防犯面で問題が多い
1つ目は、防犯面の問題です。
確かに、お隣さんが女性である安心感はあるかもしれませんが、少し見方を変えれば、「この物件には女性しか住んでいませんよ」とアピールしているようなものですから、防犯面でいえばイマイチでしょう。
女性限定にすることで、自らお客さんの間口を狭めている
2つ目は、お客さんの間口を自ら狭めているという問題です。
男性が入居できないというのは、単純に考えて全体の需要の半分を捨てているようなものです。
僕の経験上、女性限定にしたからといって、即満室になって入居待ちができる、なんてことはほとんどありません。
逆に、女性限定にしたことで、なかなか満室にならなくて苦労している物件の方が多いような肌感覚があります。
例えば、以前スマートデイズ社が展開する「かぼちゃの馬車」という女性専用シェアハウスがありましたが、全く稼働率が上がらず、最終的には保証家賃を支払えずに倒産してしまいましたよね。
このように、女性限定だからといって入居者が増えるとも限らないのです。
女性だから家賃を滞納しない、部屋を綺麗に使ってくれるというのは単なる思い込み
3つ目は、女性だからといって、部屋を綺麗に使ってくれる保証はない、という問題です。
現実的なことを言うと、女性であったとしても、物件をゴミ屋敷のようにしてしまう人は存在します。また、家賃の滞納が男性に比べて特段少ないわけでもありません。
要は、「女性だから安心できる」というのはデータがあるわけでもなんでもなく、単なる思い込みに過ぎないということなんですよね。
満室経営のためには、無闇に顧客の限定をするな!むしろ顧客の間口を広げよ
ということで、僕の見解では、顧客の絞り込みはしない方が、むしろ満室になるチャンスが広がると思っています。
実際、僕は築30年以上のアパートを経営しているわけですが、
・何の変哲もないメゾネット式
・15平米しかない
・3点式ユニットバス
という、ごくごく普通のスペックのアパートを相場よりも1割ほど高い家賃で貸し出していますし、ずっと満室経営を続けています。
なぜ僕は、なんの変哲もないアパートをここまで有効的に経営することができるのでしょうか?
そのカラクリの1つは募集のアイデアにあります。
例えば、
・家具家電込み
・敷金礼金ゼロ
・更新事務手数料はオーナー持ち
などなど、お客様が入居したくなるような工夫を凝らしています。
また、顧客の間口を広げていることもカラクリの1つです。
僕は、
・高齢者(83歳のおばあちゃんが住んでいます)
・外国人(僕の経営するアパートの3割ほどは外国人の住人です)
など、一般的には入居を拒否されそうな方々も全面的に受け入れています。
さらには、
・水商売の方もOK
・母子家庭もOK
・ペットOK
など、僕は誰であっても拒むことなく受け入れています。
こうした甲斐あって、僕のアパート経営はうまくいっているわけです。
また、顧客の間口を広げることは、物件を紹介する不動産業者にとっても喜ばれることです。
幅広い客層に対して客付けできる方が、成約のチャンスも増えて手数料を稼ぎやすくなりますからね。
一方、顧客を限定して絞り込んでしまうと、そのぶん成約のチャンスは少なくなりますので、むしろ拒絶する不動産業者も多いような気がします。
少なくとも僕の管理会社では、そういった限定物件はあまり取り扱いたくないというのが正直なところです。
まとめ
というわけで、今回は「顧客を“女性限定”に絞り込むことのメリットとデメリット」というテーマで解説しました。
アパート経営においては、実際のリサーチに基づかない入居者の絞り込みはしない方が良いと思っています。
これから不動産投資をやろうと検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください!
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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
世の中には多種多様な商売があり、より多くの売上を上げるため、僕らは日々奮闘しています。
そんな中、日常生活でよく見かけるのは、“〇〇限定”という謳い文句です。
例えば
・60歳以上のシニア限定!
・学生限定!
などが挙げられますね。
マーケティングの観点から解説すると、これらはすべて、顧客対象を絞り込むことによって競合と差別化を図る作戦です。
顧客対象を絞り込むことで、ターゲットが明確になって商品が売りやすくなりますから、まさにマーケティングの定石と言えるでしょう。
ただし、こういった“限定作戦”は明確なマーケティングリサーチなしにやってしまうと、企画倒れになってしまう可能性が高いです。
ということで本日は、こういった「顧客の絞り込み」について、「女性限定マンション」を例に詳しく解説していきます。
なぜ、大家さんは「女性限定」などと謳うのか?そのメリットを解説
僕は不動産業界で30年以上働いていますが、20年くらい前に現れたのが、「女性限定マンション」という絞り込み戦略です。実を言うと、「女性限定マンション」を謳う大半の大家さんには大した考えはありません。
ほとんどの方が、「なんとなく、女性限定と謳っておいた方が良いだろう」と思い込んで、特に何も考えずに女性限定にしているケースが多いです。
また、「女性の方が物件を綺麗に使ってくれそうだし、家賃の滞納もなさそうだし、長く住んでくれそうだな」と考えるオーナーも多いと思います。
要は、オーナーの勝手な都合なんですよね。
もちろん、確かに「女性限定」にすることで、
・借り手は安心、安全に暮らせる
・借り手の親御さんの立場としても安心感を得られる
というメリットはあると思います。
また、「女性限定」と謳うだけでなく、
・監視カメラを強化
・オートロックを設置
というセキュリティを実際に完備することで、入居者はより安心して暮らすことができるでしょうし、喜ぶ人も多いでしょう。
ただし、こうした差別化は、リサーチに基づいたものであるかどうかが重要です。
例えば、
・女子大が近くにあって
・女性限定アパートのニーズ調査を徹底的にやり込んだ結果
・確実に差別化ができ、競合に勝てると判断した
というのなら問題はありません。ただし、そうでない場合は注意すべきです。
「女性限定」にするデメリットは?
では、「女性限定」にするデメリットは何があるでしょうか。「女性限定」という謳い文句は、実は防犯面で問題が多い
1つ目は、防犯面の問題です。
確かに、お隣さんが女性である安心感はあるかもしれませんが、少し見方を変えれば、「この物件には女性しか住んでいませんよ」とアピールしているようなものですから、防犯面でいえばイマイチでしょう。
女性限定にすることで、自らお客さんの間口を狭めている
2つ目は、お客さんの間口を自ら狭めているという問題です。
男性が入居できないというのは、単純に考えて全体の需要の半分を捨てているようなものです。
僕の経験上、女性限定にしたからといって、即満室になって入居待ちができる、なんてことはほとんどありません。
逆に、女性限定にしたことで、なかなか満室にならなくて苦労している物件の方が多いような肌感覚があります。
例えば、以前スマートデイズ社が展開する「かぼちゃの馬車」という女性専用シェアハウスがありましたが、全く稼働率が上がらず、最終的には保証家賃を支払えずに倒産してしまいましたよね。
このように、女性限定だからといって入居者が増えるとも限らないのです。
女性だから家賃を滞納しない、部屋を綺麗に使ってくれるというのは単なる思い込み
3つ目は、女性だからといって、部屋を綺麗に使ってくれる保証はない、という問題です。
現実的なことを言うと、女性であったとしても、物件をゴミ屋敷のようにしてしまう人は存在します。また、家賃の滞納が男性に比べて特段少ないわけでもありません。
要は、「女性だから安心できる」というのはデータがあるわけでもなんでもなく、単なる思い込みに過ぎないということなんですよね。
満室経営のためには、無闇に顧客の限定をするな!むしろ顧客の間口を広げよ
ということで、僕の見解では、顧客の絞り込みはしない方が、むしろ満室になるチャンスが広がると思っています。実際、僕は築30年以上のアパートを経営しているわけですが、
・何の変哲もないメゾネット式
・15平米しかない
・3点式ユニットバス
という、ごくごく普通のスペックのアパートを相場よりも1割ほど高い家賃で貸し出していますし、ずっと満室経営を続けています。
なぜ僕は、なんの変哲もないアパートをここまで有効的に経営することができるのでしょうか?
そのカラクリの1つは募集のアイデアにあります。
例えば、
・家具家電込み
・敷金礼金ゼロ
・更新事務手数料はオーナー持ち
などなど、お客様が入居したくなるような工夫を凝らしています。
また、顧客の間口を広げていることもカラクリの1つです。
僕は、
・高齢者(83歳のおばあちゃんが住んでいます)
・外国人(僕の経営するアパートの3割ほどは外国人の住人です)
など、一般的には入居を拒否されそうな方々も全面的に受け入れています。
さらには、
・水商売の方もOK
・母子家庭もOK
・ペットOK
など、僕は誰であっても拒むことなく受け入れています。
こうした甲斐あって、僕のアパート経営はうまくいっているわけです。
また、顧客の間口を広げることは、物件を紹介する不動産業者にとっても喜ばれることです。
幅広い客層に対して客付けできる方が、成約のチャンスも増えて手数料を稼ぎやすくなりますからね。
一方、顧客を限定して絞り込んでしまうと、そのぶん成約のチャンスは少なくなりますので、むしろ拒絶する不動産業者も多いような気がします。
少なくとも僕の管理会社では、そういった限定物件はあまり取り扱いたくないというのが正直なところです。
まとめ
というわけで、今回は「顧客を“女性限定”に絞り込むことのメリットとデメリット」というテーマで解説しました。アパート経営においては、実際のリサーチに基づかない入居者の絞り込みはしない方が良いと思っています。
これから不動産投資をやろうと検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください!
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